州民の特徴を表す州ニックネームの話 mohamoha33

州のニックネーム

州のニックネームの中には,州民の呼び名や特徴を表すものがあります。

特徴を表すものについてはかなり昔につけられたニックネームばかりなので,現在の州民がそうだとは限りませんが,昔から州のニックネームとして親しまれていると州民も意識すると思います。

今回は,州民の呼び名や特徴を表す州のニックネームを紹介します。

フージャーズの州は,どこの州?

初めて紹介する州になります。

インディアナ州
フージャー・ステイト:The Hoosier State
フージャーの州

インディアナ州は,州の正式なニックネームとして「フージャー・ステイト」を指定しています。
辞書で「hoosier」を調べると,一つは「アメリカ・インディアナ州の人」,その他には「不器用な人」「いなか者」「武骨者」となっています。
しかし,インディアナ州民は誇りを持ってニックネームを受け入れています。
いろいろと調べてると,「フージャー」のニックネームには上記の意味よりも「カジュアルで素朴な人」というニュアンスがあるのではないかと私は思います。
このニックネームは,1830年代に一般的に使用されるようになり,これは,州のニックネームの中で最も古く,最も人気のあるものの1つです。
起源となる説はいくつかありますが,決定的なものはないようです。
以下,3つの説を簡単に紹介します。
・イギリスの地方の方言で「高地の人」を指す「hoozer」が語源で,転じて「奥地の人」とか「開拓民」を意味するもの。
・インディアナ州で運河の建設に従事した「Hoosier氏」の人望から,周囲の人々が彼と一緒に働くことを誇りに思って,自分たちのことを「Hoosier men」と呼ぶようになったというもの。
<わたしが一番これじゃないかと思う説>
・初期のインディアナ州の人々は,東部の都市の人々よりカジュアルな人が多く,家の玄関に誰か来ると「Who’s there?」のあいさつの言葉で迎え入れたそうで,その言葉からできたというもの。

題名がそのまま「フージャーズ:Hoosiers」という映画があります。

邦題は「勝利への旅立ち」です。

1986年に制作されたインディアナ州の小さな町の高校のバスケットボールチームの実話をもとにした映画です。

私は見たことがなく,U-nextにもなかったのでまだ見ることができていないのですが,インディアナ州の州民の特徴が表現されているのか気になるところです。

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他にインディアナ州と言えば,世界3大レースの一つの「インディ500:(Indianapolis 500」が開催される「インディアナポリス・モーター・スピードウェイ:Indianapolis Motor Speedway」というサーキット場があります。

世界の3大レースは,この「インディ500」と「F1モナコGP」「ル・マン24時間レース」です。

「証拠を見せろ」の州は,どこの州?

ミズーリ州
ショーミー・ステイト:The Show-Me State
「証拠を見せろ」の州

ミズーリ州で最もよく知られているこのニックネームは公式に認められていませんが,ナンバープレートに記載されています。
だまされにくく保守的で,十分な証拠なしに信じたがらないというミズーリ州の人々の性格を説明するのに使われているようです。
由来についてはいくつかの話があり,最も知られている話は1899年にミズーリ州の米国下院議員によるもので,フィラデルフィアでこのように演説しました。
「私はとうもろこしと綿のミズーリ州から来ました。そしてどんな雄弁も私を納得させも満足させもしません。あなたは私に証拠を見せなければなりません。」(かなり略しています)

ミズーリ州というと,以前,セントルイスを「西部の玄関口」として紹介しました。(mohamoha10

ミズーリ州は「セントルイス:St. Louis」の他,「カンザスシティ:Kansas City」や「スプリングフィールドSpringfield」など大都市がいくつもありますが,州都は「ジェファーソンシティJefferson City」です。

私は知らなかったのですが,トーマス・ジェファーソンにちなんだ名前だそうです。

旅行計画にミズーリ州を訪れるのならば,ぜひ行きたいところがあります。

国立ブルース博物館:National Blues Museum」です。

National Blues Museum photo by Paul Sablemanon Flickr (Commercial use allowed)

セントルイスにあります。

セントルイスは,ブルースが南から移動した際に根付いた主な都市のひとつであり,国立博物館「ゲートウェイアーチ:Gateway Arch」のすぐ近くにあり,「ミシシッピ川グリーンウェイ:Mississippi River Greenway(ミシシッピ川に沿ってある遊歩道)」も含めて,この周辺をゆっくりと周りたいと思っています。

蜂の巣の州は,どこの州?

ユタ州
ビーハイブ州:The Beehive State
蜂の巣の州

ビーハイブ:Beehive」は「蜂の巣」という意味です。
「賑やかな場所」という意味もあるようですが,このニックネームにはあてはまりません。
「蜂の巣」は勤勉と産業の象徴であり,ユタ州の公式の紋章であり,よく知られたニックネームです。
実は「動物由来の州ニックネームの話② moahmoha17)の番外編でユタ州を「ディゼレット・ステイト:The Deseret State(ミツバチ州)」と紹介しています。
「ディゼレット」はモルモン教徒言葉で「勤勉なミツバチ」という意味でした。
全く同じ意味と捉えてよいと思います。
モルモン教徒だけではなく,ユタ州の住民は働き者で産業振興を大切にしているという思いが伝わります。
また,ユタ州は,かに座の小さな星雲として肉眼で見える「ビーハイブ星団(Messier 44)」を1996年に公式の州のシンボルとして指定しました。
ビーハイブ星団は,非常に大きくて明るい散開星団なのだそうです。
星団まで州のシンボルを指定するとは,念の入れようにユタ州の思いが伝わります。

Messier 44 – Praesepe Cluster photo by Giuseppe Donatiello on Flickr (Public domain)

平等の州は,どこの州?

ワイオミング州
イクオリティー・ステイト:The Equality State
平等の州

ワイオミング州は,どの時代でも平等を貫き,州のモットーも「平等の権利:Equal Rights」としています。
具体的には,1869年女性にも投票権を拡大する普通選挙法が成立し,アメリカで初めて女性に投票権が与えられました。
1925年にはアメリカ初の女性州知事が誕生し「平等の権利」を貫く州としての立場を確立します。
他にも,陪審員,廷吏,治安判事など数々の「女性初」の先駆けになりました。
当時としては画期的だった女性の社会への参画はアメリカに大きな影響を与えました。
現在ではアメリカも日本も「平等の権利」の国と言えますが,ワイオミング州の人々はいろいろな「女性初」を生み出したことから,よりその意識が強いのではないでしょうか。

ワイオミング州と言えば「イエローストーン国立公園:Yellowstone National Park」です。

1872年にこの地域を探検した結果,この一帯は保存すべき価値があると判断され,世界で始めての国立公園に指定されました。

1906年にはアメリカ初となるナショナル・モニュメントに「デビルスタワー:Devils Tower」も登録され,ワイオミング州はアメリカ国内の自然環境保護の先駆けになりました。

女性参政権と言い,「アメリカ初」がワイオミング州には多いことが分かります。

イエローストーン国立公園はワイオミング州北西部を中心にアイダホ州,モンタナ州にまたがって存在しています。

アメリカの世界遺産の中ではグランドキャニオン国立公園よりも観光客が多く,人気があるそうです。

Yellowstone National Park Yellowstone sign at the north entrance in Gardiner, MT. photo by pedrik on Flickr (Commercial use allowed)

州民の特徴を表す州のニックネームで1ページ作成すると決めたのですが,そんなに数があるのかと最初は心配しましたが,4つのニックネームを見つけることができました。

国の違いで気質の違いは間違いなくあると思うのですが,アメリカ国内で州の違いで気質の違いがあるのかどうか,アメリカの長期旅行で確かめたいと思います。

約10年後になりますが…。

このページの情報の主な提供源は,「State Symbols USA」です。

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