州のニックネーム自体,その州の魅力を伝えるものが基本となっているはずです。
特に州議会が公式として認めたものに,州のイメージが悪くなるニックネームがあるはずがないと思います。
中には,州の外から皮肉として付けられたニックネームもあると思いますが,州の魅力を伝えるために,車のナンバーに書かれたり25セント記念コインに刻まれたりしているだと思います。
そういう意味では,州のニックネームのすべてが州の魅力を伝えるものと言えますが,中でも,あまりカテゴリーに振り分けられない,より州のPRを感じられるニックネームを「州の魅力を伝えるニックネーム」として,今回は紹介したいと思います。
これまで紹介した中の,より「魅力を伝えるニックネーム」
これまでこのブログで数多くのニックネームを紹介してきましたが,その中でも「自分の州の魅力を伝えたい」という意思を感じるニックネームを独断で選んでみました。
「mohamoha20」
ワシントン州の「常緑樹州:The Evergreen State」
これは「常緑樹の州」というよりも「永遠に緑いっぱいの州」というニュアンスの方が大きいと思います。
「mohamoha24」
コロラド州の「カラフル・コロラド:Colorful Colorado」
「コロラド州にある山・川・平原の壮大な風景」を「カラフル」と表現しているところにセンスを感じますし,州のPRとしてのキャッチ・コピーだと言ってよいと思います。
「mohamoha25」
バーモント州の「緑の山の州:The Green Mountain State」
「バーモント」はフランス語で「緑の山」の意味のため,ニックネームの根拠がしっかりとあるとは言え,「グリーン・マウンテン」のフレーズはバーモント州に観光客を呼び込みやすい響きだと感じます。
という風に今回は,これまで紹介していない中で,州のPRとして「州の魅力を伝えたい」と感じられるニックネームの紹介をします。
自然が豊かな州は,どこの州?
アーカンソー州
ナチュラル・ステイト:The Natural State
自然が豊かな州
アーカンソー州には52の州立公園があり,キャンピングやサイクリング,登山などいろいろなアクティビティーが楽しめます。
そのため「自然の州」のニックネームで呼ばれています。
他にも3つの国立森林公園があり,ハイキング・トレイルとして名が知られています。
また,アーカンソー州はトータル1万5千kmを超える川と百以上の湖があり,水辺でのアクティビティーが豊かです。
画像は,アメリカで初めて国の「ナショナル・リバー」となった「バッファロー国立川:The Buffalo National River」です。
政府によって保護されている小川です。
断崖絶壁の岩肌や森に覆われている小川で,ダムが設置されていないため,カヤック体験が有名なのだそうです。
画像の提供者である「バッファロー・アウトドア・センター:Buffalo Outdoor Center」の位置を表示しました。
旅行では,ここでいろいろなアクティビティーを頼むことになりそうです。
太陽が輝く州は,どこの州?
フロリダ州
サンシャイン・ステイト:The Sunshine State
太陽が輝く州
「サンシャイン・ステイト」は,1970年にフロリダ州議会によって正式に採用されたニックネームです。
1年を通して温暖な気候と有名なビーチ・リゾートからこのニックネームがぴったりですね。
これまでいろいろなニックネームを紹介してきたフロリダ州ですが,正式なニックネームは「サンシャイン州」ということになります。
正直に言いますと,フロリダは私たち二人の新婚旅行先であります。
ディズニーワールドがある「オーランド:Orlando」に1993年の10月に5泊7日で行きました。
もう27年前になります。
連日の秋晴れ?で,気持ちの良い7日間でした。
「サンシャイン・ステイト」と言われることもわかる気がします。
ただ,7日間(実質6日間)は短すぎました。
ほぼ毎日時差ボケだったと思います。
7日間だと,オーランド以外はどこにも行けませんでした。
私たちが行った1993年には次のところしかまだありませんでした。
今は名前が変わったり閉鎖されたりしているところもあると思います。
- マジックキングダム
- ディスカバリー・アイランド
- ディズニーヴィレッジ・マーケットプレイス
- エプコット・センター
- MGMスタジオ
- タイフーン・ラグーン
- プレジャーアイランド
一番心に残っていることは,確かディスカバリーアイランドの辺りだったと思うのですが,ディズニーがやっている「ホースバック・ライディング」です。
実際に森の中のトレイルに沿っての乗馬なのですが,初体験ということもあり,とても気持ち良かったことを覚えています。
現在やっているのかどうかはちょっとわかりません。
夜にプレジャーアイランドに行って,カントリーのバンド演奏を堪能しました。
私たちのホテルは「カリビアン・ビーチ・リゾート」でしたが,スワンやドルフィン,ポリネシアンなどのホテル訪問も楽しかった思い出があります。
「ディズニーワールド・スワン」のお寿司屋さんに行ったことも覚えてます。
スーツを着たサラリーマン風の日本人が,チェッカーズの「星屑のステージ」をカラオケで熱唱していて,なんかとても恥ずかしい思いをしたのでした。
同じオーランド内にある「ユニバーサルスタジオ・オーランド」やダウンタウンの「お化け屋敷(名前は忘れました)」にも行きました。
10年後のアメリカ旅行で,オーランドを計画に入れるかどうか迷うところです。
フロリダ州に行くのであれば,ぜひまた寄ってみたいと思います。
フロリダ州には,オーランドよりも行ってみたいところがあります。
「エバーグレーズ国立公園:Everglades National Park」です。
世界遺産となっている湿原地帯です。
画像はいくつかあるトレイルの中の一つですが,エアボートで野生生物の観察をしたりカヤックでマングローブを探検したりできるようです。
以前,フロリダ州の「アリゲーター州」のニックネームを紹介しました。(mohamoha17)
日本では「クロコダイル」も「アリゲーター」も「ワニ」と呼んでいますが,正確に言うと,クロコダイルとアリゲーターは種類が違うそうです。
より頭がとがっていてより凶暴なのがクロコダイルなのだとか。
このエバーグレーズ国立公園は,クロコダイルもアリゲーターも両方生息している珍しい地域なのだそうです。
いくつかのサイトでは「アメリカ人の方は,クロコダイルとアリゲーターを呼ぶときに使い分けている」との記述があったのですが,以前,私はアメリカのイリノイ州シカゴ出身の方にこの質問をしたことがあります。
「クロコダイルとアリゲーターの違いは?」の問いに,「それは私もわからない…。」との答えだったので,アメリカの方が両者を使い分けているかどうかは怪しいと思っています。
魅惑の州は,どこの州?
ニューメキシコ州
ランド・オブ・エンチャントメント:The Land of Enchantment
魅惑の州
ニューメキシコ州の美しい自然と豊かな歴史から1999年に正式なニックネームに採用されました。
最初にこのフレーズを使用したのは州の観光局で1935年でした。
1941年には車のナンバープレートにも描かれるようになります。
ネイティブ・アメリカンが暮らす中,スペイン人によって建設され,スペインからメキシコになり,さらにはメキシコからアメリカになった歴史が示すように,インディアン文化,ヨーロッパ文化,メキシコ文化が入り交じり,独特の雰囲気を醸している町が多いそうです。
あまり知られていませんが,州内には,なんと,3つの世界遺産があります。
さらには,昔からトルコ石,後には銅,銀,鉛,亜鉛,鉄,金,石炭が発見され,さらに天然ガス,石油,ウラン鉱が発見され,経済を発展させてきました。
いろいろな面から「魅惑の土地」と言えると思います。
ニューメキシコ州にある3つの世界遺産です。
「チャコ文化国立歴史公園:Chaco Culture National Historical Park」
「タオス・プエブロ:Taos Pueblo」
「カールズバッド洞窟群国立公園:Carlsbad Caverns National Park」
アメリカではあまりユネスコの「世界遺産」の認知度が低いそうで,「世界遺産」だということで名が知れ渡るというわけではないそうです。
しかし,世界遺産になるにはそれなりの理由があるわけで,それはそれですごいことだと思います。
私もニューメキシコに訪れるならば,必ずこの3つの世界遺産にはいくと思います。
しかし,私はニューメキシコ州で世界遺産よりも訪れたいところがあります。
「ホワイトサンズ国定記念物:White Sands National Monument」です。
山に囲まれたトゥラロサ盆地にあり,石膏の結晶でできた広大な白い砂丘です。
上記の世界遺産も含めて,別のページで旅行計画として紹介したいので,ここでは詳細を説明するつもりはありませんが,どのようにこの砂丘ができたのかだけ紹介します。
トゥラロサ盆地には海に注ぐ川がないため,周囲の山で石膏が溶けた雨水はこの盆地に留まります。
そして,盆地の地面にしみ込み,乾燥し,地表に透明石膏と呼ばれる結晶様の石膏を残します。
そして,それらの透明石膏の集まりがこの「ホワイトサンズ」になったわけです。
是非訪れてみて,画像のような素敵な景色を実際に目の当たりにしたいと思っています。
大空の州は,どこの州?
モンタナ州
ビッグ・スカイ・カントリー:Big Sky Country
大空の州
どこまでも続く大空の下に雄大な自然が広がる…そんなイメージが広がるニックネームだと思います。
1960年代にモンタナ州高速道路局がプロモーション用に使用した名前だそうです。
アメリカには,素晴らしい景色のドライブルートを認定した「シーニックバイウェイ:Scenic Byway」があります。
「Scenic:景観のよい」「Byway:脇道,寄り道」といった意味の造語で,主に自動車の走行する道路からの景色の良いルートのことを言います。
1980年代後半にアメリカ合衆国で提唱,法制化されました。
モンタナ州でのドライブはさぞ,空が大きく感じることでしょう。
映画「フォレスト・ガンプ」において,主人公のマラソンシーンにもモンタナ州が選ばれていました。(mohamoha27)
モンタナ州は,恐竜好きにとって格別なところなんだそうです。
恐竜の痕跡トレイルである「モンタナ・ダイナソー・トレイル:Monatana Dinosaur Trail」があるからです。
恐竜博物館,州立公園,そして発掘サイトの14カ所を結ぶトレイルのことで,モンタナでは州内各地で何万年前にたくさんいた恐竜達の痕跡を見つけることができます。
「ロッキー博物館:Museum of the Rockies」(ボーズマン:Bozeman)
「トゥ・メディスン・ダイナソー・センター:Two Medicine Dinosaur Center」(バイナム:Bynum)
「ブレイン・カウンティ・ミュージアム:Blaine County Museum」(シヌック:Chinook)
「オールド・トレイル・ミュージアム:Old Trail Museum」(ショートー:Choteau)
「カーター・カウンティ・ミュージアム:Carter County Museum」(イカラカ:Ekalaka)
「フォートペック・インタープレティブ・センター・アンド・ミュージアム:Fort Peck Interpretive Center and Museum」(フォートペック:Fort Pec)
「グレンダイブ・ダイナソー&フォッシル・ミュージアム:Glendive Dinosaur & Fossil Museum」(グレンダイブ:Glendive)
「マコシカ・ステイト・パーク:Makoshika State Park」(グレンダイブ:Glendive)
「アッパー・マスルシェル・ミュージアム:Upper Musselshell Museum」(ハーロートン:Harlowton)
「ガーフィールド・カウンティ・ミュージアム:Garfield County Museum」(ジョーダン:Jordan)
「ザ・グレート・プレインズ・ミュージアム&フィールド・ステイション:Great Plains Dinosaur Museum & Field Station」(マルタ:Malta)
「フィリップス・カウンティ・ミュージアム:Phillips County Museum」(マルタ:Malta)
「ラドヤード・デポー・ミュージアム:Rudyard Deport Museum」(ラドヤード:Rudyard)
モンタナ州内に,これだけの恐竜関係の施設があるなんてすごいと思いませんか?(まだすべてを紹介してません)
クレオールの州は,どこの州?
ルイジアナ州
クレオール・ステイト:The Creole State
クレオールの州
クレオールの方が多いということで,魅力を伝えるニックネームではないかもしれませんが,私にとっては「クレオールの文化を体験してみませんか?」と呼び掛けているような気がしています。
クレオールというと,一般的には西インド諸島,中南米などで生まれ育ったフランスやスペインなどのヨーロッパ人のことを指します。
ルイジアナ州でクレオールと言うとフランス,スペイン,アフリカおよび先住民文化から色々な要素を取り入れた融合文化や料理のことを指します。
クレオール文化のルーツは,1700年代前半にフランス人が現在のニューオーリンズに入植を始めたことにあります。
1762年にスペインへ売却されますが,ナポレオンの時代に一時フランス領に戻り,ほどなくアメリカに売却され,1812年にルイジアナ州になります。
その後,イタリア,アイルランド,ドイツ等の移民の方たちもやって来ます。
クレオール料理は,ルイジアナ州ニューオリンズを中心とした上記の国々の複数の食文化が混合して形成された独特のものです。
ルイジアナ州には,別に「ケイジャン:Cajun」があります。
クレオールと同様に「ケイジャン」と言えば,ケイジャン文化と料理を指します。
「ケイジャン」については「mohamoha8」で少し触れています。
「ケイジャン」とは,カナダに住んでいたフランス人が土地を追われ,アメリカのニューオーリンズ又はその周辺の湿地帯に住むことが許された人々のことです。
クレオール料理とケイジャン料理はよく似ているそうです。
「ジャンバラヤ」や「ガンボ」などの料理は「クレオール」にも「ケイジャン」にもあり,代表料理となっているようです。
クレオールとケイジャンの違いは微妙ですがあるそうです。
「ジャンバラヤ」で言うと,クレオール料理はイタリアの影響を強く受けて,トマトソースを使った赤いそうです。
ケイジャン料理のジャンバラヤは,茶色なのだそうです。
そして,クレオール料理とケイジャン料理が見事にブレンドしたのが,現在のルイジアナ料理なのだそうです。
スモール・ワンダーは,どこの州?
デラウェア州
スモール・ワンダー:Small Wonder
小さくて不思議な州
ここで言う「スモール」はデラウェア州が小さいことを意味していて,小さくても「ワンダー:不思議」がいっぱいとPRしていると思います。
州は小さいサイズでも,これまでの歴史の中での国への貢献や州の美しさからこのニックネームが付けられたそうです。
デラウェア州は「ダイヤモンド州:The Diamond State」というニックネームもあります。
以前にアーカンソー州をダイヤモンド州と紹介しました。(mohamoha15)
同じ「ダイアモンド州」でも,意味は全然違います。
デラウェア州をダイヤモンド州と呼ぶわけは,ダイヤモンドがとれるわけではなく,トーマス・ジェファーソンが独立戦争の時に,デラウェア州が東海岸の戦略的に重要なところに位置しているため「宝石」と表現したことによるそうです。
北の星の州は,どこの州?
ミネソタ州
ノース・スター・ステイト:The North Star State
北の星の州
ミネソタ州の旗と印章に表示されている州のモットーである「l’étoile du nord:the star of the north(北の星)」に由来しているそうです。
確かにミネソタ州はアメリカ本土の一番北に位置しています。
ミネソタ州はこれまでいくつかのニックネームを紹介しましたが,他にも「1万の湖の州:Land of 10,000 Lakes」というニックネームもあり,米国造幣局のミネソタ州200周年記念25セントコインにはこちらの方が掲載されています。
ミシシッピ川の源流もミネソタ州の湖からでした。
北の星の州と言われるだけあって,ミネソタ州「クック郡:Cook County」からは運がよいと秋の終わりから春の初めにかけてオーロラが見えるそうです。
以下,アメリカ本土からオーロラが見る場所を紹介します。
情報元は「Go USA:アメリカでオーロラを観察できる5つのスポット」からです。
- ミネソタ州クック郡(スーペリア国立森林公園:Superior National Forest)
- アイダホ州アイダホパンハンドル国立森林公園:Idaho Panhandle National Forest
- メイン州アルーストック国立野生動物保護区:Aroostook National Wildlife Refuge
- ミシガン州アッパー半島:Upper Peninsula
すべてアメリカ本土の北に位置する州ですが,アメリカの北には他にもワシントン州やモンタナ州,ノースダコタ州があります。
これらの州からは見ることはできないでしょうか。
オーロラを見るには,周囲に光源がなく暗闇が条件と聞いたことがあるので,その辺りが影響しているのかもしれません。
一つ星の州は,どこの州?
テキサス州
ローン・スター・ステイト:The Lone Star State
一つ星の州
このニックネームは,テキサス州により2015年に正式に発表され,旗や印章,米国造幣局のテキサス州200周年記念25セントコイン,州公式宝石カット等に認識されています。
1817年には,白い5つの先のとがった星(五芒星)をテキサス州のシンボルとして使用していました。
正確な起源は不明なのだそうですが,スペイン帝国からの独立の時に使用された説や昔のサンアントニオで鋳造されたコインに刻まれた説などがあるそうです。
テキサス州では,五芒星と「ローンスター」という単語を主要なシンボルやニックネームとして,ビールのブランドから自動車販売店,レストラン,ホテル,バーベキュー施設など数え切れないほどの企業で採用されているそうです。
今回は,私が感じた「州の魅力を伝えるニックネーム」を紹介しました。
どれにするか選んでいるとあれもこれもとけっこうな数になりました。
それだけ,州のニックネームは州のPRに一躍担っているものが多いということだと思います。
このページの情報の主な提供源は,「State Symbols USA」です。
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