アメリカ合衆国には,現在 59 の国立公園があります。
これらの国立公園は,米国政府内務省の「国立公園局:National Park Service」が管理しています。
これらの国立公園を独自にランキング化し,32選して,紹介するのがこの「アメリカの国立公園32選!」の目的です。
詳しく言うと,国立公園だけでなく,国定公園や景勝地も含めてのランキングになります。
どのようにランキング化したのかは,↓ここをご覧ください。
アメリカの国立公園32選!ランキング発表 mohamoha96
アメリカの国立公園ランキング
最初の国立公園紹介ですから,ランキングを載せておきます。
順位・公園名・州・指定された年の順で記載しています。
1位 グランド・キャニオン国立公園:Grand Canyon National Park (Arizona 1919)
2位 イエローストーン国立公園:Yellowstone National Park (Idaho,Montana,Wyoming 1872)
3位 ヨセミテ国立公園:Yosemite National Park (California 1890)
4位 モニュメントバレー:Monument Valley (Navajo Tribal Park,Uta,Arizona)
5位 アーチーズ国立公園:Arches National Park (Uta,1971)
6位 ザイオン国立公園:Zion National Park (Uta,1919)
7位 グレイシャー国立公園:Glacier National Park (Montana,1910)
8位 ブライスキャニオン国立公園:Bryce Canyon National Park (Uta,1928)
9位 アンテロープキャニオン:Antelope Canyon (Navajo Nation,Arizona)
10位 グランドティトン国立公園:Grand Teton National Park (Wyoming 1929)
11位 ホワイトサンズ国立公園:White Sands National Park (New Mexico 2019)
12位 ロッキーマウンテン国立公園:Rocky Mountain National Park (Colorado 1915)
13位 デスヴァレー国立公園:Death Valley National Park (California,Nevada 1994)
14位 グレート・スモーキー山脈国立公園:Great Smoky Mountains National Park (North Carolina,Tennessee 1934)
15位 バーミリオンクリフス国定公園:Vermilion Cliffs National Monument(ザ・ウェーブ:The Wave) (Arizona)
16位 セコイア国立公園:Sequoia National Park (California 1890)
17位 レーニア山国立公園:Mount Rainier National Park (Washington 1899)
18位 オリンピック国立公園(ワシントン州、1938年)
19位 レッドウッド国立州立公園:Redwood National and State Parks (California 1968)
20位 エバーグレーズ国立公園:Everglades National Park (Florida 1947)
21位 メサ・ヴェルデ国立公園:Mesa Verde National Park(Colorado 1906)
22位 ホースシューベンド:Horseshoe Bend ((Arizona)
23位 ナイアガラの滝:Niagara Falls(アメリカ滝:American Falls) (New York)
24位 セブンマイルブリッジ:Seven Mile Bridge (Florida)
25位 マンモス・ケーブ国立公園:Mammoth Cave National Park (Kentucky 1941)
26位 ビッグ・ベンド国立公園:Big Bend National Park (Texas 1944)
27位 アーカディア国立公園:Acadia National Park (Maine 1916)
28位 キャピトルリーフ国立公園:Capitol Reef National Park(Uta 1971)
29位 化石の森国立公園:Petrified Forest National Park(Arizona 1962)
30位 セドナ:Sedona (Arizona)
31位 クレーターレイク国立公園:Crater Lake National Park (Oregon 1902)
32位 グレートサンドデューンズ国立公園:Great Sand Dunes National Park and Preserve (Colorado 2004)
それでは,最初の国立公園を紹介します。
最初はランキング1位の国立公園です。
今回と次回と2回に分けて紹介します。
サウスリムとノースリムに分けます。
グランド・キャニオン国立公園:Grand Canyon National Park(アリゾナ州)
「グランド・キャニオン:Grand Canyon」は,アリゾナ州北部にある峡谷です。
コロラド高原が,長年のコロラド川による浸食作用で削り出された地形になります。
グランド・キャニオン国立公園は,1979年に世界遺産に登録されました。
グランド・キャニオンは,東西約450㎞もあるとても長い峡谷です。
それは東京から滋賀県の距離になります。
峡谷ですから,大きな長い谷です。
その谷にはコロラド川が流れています。
その谷やコロラド川を崖の上から見下ろすように,見学するポイントがあります。
大きく分けて,2つの見学ポイントがあります。
サウスリムとノースリムです。
地図の茶色いところが,峡谷になります。
サウスリムからノースリムに行くには,峡谷を車で通るわけにはいきませんから,ぐるっと回ることになります。
約3時間半かかります。
峡谷を歩いて行くこともできますが,約14時間かかります。
サウスリム
グランド・キャニオンを訪れる9割の観光客は,サウスリムに行きます。
サウスリムには,グランド・キャニオン・ヴィレッジがあり,ロッジやレストラン,キャンプ場などの施設が充実しています。
グランド・キャニオンの中心地は,このヴィレッジになります。
ヴィレッジには駅もあります。
ウィリアムズからヴィレッジまで,グランド・キャニオン鉄道が通っていて(要予約),片道約2時間15分の乗車になります。
また,サウス・リムの隣町の「タサヤン:Tusayan」に空港があり,ラスベガスやロサンゼルスから空路で来ることもできます。
ヴィレッジ内の宿泊施設は,以下のものがあります。
Maswik Lodge
Bright Angel Lodge
Thunderbird Lodge
Kachina Lodge
El Tovar Hotel
詳しく言うと,ヴィレッジからちょっと離れたところにグランドキャニオン・ビジターセンターがあるのですが,その周辺にも宿泊施設があります。
Yavapai Lodge
Trailer Village RV Park
これらの宿泊施設の予約は,オフィシャルサイトからのみです。
ヴィレッジ内の宿泊施設に泊まるメリットはいくつもあります。
・宿泊施設から歩いてすぐにマーザーポイントやヤバパイポイントに行くことができます。(ポイントについては後述しますが展望台のことです。)
・時間を気にせず,日の出や日の入りに時間を割くことができます。
・夜の国立公園内で,満天の星空を見ることができます。
予約がなかなか取れない場合は,隣町の「タサヤン:Tusayan」の宿を探し,それでも無理ならば,ウィリアムズで宿をとります。
観光の基点となるのは,ビジターセンターです。
模型などの展示が充実しているほか,日本語の案内パンフレットやマップ,資料を入手でき,展望台などをつなぐシャトルバスのターミナルが併設されています。
サウスリムに来たら,まずはすぐにビジターセンターを訪れ,いろいろな情報を仕入れることから始まります。
パンフレットや地図は,車で来た場合はゲートでもらえます。
サウスリムのビューポイント紹介
まずは,サウスリムの自家製の地図を載せます。
この地図の一番東にあるポイントから順番に紹介していきます。
ヤキ・ポイント:Yaki Point
ヤキ・ポイントは一般車が通れないところにあります。よって,無料シャトルバスのカイバブルートに乗ります。約25分です。他の手段としては,徒歩か自転車があります。
日没と日の出の両方の時間帯に人気のあるビューポイントです。車でのアクセスが制限されているので,他のビューポイントよりも空いています。ここから見る渓谷は東に向いているため,特に日の出の渓谷は美しく映えます。
Grand Canyon Nat. Park: View from Yaki Point photo by Grand Canyon National P | Flickr(Noncommercial use allowed)
パイプクリーク・ビスタ:Pipe Creek Vista
駐車した場所からビューポイントが近く,岩の崖の上から眺めることができます。
Grand Canyon – Pipe Creek Vista photo by Hannes Flo | Flickr(Noncommercial use allowed)
マーザー・ポイント:Mather Point
グランドキャニオンと言えば,ここからの眺望が一番有名です。雑誌等の写真はだいたいこの場所が使われています。ビジターセンターから徒歩約5分です。初代アメリカ国立公園局長の名前から「マーザー」になりました。
Mather Point photo by inazakira| Flickr(Noncommercial use allowed)
ヤバパイ・ポイント:Yavapai Point
西洋人が初めてグランドキャニオンを発見した場所です。マーザーポイントと人気を二分しているポイントです。サンセットもサンライズも美しく見えます。ビジターセンターからは約1.6㎞の距離です。
近くにはグランドキャニオンについての博物館があります。そのヤバパイ博物館からヴェルカンプズ・ビジターセンター(鉄道駅の近く)まで「トレイル・オブ・タイム」があり,眺望を楽しみながら,また,グランドキャニオンの地質学的歴史を学びながら,リムトレイルを歩くことができます。
Grand Canyon National Park: Sunset from Yavapai Point photo by Grand Canyon National Pa| Flickr(Noncommercial use allowed)
トレイルビュー・オーバールック:Trailview Overlook
ここからの眺望は閉ざされた渓谷を見下ろすアングルになり,他と違う。サウスリムの主要なトレイルの一つであるブライトエンジェル・トレイルのジグザグな様子を一望できる。また,グランドキャニオンの淵に建つ歴史的建造物を渓谷を挟んで見ることができる。
Grand Canyon, from Trailview Overlook photo by Arian Zwegers | Flickr(Noncommercial use allowed)
マリコパ・ポイント:Maricopa Point
ハーミットロードは,3月1日から11月30日までの期間,車両通行止めとなるため,マリコパ・ポイントへ行くには徒歩,自転車,もしくはシャトルバスのハーミットレスト・ルートを利用するかのいずれかになります。
眼前に戦艦(バトルシップ)と呼ばれる岩山がそびえています。以前に銅やウランを採掘していた鉱山の跡を見ることができます。
Maricopa Point photo by Kirt Edblom | Flickr(Noncommercial use allowed)
パウエル・ポイント:Powell Point
パウエル・ポイントには,ジョン・ウェズリー・パウエル探検隊の功績を讃えた石の記念碑があり,その記念碑の上から絶景を楽しむことができます。西部開拓時代に,パウエル隊長率いるコロラド探検隊は,グリーン川からコロラド川,そしてグランドキャニオンへと達しました。
Grand Canyon Powell Point photo by FatPassport Inc. | Flickr(Noncommercial use allowed)
ホピ・ポイント:Hopi Point
眺望の視界が広いため,日の出と日の入りの両方が,美しく見ることができます。「クフ王のピラミッド」と呼ばれる岩山の下をコロラド川が蛇行して流れるのが見えます。
Grand Canyon Sunset at Hopi Point photo by Todd Petrie | Flickr(Noncommercial use allowed)
モハベ・ポイント:Mohave Point
峡谷の奥深くにあるコロラド川の景色を眺めることができます。ここも,日の出と日の入りの両方が美しいポイントです。日の入りは,地平線に沈む太陽も見ることができます。
Mohave Point photo by Mattia Panciroli | Flickr(Noncommercial use allowed)
グレート・モハベ・ウォール・ビューポイント:Great Mohave Wall Viewpoint
ごめんなさい。情報があまりありません。画像も,著作権があるものばかりでした。
アビス:Abyss
ごめんなさい。ここも情報と画像がありません。
モニュメント・クリーク・ビスタ:Monument Creek Vista
ここからホピ・ポイントまでのトレイルは,ファミリー向けの崖に沿ったとても素敵なハイキングです。
Monument Creek Vista South Rim, Grand Canyon photo by Karen | Flickr(Noncommercial use allowed)
ピマ・ポイント:Pima Point
コロラド川が最も近く見えるポイントです。静かな日には,コロラド川の激流の音が,峡谷の壁に響き渡るそうです。
Pima Point, Grand Canyon South Rim photo by Sharon Mollerus | Flickr(Noncommercial use allowed)
ハーミッツ・レスト:Hermit’s Rest
西の終点です。シャトルバスで約40分かかります。1914年に建てられた石造りの小屋があります。国定歴史建造物ですが,お店になっています。眺望も絶景ポイントの一つです。
Hermit’s Rest, Grand Canyon photo by Aaron Logan | Flickr(Noncommercial use allowed)
地図よりも東にあるポイントを紹介します。
全て,自家用車で行くことができるポイントです。
お手製の地図はないので,グーグルマップで紹介します。
ショーション・ポイント:Shoshone Point
車で行くと,「ショーション・ポイント・トレイルヘッド:Shoshone Point Trailhead」のスタート地点に行けます。そこから約1.6㎞のところにショーション・ポイントがあります。
Grand Canyon National Park: View from Shoshone Point photo by Grand Canyon National Par | Flickr(Noncommercial use allowed)
ダック・オン・ザ・ロック・ビューポイント:Duck on a Rock Viewpoint
アヒルのような形の岩(画像の左のところ)があることから,この名前が付けられたそうです。
Grand Canyon National Park: Duck on a Rock photo by Grand Canyon National Par | Flickr(Noncommercial use allowed)
グランドビュー・ポイント:Grandview Point
サウスリムで一番高く(標高2255m),イーストリムで人気のビューポイントです。崖の各層がはっきりとわかります。日の出を見るのによいポイントです。
at Grandview Point on the way to Desert View. photo by inazakira | Flickr(Noncommercial use allowed)
モラン・ポイント:Moran Point
グランドキャニオンには,スーパーグループ(Grand Canyon Supergroup)と呼ばれる重要な層があります。モラン・ポイントから北に,はっきりとグランドキャニオン・スーパーグループの層を見ることができます。
Moran Point photo by Mattia Panciroli | Flickr(Noncommercial use allowed)
ツサヤン遺跡:Tusayan Ruin
古代プエブロの村の小さな遺跡があります。集合住宅や宗教儀式を行った円形集会所などが残っています。200mぐらいの遺跡を巡るトレイルです。近くに博物館もありますが,現在は閉鎖中のようです。
Grand Canyon National Park Tusayan Ruin photo by Grand Canyon National Park | Flickr(Noncommercial use allowed)
リパン・ポイント:Lipan Point
ここから,コロラド川の強力な急流の1つであるハンスラピッドを見下ろすことができます。峡谷の幅が一番狭く,グランドキャニオンの中で,ここからの眺望が最も美しいという人もいます。
Lipan Point photo by Mattia Panciroli | Flickr(Noncommercial use allowed)
ナバホ・ポイント:Navajo Point
ここから北東の方向にデザートビュー展望塔,北の方向にコロラド川を見ることができます。
Sunset at Navajo Point, South Rim Grand Canyon, Arizona photo by Diana Robinson | Flickr(Noncommercial use allowed)
デザートビュー・ポイント:Desert View Point
イーストリムの一番端にあります。店やカフェ,スタンドがあります。展望台に立っているウォッチタワーの中には,先住民の壁画が描かれています。上からの展望も素晴らしいです。
Arizona – Grand Canyon: let your eyes wander over a piece of endlessness – and dream, to be able to return some day after leaving this unique wonder of nature… @ Desert View Point (with Watchtower) // South Rim photo by Reinhard Link | Flickr(Noncommercial use allowed)
Grand Canyon National Park Sign
東にあるグランドキャニオンの看板です。もう一つはビジターセンターにあります(冒頭の画像)。
Grand Canyon Sign photo by Drew Tarvin | Flickr(Noncommercial use allowed)
サウスリムのハイキングコース紹介
「ハイキング・コース」という言葉を使いましたが,実際には,現地では「トレイル」という言葉が使われています。
実際のアメリカ英語でも,「ハイキング」は間違いではなく,一般的に下のような感覚で,言葉が使われているようです。
「ハイキング:hiking」
なだらかな山道を気軽に歩き,自然を楽しむニュアンス。山だけでなく徒歩の旅行の時にも使われる時がある。整備された道が敷かれ,歩きやすいイメージ。
「トレッキング:trekking」
山頂を目指すことにこだわることなく山歩きをするニュアンス。山頂を目指すことや軽登山というニュアンスで使われることもある。山小屋に宿泊しながら山から山へとを縦走する大がかりなものも含まれる。一番定義が広い。
「登山(クライミング):climbing」
山頂を目指し,山を登ること。登山です。専門的な装備をしての登山を,ハイキングやトレッキングとは決して言いません。
続いて,ついでなので,前々から気になっていた「コース:course」と「ルート:route」の違いについても調べました。
このブログを書く上で,「観光ルート」と書けばよいのか「観光コース」なのか,迷うことが度々ありました。
日本語としては,どちらも同じ意味のようなニュアンスです。
courseもrouteもいろいろな意味がありますが,観光に使われる際の意味で言うと,以下のようになります。
「ルート:route」
確定した道筋のこと。点と点を結んだ線のイメージ。道路や飛行機のルート等,変わることがない道筋。
「コース:course」
整備されているものの中で,選択する余地がある道筋。
調べてみて,なるほどと納得した自分がいます。
「いくつもあるハイキング・コースの中から,自分たちはこのトレッキング・ルートを選ぶ。」という言い回しが正しいと言えます。
さて,それではサウスリムのトレイル(トレッキング・ルート)を紹介します。
ブライト・エンジェル・トレイル:Bright Angel Trail
グランドキャニオン・ビレッジ内に始点がある,サウスリムで最もポピュラーなトレイルです。
ブライト・エンジェル・トレイルは,ノースカイバブ・トレイルとつながっていて,サウスリムからノースリムに行くことが可能です。
しかし,トレッキングに慣れていなければ,日帰りで行くことは不可能で,峡谷の中で宿泊することになります。
宿泊には許可書が必要です。
ブライト・エンジェル・トレイルは,もともと,ハバスパイ族が交易ルートとして開拓された道です。
峡谷の谷に下り,グランド・キャニオンの奥をトレッキングするには,このブライト・エンジェル・トレイルを使用します。
ブライト・エンジェル・トレイルの良いところは,途中で引き返すことで,自分のトレッキングの距離や時間に合わせることができる点です。
整備されたトレイルで,途中で水の補給ができます。
また,途中にレンジャー・ステーションがあったり,レンジャーがランダムにパトロールしたりしているため,安心してトレッキングができるルートです。
ミュールに乗るツアーもあります。
どこで折り返すかは自由なのですが,折り返すポイントがあらかじめ設定されており,そこを目標にトレッキングをする方が多いです。
折り返し地点ごとに紹介していきます。
1.5マイル・レストハウス:1.5 Mile Resthouse
始点から片道2.4km,標高差335mの所にあるレストハウスで,折り返すコースです。
往復約2時間ほど(グーグルマップ上では片道36分になってますが…)の半日ハイクに最適です。
夏には給水ステーションがあり,トイレは一年中使用可能です。
トレイルで緊急事態が発生した場合に備えて,「非常電話:Emergency Phone」が設置されています。
3マイル・レストハウス:3 Mile Resthouse
始点から片道4.8km,標高差639mの所にあるレストハウスで,折り返すコースです。
往復約4時間ほど(グーグルマップ上では片道1時間10分になってますが…)の長めの半日ハイクになります。
1.5マイル・レストハウスと同じように,夏場の水,トイレ,緊急用電話があります。
インディアン・ガーデン:Indian Garden
始点から片道7.4km,標高差920mの所で,折り返すコースです。
この場所には,清流が流れていて,緑があふれる場所になっています。
往復約5時間ほど(グーグルマップ上では片道1時間44分になってますが…)の長めの半日ハイク,もしくは1日ハイクになります。
夏場の水,トイレ,緊急用電話,レンジャーステーションがあります。
往復15㎞,復路は上り坂になりますから,相当きついと思います。
プラトー・ポイント:Plateau Point
始点から片道9.8km,標高差926mの所で,折り返すコースです。
往復約7時間ほど(グーグルマップ上では片道2時間23分になってますが…)の1日ハイクになります。
夏場のみ水があります。
インディアン・ガーデンにするか,プラトー・ポイントにするか迷ったら,1日かけてプラトー・ポイントまで行くことを薦める方が多いです。
理由は,プラトー・ポイントに行くまでが絶景なのだそうです。
サウスリムとノースリムの間にせり出した台地の突端に展望台があるため,360度のパノラマで絶景が広がっているのだそうです。
しかし,道中は日影がなく,最も死者を出しているところでもあります。
ここから先は,日帰りでは無理で,1泊することになります。
ファントム・ランチ:Phantom Ranch
始点から片道15.4km,標高差1294mの所にある宿泊施設です。
峡谷内にある唯一の宿です。
80人しか宿泊できないため,予約はかなり困難です。
2人用のキャビンはミュールツアーが押さえていて個人での予約はできないそうです。
10人のドミトリーになります。
ファントム・ランチの手前にブライト・エンジェル・キャンプグランドがあります。
ここで,テントを張ることもできますが,ここも予約をしないといけません。
ここまで来る途中に,コロラド川を渡ることになります。
峡谷内には,2つの橋があります。
ここまで来るには,宿泊しないといけません。
約15㎞を2日間連続で歩くわけですから,相当きついと思います。
ファントム・ランチに泊まる方は,往路は次に紹介する「サウスカイバブトレイル:South Kaibab Trail」で行き,復路をブライト・エンジェル・トレイルを選択するのが良いようです。
日影がないサウスカイバブトレイルが,上りにならないようにするためです。
実際には,シニアである自分たちにはちょっと不可能に思えます。
サウスカイバブ・トレイル:South Kaibab Trail
サウスカイバブ・トレイルの始点までは,自家用車では行けないところにあり,無料のシャトルバスを利用することになります。
サウスカイバブ・トレイルをどんどん進むと,途中で,ブライト・エンジェル・トレイルと交わります。
そして,画像で紹介した橋を渡ると,ノースカイバブ・トレイルになります。
そのまま,ノースリムに行けることは,すでに書きました。
サウスからノースに横断することを「リム・トゥ・リム:Rim to Rim」と言います。
リム・トゥ・リムは,1泊2日はもちろん,3泊4日の行程で成し得ることもできます。
しかし,リム・トゥ・リム・トゥ・リム(ノース→サウス→ノース)を20時間で成し得たアメリカ人もいます。
サウスカイバブ・トレイルもブライト・エンジェル・トレイルと同様に,途中で引き返すことで,自分に適したトレッキングの距離や時間に合わせることができます。
ウ―アー・ポイント:Ooh Aah Point
始点から片道1.3km,標高差230mの所で,折り返すコースです。
往復約1時間ほど(グーグルマップ上では片道27分になってますが…)の半日ハイクになります。
給水ポイントはありません。
ここは,360度に近い視界がひらけ,また,渓谷を見下ろすだけでなく,見上げる事により,ここからの景色を眺めると「ウー」とか「アー」と感嘆の声が出ると言われている絶景スポットです。
囲いなどがないので,滑落に注意してください。
シーダー・リッジ:Cedar Ridge
始点から片道2.1km,標高差318mの所で,折り返すコースです。
急斜面なため,往復約2.5時間ほど(グーグルマップ上では片道43分になってますが…)の半日ハイクになります。
トイレがあります。
日陰や水の補給場所はありません。
スケルトン・ポイント:Skeleton Point
始点から片道4.5km,標高差601mの所で,折り返すコースです。
往復約4時間ほど(グーグルマップ上では片道1時間21分になってますが…)の長めの半日ハイクになります。
ここには水もトイレも特にありません。
日帰りでは,ここまでが限界のようです。
ザ・ティオフ:The Tipoff
始点から片道6.9km,標高差945mの所にあります。
緊急用の電話があります。
ここまで来るには,ファントム・ランチに宿泊の予約をするのが必要です。
ファントム・ランチ:Phantom Ranch
始点から片道11.2km,標高差1425mの所にあります。
ブライト・エンジェル・トレイルのところで紹介したため,重複を避けます。
リム・トレイル:Rim Trail
東の端はサウスカイバブ・トレイルヘッドから,西の端はハーミットレストまでのビューポイントを繋いでいるトレイルです。
全長は20.8kmになります。
グランドキャニオンの景観を楽しむためのトレイルで,崖に沿って舗装された道があります。
最初から最後まで歩いても良いですが,東の端も西の端も,行くには自家用車では行けず,シャトルバスを利用しなければなりません。
シャトルバスを利用して,ある区間だけ数か所をまわる人もいます。
トレイル・オブ・タイム:The Trail of Time
リム・トレイル上のヤバパイ博物館の近くからグランドキャニオンビレッジに向かう区間を指します。
この区間では,グランドキャニオンの地質学的歴史を知ることができます。
1mごとにマーカーが埋め込まれていて,この1mが100万年単位となり,区間全体がグランドキャニオンの地質学的なタイムラインになるように設計されています。
このマーカーを西へ向かえば,グランドキャニオンの地質史を1歩につき100万年分さかのぼることになり,マーカーの最初から最後まで歩けば,グランドキャニオン20億年分の地質史全体を体験することになります。
トレイル・オブ・タイムには、4つの入り口があります。
「ミリオンイヤー・ウォーク・ポータル:The Million Year Walk Portal」
「メイントレイル・オブ・タイム・ポータル:The Main Trail of Time Portal」
「ヴェルカンプズ・ビジターセンター・ポータル:Verkamp’s Visitor Center Portal」
「ヘッドクオーター・ポータル:Headquarters Portal (Parking Lot A)」
グランドビュー・トレイル:Grandview Trail
始点から「ホースシューメサ:Horseshoe Mesa」まで,片道4.1km,標高差774mです。
1893年に採掘ルートとして建設されたトレイルで,整備されていません。
非常に急で多くの岩が露出したトレイルです。
画像の通り,非常に急なトレイルのため,簡単には行かない方が良いようです。
ハーミット・トレイル:Hermit Trail
始点から「サンタマリア・スプリングス:Santa Maria Spring」まで,片道3.4km,標高差530mです。
グランドビュー・トレイル同様,整備されていないトレイルになります。
登山に慣れていない方は,簡単には行かない方が良いようです。
観光モデルコース
最後に,サウスリムを観光する場合のモデルを決めたいと思います。
自分たちの旅行では,どうするんかも示したいと思います。
まず,ラスベガスからの日帰りバスツアーでは,以下のような観光になるようです。
もちろん,あくまでも一例です。
ラスベガスからの日帰り観光
早朝6:00ラスベガス発(所要時間5,6時間)
↓
お昼頃12:00グランドキャニオン・ビジターセンター着
↓
マーザーポイント→ヤバパイ・ポイント→ブライトエンジェル・トレイルヘッド
この区間のリム・トレイルを徒歩で観光
↓
15:30グランドキャニオン発
↓
21:00頃ラスベガス着
ラスベガスからの日帰り観光は,レンタカーで行く場合も,同じような感じになると思います。
折角レンタカーにするのなら,一泊した方が良いでしょう。
レンタカーでの一泊二日の場合は,以下のような観光モデルはどうでしょうか。
一泊二日の観光
1日目
車でイーストリムの車で行けるポイントを観光します。
グランドキャニオン公園サイン
↓
デザートビュー・ポイント
↓
ナバホ・ポイント
↓
リパン・ポイント
↓
モラン・ポイント
↓
グランドビュー・ポイント
↓
グランドキャニオン・ビレッジに駐車し,シャトルバスでグランドキャニオン・ビジターセンターまで移動
↓
マーザーポイント→ヤバパイ・ポイント→ブライトエンジェル・トレイルヘッド
この区間のリム・トレイルを徒歩で観光
↓
日の入りを自分が選んだポイントで迎える
↓
車でホテルへ
2日目
ホテルを早朝に出発
↓
日の出を自分が選んだポイントで迎える
↓
ブライトエンジェル・トレイルにて,トレッキング
(その日の体調や時間に合わせて,折り返し地点を決める)
↓
体調が悪くて,トレッキングができない場合
ウエストリムのどこかのポイントにシャトルバスで行く
↓
グランドキャニオン発
【番外】三泊四日でリム・トゥ・リム(ノースリムからサウスリムまでトレッキング)
レンタカーの場合,車は3日間駐車しっぱなしになります。
トレッキングを終えた後に,車があるリムのところまでのシャトルバスの予約をしなければなりません。
まずは,旅行前に,リムより下でキャンプをする場合の申込書である「バックカントリーパーミット」を申し込みます。
パーミットの申し込みは,必要事項を記入した申込書をFAXするか,郵便で送るか,もしくは現地に直接持っていくしか方法はありません。
その後,抽選を経て,当選すれば許可証がPDFでメールに送られます。
1日目
ノースリムのノースカイバブ・トレイルの始点を出発
↓
コットンウッド・キャンプ場着(一泊)
2日目
コットンウッド・キャンプ場発
↓
コースを外れて,リボンの滝へ
↓
コースに戻り,ブライト・エンジェル・キャンプ場着(一泊)
3日目
ブライト・エンジェル・キャンプ場発
↓
インディアン・ガーデン着
↓
日の入り鑑賞のためプラトー・ポイントへ
↓
インディアン・ガーデン(一泊)
4日目
インディアン・ガーデン発
↓
ブライト・エンジェル・トレイルを通って,サウスリムへ
↓
サウスリム着
↓
シャトルバスにてノースリムへ(4時間半ぐらい)
↓
ノースリム着
ノースリムからサウスリムのモデルを紹介しましたが,もちろん,サウスリムからノースリムもありです。
上記のルートが逆になります。
ノースリムについての詳細は次回に紹介する予定です。
キャンプセットを装備してのトレッキングになるためにかなり重い荷物を背負うことになると思います。
時間と体力が許すなら,ぜひとも挑戦したいと思います。
今回はこの辺で。
リム・トゥ・リムのトレッキングは以下のサイトを参考にさせていただきました。
次回も,グランドキャニオン国立公園の紹介の第2弾をします。
ノースリムを中心に詳しく紹介をします。
お楽しみに。
コメント