アメリカの景観が美しい道路32選!」の第30弾です。
この「ロードトリップ」のカテゴリーのページでは,オリジナル・ランキングで32選した「景観が美しい道路」と「ナショナル・シーニック・バイウェイ」「オール・アメリカン・ロード」を紹介します。
第30弾の今回は,モンタナ州とワイオミング州の道路を紹介します。
「アメリカの景観が美しい道路32選!」とは,ネットの10のサイトと10のユーチューブの計20で紹介されていた道路のランキングを数え,再ランキングにしたものです。
ランキングを見たい場合は,↓ここ↓を見てください。
アメリカの景観が美しい道路32選!【ナショナル・シーニック・バイウェイ】【オール・アメリカン・ロード】【オリジナル・ランキング発表】mohamoha147
また,「ナショナル・シーニック・バイウェイ」「オール・アメリカン・ロード」は,アメリカの「シーニックバイウェイ法」で選ばれた道路のことです。
「景観性」「歴史性」「自然性」「文化性」「レクレーション性」「考古学性」の6項目のうち1項目に該当するものを「ナショナル・シーニックバイウェイ:National Scenic Byway」,2項目以上に該当するものを「オール・アメリカンロード:All American Road」と指定しています。
それでは,モンタナ州から紹介していきます。
モンタナ州のロードトリップ

モンタナ州には,オリジナルランキングにて選ばれた景観が美しい道路が2つあります。
そのうちの一つは,オール・アメリカンロードに指定されています。
それでは,景観が美しい道路の一つ目から紹介していきます。
ゴーイング・トゥ・ザ・サン・ロード:Going to the Sun Road(モンタナ州)


「ゴーイング・トゥ・ザ・サン・ロード:Going-to-the-Sun Road」は,モンタナ州の「グレイシャー国立公園:Glacier National Park:を東西に横断する壮大な山岳道路です。
国立公園の景観道路の初期の代表作として,1933年に開通し,1983年に国定歴史建造物に指定されています。
私の「景観が美しい道路32選!」オリジナル・ランキングでは,第5位にランキングされています。
道路名「Going-to-the-Sun」は,ネイティブ・アメリカンの伝承に登場する「太陽の神:Sun God」に由来します。
建設には約10年を要し,1930年代当時としては驚異の土木技術でした。
自転車でも人気ですが,夏の昼間は一部区間で時間帯通行制限があります。
全長約80 kmで,アメリカでもっとも美しい景観道路のひとつとされています。
その理由として,
・切り立った崖を縫うように走る山岳道路
・高山植物の咲く草原
・氷河が削ったU字谷
・壮大なロッキー山脈の眺望
が,挙げられます。
残念ながら,全線開通は,夏の短い期間のみになります。
グレイシャー国立公園の西端の町「West Glacier」から始まり,「ローガン峠:Logan Pass」を越えて,東側の「St. Mary」へと続きます。
主な見どころを紹介します。
「マクドナルド湖:Lake McDonald」
西側に位置する美しい氷河湖です。
澄んだ湖面に山々が映る絶景ポイントになっています。
「ザ・ループ:The Loop」
道路が急カーブで折り返す有名な地点です。
ここからの登りはローガン峠へのハイライトになります。
「ローガン峠:Logan Pass」
標高約2,025 mのグレイシャー国立公園最高地点です。
夏には,高山植物の花畑が広がります。
野生のマウンテンゴートに遭遇することもあります。
「Hidden Lake Overlook Trail」
ローガン峠から出発できる人気ハイキングコースです。
約2.5 kmで絶景展望台へ行けます。
「セントメアリー湖:St. Mary Lake」
東側の象徴的な湖です。
映画「シャイニング:のオープニングにも登場します。
「Wild Goose Island Overlook」
湖の中央に浮かぶ小島を望む絶景スポットです。
写真撮影に人気です。
通常は6月下旬~10月中旬ごろに開通します。
積雪量によって変動します。
一部区間では長さ6.4 m以上、幅2.4 m以上、高さ3.1 m以上の車は通行できません。
夏季は非常に混雑するため,朝早い時間帯の出発がおすすめです。
グレイシャー国立公園では,West Glacier~St. Mary間にて無料シャトルバスが運行されています。
↓グレイシャー国立公園は,私のブログにて紹介しています。↓
アメリカの国立公園32選!【グレイシャー国立公園】 mohamoha142
ベアトゥース・ハイウェイ:Beartooth Highway(モンタナ州,ワイオミング州)



「ベアトゥース・ハイウェイ:Beartooth Highway」は,モンタナ州とワイオミング州を結ぶ全長約109kmの山岳景観道路で,オール・アメリカンロードに指定されています。
私の「景観が美しい道路32選!」オリジナル・ランキングでは,第9位にランキングされています。
イエローストーン国立公園の北東入口へと続く主要アクセスルートでもあります。
起点はモンタナ州「Red Lodge」で,終点はワイオミング州「Cooke City」で,イエローストーン国立公園北東入口まで約5kmのところです。
総距離は約109kmで,最高地点は,ベアトゥース峠で標高 3,337mあります。
開通時期は,例年5月末〜10月です。
ベアトゥース・ハイウェイのモンタナ州側エリアは,「Red Lodge」から州境付近の高山エリアまで続く壮大な上り区間で,ルート全体の中でも景観の変化が最もドラマチックと言われる部分です。
モンタナ州エリアの見どころを紹介します。
「レッドロッジ:Red Lodge」
ベアトゥース・ハイウェイの玄関口となる小さな山岳町です。
西部風のメインストリート,カフェ,ロッジ,ギアショップが並び,ドライブ前の拠点として便利です。
町の標高は約1,700mで,ここから一気に高山帯へ向かいます。
「The Famous Switchbacks」
「Red Lodge」を出発すると,山腹をジグザグに登るスイッチバックが連続します。
見下ろすと「Red Lodge」の町が小さく見えるほどの高度差があります。
標高が上がるにつれ,森林→亜高山帯→高山草原へと変化します。
展望ポイントが多く,写真撮影に最適です。
代表的ビューポイントとして,「ロッククリーク展望所:Rock Creek Vista Point」があります。
高度2,200m超から巨大な渓谷を望み,モンタナ側の名所のひとつです。
「ロッククリーク渓谷:Rock Creek Canyon」
深いU字谷と断崖の広がる壮大な氷河地形エリアです。
流れ下るロッククリークの渓流音が聞こえることもあります。
景観の雄大さが増し,モンタナ側の山岳ドライブのハイライトになります。
「高山草原:Alpine Tundra」
標高2,800mを超えると木々がなくなり,広大な高山帯になります。
夏(7〜8月)は高山植物が絨毯のように咲き乱れます。
マーモットやマウンテンゴートが見られることもあります。
気温は真夏でも10℃以下になることが多いです。
「サマースキーエリア:Beartooth Basin」
標高3,000m付近にある珍しい「夏限定のスキーエリア」です。
残雪と標高ならではの涼しさで独特の風景が楽しめます。
周辺には小さな湖や氷河地形が点在しています。
「ベアトゥース峠:Beartooth Pass」直前の絶景区間
州境に向かって登り切る最後の区間は,まるで空の上を走るような水平道がつぐきます。
360度に広がる岩峰,氷河湖,高山草原です。
道路脇に雪壁が残ることも多いです。
ここでモンタナ州からワイオミング州になります。
これで,モンタナ州のロードトリップの紹介を終わります。
続いて,ワイオミング州のロードトリップの紹介をします。
ワイオミング州のロードトリップ

モンタナ州には,オリジナルランキングにて選ばれた景観が美しい道路が1つあります。
それは,オール・アメリカンロードに指定されています。
それも含め,オール・アメリカンロードに指定された道路が2つあります。
それでは,景観が美しい道路の一つ目から紹介していきます。
ベアトゥース・ハイウェイ:Beartooth Highway(モンタナ州,ワイオミング州)



「ベアトゥース・ハイウェイ:Beartooth Highway」は,モンタナ州とワイオミング州を結ぶ全長約109kmの山岳景観道路で,オール・アメリカンロードに指定されています。
私の「景観が美しい道路32選!」オリジナル・ランキングでは,第9位にランキングされています。
イエローストーン国立公園の北東入口へと続く主要アクセスルートでもあります。
起点はモンタナ州「Red Lodge」で,終点はワイオミング州「Cooke City」で,イエローストーン国立公園北東入口まで約5kmのところです。
総距離は約109kmで,最高地点は,ベアトゥース峠で標高 3,337mあります。
開通時期は,例年5月末〜10月です。
「ベアトゥース・ハイウェイ:Beartooth Highway」のワイオミング州側エリアは,標高3,000m級の高山帯が続く天空の大地のような景観が特徴で,イエローストーン国立公園へと滑り込むように下っていくドラマチックなルートです。
モンタナ州側が「登りながら景色が変化していく区間」だとすれば,ワイオミング州側は「超高原地帯の広がりと湖群・高山草原が連続する絶景区間」といえます。
ワイオミング州エリアの見どころを紹介します。
「ベアトゥース峠:Beartooth Pass」からの高原エリア
標高 3,337mの峠を越えるとワイオミング州です。
視界が一気に開き,広大な「高原:plateau」が広がります。
空が近く,道路が地平線に消えるような空の上のドライブ感が味わえます。
夏でも残雪があり,雪原と草原が混じる独特の風景です。
気温が非常に低く,風が強いことが多いです。
マウンテンゴートやマーモットに遭遇しやすいです。
「ベアトゥース湖:Beartooth Lake」と周辺の湖群
峠を下り始めて最初の目立つスポットがベアトゥース湖です。
背後に切り立った「ベアトゥース山:Beartooth Butte」がそびえ,絵画のような風景です。
キャンプ場やハイキングトレイルが充実しています。
湖畔での休憩や撮影に最適です。
他にも「Island Lake」「Long Lake」「Lonesome Mountain」 周辺の小湖群など,氷河が刻んだ湖が次々と現れます。
「クレイビュート展望台:Clay Butte Lookout」
道路から分岐して少し登ると到着する展望塔跡地です。
ワイオミング州側で最もパノラマ感の強い場所のひとつです。
ワイルドベアトゥース山脈の稜線が一望できます。
天気が良ければワイオミングの広大な大地まで見渡せます。
未舗装路を短距離走れば到着できるアクセスの良さも魅力です。
「高山湖沼地帯:High Lakes Area」
ワイオミング側の中心はこのエリアです。
峠からCooke City方向へ下る間,大小の湖が点々と続きます。
特にIsland Lake周辺は「バックカントリー・ハイカーの天国」と言われます。
夏は高山植物が咲き,秋は黄金色の草原が広がります。
「森林帯」
標高が下がるにつれ,荒涼とした高山帯から森林へと風景が移り変わります。
トウヒ・モミの森が広がり,沢沿いに野花が咲きます。
峠付近の寒々しい世界から一気に生命感のある景観へ変化します。
ドライブのクライマックスに近づくにつれ,イエローストーンらしい野性味が増します。
「クックシティ:Cooke City」
ワイオミング州側の終点(または起点)は,クックシティとコークシティです。
小さな山岳町で,ロッジやレストランが点在しています。
ここからわずか数キロでイエローストーン国立公園の「Northeast Entrance」があります。
イエローストーン国立公園の「ラマーバレー:Lamar Valley」へ一直線で向かえる絶好の位置にあります。
フレーミング・ゴージ – グリーンリバー・ベイスン・スケニック・バイウェイ:Flaming Gorge – Green River Basin Scenic Byway(ワイオミング州)


「フレーミング・ゴージ:フレーミング・ゴージ」は,主にワイオミング州,一部がユタ州にかかる崖に挟まれた細長い渓谷です。
また,グリーンリバー盆地は,ワイオミング州の広大な高地砂漠と渓谷の景観がすばらしいところです。
それらを合わせた景観道路が「フレーミング・ゴージ – グリーンリバー・ベイスン・スケニック・バイウェイ:Flaming Gorge – Green River Basin Scenic Byway」です。
「フレーミング・ゴージ – グリーンリバー・ベイスン・スケニック・バイウェイ:Flaming Gorge – Green River Basin Scenic Byway」は,オール・アメリカンロードに認定されている約240kmの道路です。
東側ルートは,国道191号線で,ロック・スプリングズ発 → ユタ州境までになります。
西側ルートは,州道530号線で,グリーン・リバー発 → ユタ州境までになります。
魅力・見どころを紹介します。
「自然風景と地形の多様性」
高地の乾燥した台地(ハイデザート)が広がります。
「フレーミング・ゴージ・リザーバー:Flaming Gorge Reservoir」は,エメラルドグリーンの水を持つ大きな貯水湖で,その両側の崖の景観が見事です。
遠くに「ユインタ山脈:Uinta Mountains」を望む地点があります。
厳しい空,広大な地平線,色とりどりの地層,大きな岩の構造が見事です。
「野生動物:Wildlife Through the Ages」
プロングホーン(アンテロープ),「ムールジカ:Mule deer」,野生馬などに出会います。
他にも,約390種の鳥類・哺乳類・爬虫類・両生類・魚類がこの地域に生息しています。
また,この地域は古代に湖だった場所で,魚の化石や植物化石が残されている「グリーンリバー層:Green River Formation」として有名です。
「レクリエーション」
グリーンリバーやリザーバーはトラウト釣りの名所です。
レーミング・ゴージ・リザーバーではボートやカヌーができます。
ハイキングやトレイルができ,眺めの良い展望所や湿地などがあります。
「ヘンリーズ・フォーク湿地:Henry’s Fork Wetlands」など,バードウォッチング向きのスポットもあります。
冬季には,クロスカントリースキーやアイスフィッシング,スノーモービルなどが可能です。
以下の見晴らしポイントがあります。
「リトル・ファイアホール展望所:Little Firehole Overlook」
岩の色や地層が鮮やかな絶景ポイントです。
「ビッグ・ファイアホール渓谷:Big Firehole Canyon」
キャンプ場,ピクニック,展望に適した場所です。
「バックボード・マリーナ:Buckboard Marina」
貯水湖へのボートアクセスで,マリーナ施設があります。
「Green River」や「Rock Springs」といった町がバイウェイ北端付近にあり,宿泊・食事施設があります。
これで,ワイオミング州のロードトリップの紹介を終わります。
さて,これで私のブログで,アメリカ本土のロードトリップを紹介していない州は,コロンビア特別区のワシントンD.C.のみとなりました。
実は,首都ワシントンD.C.には,指定されている道路がなく,私の「景観が美しい道路32選!」オリジナル・ランキングにも,ランクインした道路もありません。
ということで,これで,アメリカにあるロードトリップはすべて紹介したことになります。
次回は,そのまとめをしたいと思っています。


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