前回は,農産物由来の州のニックネームを紹介しました。
今回は,農産物以外の特産物が由来となっている州のニックネームを紹介します。
前回で,州の宣伝効果としてニックネームがあるのではないかと感じ,そして,車のナンバープレートにまでニックネームが付けられていることが分かりました。
さて,今回はどのような発見があるでしょうか。
食材の特産物が由来のニックネーム
ニュージャージー州
クラム・ステイト:The Clam State
ハマグリの州
ニュージャージー州はハマグリが良く獲れるそうです。
アメリカで食べるクラムチャウダーは美味しいのでしょうか?
西海岸のワシントン州もハマグリが良く獲れ,クラム・ステイトと呼ばれているようです。
テキサス州
ビーフ・ステイト:The Beef State
牛肉の州
テキサスのステーキ店で,旅行中に是非とも食べてみたいところがあります。
長い説明になるので,また別の記事で紹介しますが,牧場を経営しているところです。
約10年後にもその店は存在すると確信しています。
「ビーフ・ステイト」は他にもネブラスカ州があります。
テキサス州は,米国で絶賛されている肉牛である「Hereford」という品種の産地です。
ここで,おすすめの映画を紹介します。
テキサスの牛肉を紹介したならば,必ず一緒に紹介するべき映画です。
1流の店を辞めた1流シェフのフードトラックによる移動販売の話です。
マイアミ ~ ニュー・オリンズ ~ オースティン ~ ロサンゼルスの移動中,テキサス州のオースティンで牛肉が登場します。
それが,本当においしそうなんです。
映画自体のストーリーも間違いなくのめりこむこと間違いなしです。
ぜひ見てほしい映画の一つです。
メイン州
ロブスターランド:The Lobsterland
ロブスターの州
メイン州は,海の幸が豊富なところだと推測します。
ロブスター・ランドと呼ばれるだけあり,メイン州は現在,米国で最大のロブスター生産州です。
ロブスターをはじめ,ウニや貝類が多く獲れるようです。
日本で言えば,北海道のような存在なのかなと思います。
北東の端にありますし,位置的にもよく似ています。
メイン州は他にも「木材の州:The Lumber State」とも呼ばれていて,木材の大産地でもあります。
メリーランド州
オイスター・ステイト:The Oyster State
牡蠣の州
アメリカの牡蠣の養殖は,メリーランド州から始まったようです。
メリーランドからその下にヴァージニアの東海岸で養殖が始まり,それが,デラウェア,コネチカットというように北上します。
そして,西海岸にも及びます。
メリーランド州とヴァージニア州にまたがるチェサピーク湾は全米最大規模を誇った牡蠣養殖でしたが,汚染により衰退します。
現在,デラウェア州では総力をあげて牡蠣産業再興を目指しているそうです。
天然資源,鉱物等の特産物が由来のニックネーム
アリゾナ州
コッパー・ステイト:The Copper State
銅の州
アリゾナ州とウィスコンシン州(この州もコッパー・ステイトと呼ばれています)はアメリカの中でも有数の銅の産地だそうです。
2015年のデータでは,アメリカは世界第4位の銅の生産国になっています。
他に,アリゾナ州は,「太陽エネルギーの州:The Solor Energy State」とも呼ばれ,太陽熱を天然資源として利用している主な州です。
カリフォルニア州
ゴールデン・ステイト:The Golden State
黄金の州
現在,金が産出されるわけではないと推測します。
西部開拓時代のゴールドラッシュにちなんだニックネームです。
1848年,サクラメント近郊のコロマ地区で金が発見され,ゴールドラッシュとなったようです。
「黄金郷の州:Eldorado State」とも呼ばれます。
調べてみると,アメリカではネヴァダ州で今でも金が産出されるようです。
「Goldstrike」と呼ばれる鉱山が複数あります。
2018年のデータでは,アメリカは世界4位の産出国になっています。
ちょっと驚きました。
カリフォルニアにはゴールドラッシュの時に沸いた鉱山街がゴーストタウンとなって残っています。
「ボディ:Bodie」というところで,州立公園になっているそうです。
アーカンソー州
ダイヤモンド・ステイト:The Diamond State
ダイヤモンドの州
アメリカで唯一のダイヤモンド産出州です。
しかし,産業になっているのはダイヤモンドの産出ではなく,観光としてのようです。
「マーフリーズボロ」という町にあるダイヤモンドクレーター州立公園は,世界で唯一,一般人が採掘できる公園だそうです。
見つけたダイヤモンドは自分で持ち帰ってよいそうですよ。
旅行中,訪れる価値は間違いなくありますね。
ネヴァダ州
シルバー・ステイト:The Silver State
銀の州
ネヴァダ州とコロラド州は「銀の州」と呼ばれるのですが,それは今は昔の話のようです。
西部開拓時代に銀の暴落があってからは廃れたようです。
ネヴァダは鉱業や農業からカジノ産業へと変わりました。
調べたところ,銀の産出国の世界第9位(2016年)にアメリカが入っています。
現在のアメリカの産出地はアラスカ州のようです。
ミズーリ州
リード・ステイト:The Lead State
鉛の州
ミズーリ州とコロラド州は「鉛の州」と呼ばれます。
金や銀と違い,現在でもしっかりと産出されるようで,精錬品について,アメリカは産出量世界第2位となっています。
アラスカ州とミズーリ州で国内全体の大半を占めるようです。
昔は,鉄鉱石も良く獲れて「アイアン郡」と名付けられた地区もありますが,鉄鉱石産出量世界第8位(2017年)の主な産出州は,ミネソタ州とミシガン州のようです。
ミネソタ州の「メサビ鉄山」って,中学校の時に習った覚えがあります。
アイダホ州
ジェム・ステイト:The Gem State
宝石の州
アイダホ州と言えばジャガイモの州,アイダホポテトが真っ先に思い浮かびますが,宝石の州とも呼ばれています。
「アイダホ」は,ネイティブアメリカンの言葉で「山の宝石」を意味するそうです(諸説あり)。
その名の通り,昔は数多くの種類の宝石や輝石が生産され,国内最大の20カラット近い大きさのダイヤモンドが見つかったこともあったそうです。
現在もガーネットやオパールを中心に,ヒスイ,トパーズ,トルマリン,珍しいのはオパール化した木材が獲れるそうです。
現在アイダホ州には4つの有料鉱山があり,小額の手数料を払って宝石や金を探し,見つけたものを保管することができるようです。
モンタナ州
トレジャー・ステイト:The Treasure State
宝石の州
アイダホ州のお隣の州であるモンタナ州も「宝石の州」と呼ばれています。
こちらは「ジェム」じゃなく「トレジャー」の方で呼ばれています。
1800年代半ばに最初の鉱床が見つかって以来,豊富な鉱物資源があることが知られています。
有名なのはサファイアなのだそうです。
「ジェム・マウンテン・サファイア鉱山:Gem Mountain Sapphire Mine」が有名で,ここでは,訪問客が手でサファイアを掘り,近くの町にあるサファイア宝石店に立ち寄りジュエリー作品にすることができるそうです。
なんか,素敵ですね。
イエローストーン国立公園に行く際に寄り道したいです。
ペンシルベニア州
コール・ステイト:The Coal State
石炭の州
アメリカは石炭世界産出量の第3位です。(2019年)
米国最大の産出州はワイオミング州ですが,近年減産しており,ペンシルベニア州を中心とするアパラチア炭田(他にウェストヴァージニア,ケンタッキー,オハイオ)やイリノイ炭田(イリノイ,インディアナ)へ需要がシフトしているそうです。
また,ペンシルベニア州は「鉄鋼の州:The Steel State」とも呼ばれていて,石炭の産出を鉄鋼の生産に結び付けていることが推測されます。
ニューハンプシャー州
グラナイト・ステイト:The Granite State
御影石の州
御影石とは花崗岩のことです。
州内には,広範な花崗岩の層と採石場があり,ニューハンプシャー州では,花崗岩を州の公式の岩と承認しています。
1819年に完成した州都「コンコード:Concord」にある「ニューハンプシャー州議会議事堂:New Hampshire’s State House」は花崗岩でできているのですが,その花崗岩はすべて地元で産出されたそうです。
州のニックネームを調べていくと,いろいろな州のいろいろな特産物が見えてきます。
これが,旅行にどのように活かされるのかはイメージできませんが,これらの調査が「これをもうちょっと調べたい」という次の調査につながるのが,自分の中では素敵なことのように思えて,楽しくなってきています。
次回は,動物が由来になっている州のニックネームを調べようかなと考えているところです。
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