「桃の州」「煙草の州」「ピーナッツの州」:農産物由来の州ニックネームの話 mohamoha14

州のニックネーム

「次回は州のニックネームの紹介です。」と言っておきながら,間が空いてしまいました…。

アメリカの大規模農業地帯の名前から,州のニックネームに触れ,いろいろなニックネームを知ることになります。

「プレーリー」「グレート・プレーンズ」
  ↓
「コーン・ベルト」「ウィート・ベルト」
  ↓
「プレーリー・ステイト」「コーン・ステイト」

ちなみに,プレーリー・ステイトはイリノイ州,コーン・ステイトはアイオワ州です。
詳しくは「「プレーリー」「ブルーグラス」「コットンベルト」:地域の呼び名の話②」をクリックしてみてください。

最初は選りすぐって,各州一つずつのニックネームを紹介しようと思っていたのですが,興味深いものがかなりの数ありました。

歴史的背景,その土地の名産や文化と深くつながっているニックネームもあり,これは由来の種類ごとにいくつかの州のニックネームを紹介することが,自分の旅行の時の知識の財産になると思いました。

ということで,種類ごとに州のニックネームを紹介します!

初回は,「農産物」が由来のニックネームです。

農産物が由来のニックネーム

アラバマ州
コットン・ステイト:The Cotton State
綿花の州

以前の記事でお伝えした「コットン・ベルト」の中心には,アラバマ州がありますね。

ミシシッピ州
コットン・キングダム:The Cotton Kingdom
綿花の王国

ミシシッピ州もコットン・ベルトの真ん中です。
「州」と「王国」,どちらが上位でしょうか。

ルイジアナ州
シュガー・ステイト:The Sugar State
砂糖の州

ミシシッピの河口がある州は,サトウキビが特産物だったんですね。
南国ということが分かります。
ちなみに,砂糖の主要産地の州は,他にフロリダ州とテキサス州らしいです。

ジョージア州
ピーチ・ステイト:The Peach State
桃の州

桃が特産物。
桃と言っても日本で連想するものとは違い,黄桃になるらしいです。
画像で見てみると日本で言うスモモのような感じ。
かなり甘いらしいです。
ジョージア州には「ピーチ」が名前がつく地名が多く,車のナンバープレートのデザインも桃だとか。

ジョージア州
グーバー・ステイト:The Goober State
ピーナッツの州

もう一つジョージア州。
「グーバー」って日本では言いません。
「グーバー」はピーナッツの俗語らしいです。
アメリカではピーナッツって言わないのかと思ってしまいました。
スヌーピーのキャラクターが出てくるアニメは「PEANUTS」ですよね。

アーカンソー州
ホーム・オブ・ザ・ピーチ,ストロベリー,アンド・ヴァイン:Home of the Peach,Strawberry,and Vine
桃とイチゴとブドウの本場


フルーツを3つもつけてます。
それだけ,フルーツの特産物が多く,フルーツの州とアピールしたいのだと推測します。
ブドウを「Vine」と言うのですね。
「Grape」との違いは品種かなと思っていたら,どうもそれほど違いは無いようで,「Vine」の場合はよりブドウの木自体を指すのではないでしょうか。

サウスカロライナ州
ライス・ステイト:The Rice State
コメの州

サウスカロライナ州は,アメリカで最初にコメの栽培が始まったところ。
サウスカロライナは沼地が多く,他の農産物よりもコメの生産に適していたため,18世紀ごろまでは主要農産物だったようです。
日本ではカリフォルニア米が有名なので,調べてみると,現在はカリフォルニア,テキサス,ルイジアナ,アーカンソー,ミズーリ,ミシシッピーがアメリカの産地のようです。

次は,徐々に北の方に行きます。

テネシー州
ホグ・アンド・ホミニーステイト:The Hog and Hominy State
豚とひきわりトウモロコシの州

「hog」は大きな食肉用の豚のことで,「pig」との違いはpigが子豚hogが大人になった大きな豚です。
ちなみにどちらも食肉となった場合は「pork」になります。
1830年から1840年の間にテネシー州のトウモロコシと豚肉の製品が,アメリカ全体の大きな割合を占めるほど特産物だったためにこのニックネームが言われていましたが,今は言わないそうです。
「hominy」はひきわりトウモロコシのことです。
今では,そのひきわりトウモロコシからテネシーウィスキーを造っていますね。「ジャックダニエル」です。

ケンタッキー州
タバコ・ステイト:The Tobacco State
タバコの州

ケンタッキー州が,紙巻きたばこ(cigarette)用の葉をアメリカで初めて生産したことからこう呼ばれるようです。
今も生産されているとは思いますが,近年の生産全米1位はノースカロライナ州だそうです。
地図はありませんが,ケンタッキー州の斜め下,サウスカロライナ州の北になります。
ちなみに私はかなりのヘビースモーカーです。

カリフォルニア州
オレンジ・ステイト:The Orange State
オレンジの州

カリフォルニアは,オレンジに代表されるようにフルーツの産地ですね。
他にも「グレープ・ステイト:ブドウの州」とも呼ばれています。
カリフォルニアワインは日本でもかなり名前が知れ渡っています。
「オレンジ・ステイト」と呼ばれる州はもう一つあって「フロリダ州」です。
南国でなんとなくわかります。

カンザス州
ウィート・ステイト:The Wheat State
小麦の州

冬小麦の生産地から呼ばれるようです。
カンザス州の車のナンバープレートは小麦のイラスト入りです。
冬小麦と春小麦の産地は,「ウィート・ベルト」のページで紹介しました。(mohamoha11
カンザス州は,小麦にちなんで他にも「Breadbasket of America:アメリカのパンかご」と呼ばれています。

イリノイ州
コーン・ステイト:The Corn State
トウモロコシの州

以前に「プレーリー・ステイト」と呼ばれると紹介したイリノイ州。
アイオワ州と同じくトウモロコシの大産地です。
これまた以前に紹介したようにアイオワ州もコーン・ステイトと呼ばれます。
トウモロコシの主要生産地はイリノイ,アイオワの他にインディアナ,カンザス,ミネソタ,ネブラスカ,オハイオのようです。
トウモロコシの用途は,ほとんどが家畜飼料になるようです。(約80%)
もちろん食料としても,そして,バイオエタノールとしての用途もあります。

ネブラスカ州
コーンハスカー州:The Cornhusker State
トウモロコシ皮むき人の州

トウモロコシの皮をむく人を「コーンハスカー:Cornhusker」と言うそうです。
コーン・ステイトのところで言ったように,ネブラスカ州もトウモロコシの主要生産地です。
初期の入植者は,秋の収穫期になると大勢ネブラスカ州に集まり,トウモロコシの皮をむく仕事に従事したため,このように呼ばれています。
ネブラスカ州公式のニックネームです。

アイオワ州
ハートランド・オブ・アメリカンアグリカルチャー:Heartland of American Agriculture
アメリカ農業の中核地帯

コーン・ベルトの中心,コーンステイトとも呼ばれるアイオワ州は,他にも大豆やオーツ(燕麦)などを産出しており,間違いなくアメリカ農業の「ハートランド」でしょう。

アイダホ州
スパッド・ステイト:The Spud State
ジャガイモの州

「Spud」はジャガイモ「potato」の口語だそうです。
日本ではCMで名が知られてアメリカのジャガイモと言えば「アイダホ」が連想されますよね。

ウィスコンシン州
アメリカズ・デイリーランド:America’s Dairyland
アメリカの酪農地帯

ウィスコンシン州で生産される乳牛の約9割がチーズに使用され,全米の約4分1のチーズが作られているようです。
「Dairy」は乳製品を生産場の意味です。
ウィスコンシン州を中心にこの辺りは「デイリー・ベルト」と呼ばれていることはmohamoha11で紹介しています。
車のナンバープレートにも書かれていることから,州の酪農に対する思い入れの強さが分かります。

ミネソタ州
ブレッド・アンド・バター・ステイト:The Bread and Butter State
バター付きパンの州

ミネソタ州の主要産物が小麦(春)と乳製品のためにこのように呼ばれるそうです。
小麦からはパンが,乳製品の代表はチーズです。
パンとバターの原料2つを産出されることから,この名前を考えた人のセンスを感じます。

ニュージャージー州
ガーデン・ステイト:The Garden State
菜園の州

ニュージャージーは主要な農業州ではないけれども,ニューヨーク等の大都市に近いために,野菜の近郊農業が盛んなのだと推測します。
日本で言うと千葉県辺りでしょうか。
「Garden」と名付けるところがいいですね。
このニックネームはニュージャージー州の車のナンバープレートにも書かれているそうです。

マサチューセッツ州
ビーン・ステイト:The Bean State
豆の州

これはちょっと番外編になります。
豆はマサチューセッツ州の特産物ではないからです。
では,なぜ,ビーン・ステイトと呼ばれるのかというと,植民地時代から州民はよく豆料理を食べたことが由来だそうです。

なんとなく思ったこと2つ

このように調べていくうちに,なんとなく思ったことが2つあります。

一つは,州にニックネームを付けることで,かなりの宣伝効果があるのかなということです。

もちろん,「ディキシー」や「ハートランド」など,何かのきっかけで,あるいは文化的背景があって,無理なく人々に呼ばれるようになった愛称も間違いなくありますが,特産物の宣伝効果を狙ったものもかなりあるのだと推測します。

もう一つは,州のニックネームを車のナンバープレートに書いたり描いたりしている州が多いことです。

車のナンバープレートは,日本でも各都道府県が近年始めていますが,アメリカ発のアイディアだったのですね。

旅行中に,車のナンバープレートを見かけて,一喜一憂するのもまた楽しいものです

次回は,農産物以外の特産物で,州のニックネームを調べたいと思います。

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