特産品の次は,州内に生息する動物や生物が由来の州のニックネームを紹介します。
ここでは紹介する際の条件を付けました。
日本のサイトで紹介されていても,アメリカで実際にそう呼ばれていない場合もあると推測しました。
日本のサイトで紹介されていたニックネームを,「State Symbols USA」を中心にアメリカのサイトで調べ,しっかりと紹介されていたニックネームを紹介します。
また,動物に由来するニックネームですから,どのような生き物なのかわからないとイメージしにくいと考え,必死に探して(無料の画像ダウンロードサイトで),なるべく正確にその州で撮影された画像を使用します。
ペリカン州は,どこの州?
ルイジアナ州
ペリカン・ステイト:The Pelican State
ペリカン州
ミシシッピ川河口のメキシコ湾沿岸には,ペリカンが多く生息しています。
調べると「ブラウン・ペリカン」という種類だそうです。
1966年に州鳥に指定され,州旗や印章,25セントコインのデザインにも採用されています。
他に,NBAのチーム「ニューオリンズ・ペリカンズ」もありますね。
農薬の使用により,1966年までにはルイジアナ州海岸沿いから完全に姿を消したそうで,フロリダから幼鳥を輸送して再増殖を試みたそうです。
今は約4万羽が「ペリカン州」にいるそうです。
ビーバー州はどこの州?
オレゴン州
ビーバー・ステイト:The Beaver State
ビーバー州
ビーバーはオレゴン州の公式な州の動物であり,州旗の裏面中央にも表示されています。
19世紀初頭にビーバーの毛皮で作られた帽子が流行し,オレゴン州の小川がビーバーの重要な供給源だったことが由来だそうです。
その頃,狩猟者に使われたオレゴンへの道は,後に「オレゴントレイル」と呼ばれるようになりました。
ビーバーの乱獲が進み,生息数は絶滅寸前まで減少しましたが,保護法が成立し,乱獲時代は終了しました。
川にダムを造ることで知られていますが,ビーバーってベジタリアンだったんですね。
ビーバーの今に至る歴史や現在の保護活動,その生態などを紹介したYouTubeを紹介します。
英語の字幕付きのため,おおよその意味を理解しながら見ることができます。
イエローハンマー州は,どこの州?
次に紹介するのは,特にその州にたくさん生息するためにニックネームになったわけではないようです。
アラバマ州
イエローハンマー・ステイト:The Yellowhammer State
キアオジ州
まず「イエローハンマー」とは鳥です。
これについては,調べるのに苦労しました。
ここで言う「イエローハンマー」がどの鳥のことを指しているかの判断がつかなかったのです。
結論を言いますと,私がここで紹介する内容の根拠は,これになります。
State Symbols USA:The Yellowhammer State Alabama State Nicknames
ここで,説明すると長くなるので,下で説明します。
イエローハンマーを調べると,和名では「キオアジ」と呼ばれています。
画像の鳥です。
特にアラバマ州に多く生息しているわけではなく,米国全体に分布しているようです。
また,アメリカをはじめ,北半球のアメリカ,ヨーロッパ,南半球のニュージーランドなど世界中に生息しています。
日本には生息していません。
迷い鳥として日本海側で見かけられることがあるようです。
迷い鳥とは,本来は生息・分布していない地域において,渡り鳥が迷って来てしまったことを言います。
日本で言うと,雀のような黄色い鳥という感覚でしょうか。
イエローハンマーと呼ばれる鳥はこれになるので,てっきりイエローハンマー州の「イエローハンマー」はこの鳥のことを指していると思っていたのですが,違いました。
アラバマ州で「イエローハンマー・ウッドペッカー:yellowhammer woodpecker」と呼ばれる「ノーザン・フリッカー:Northern Flicker」のことを指しているようです。
和名では,「ハシボソキツツキ」と言われます。
尾っぽが黄色であり,翼を広げるとその裏側が黄色いそうです。
さて,この鳥もアラバマ州に多く生息しているわけではなく,全米で生息しているようです。
では,なぜ,アラバマ州は「イエローハンマー州」と呼ばれるのか。
このようなわけがあります。
南北戦争の時にアラバマ州の兵士は,黄色い布を着けた軍服を着ていたそうです。
アラバマ州の兵士たちの姿が,イエローハンマー・ウッドペッカーと似ていたため,兵士たちは「イエローハンマー」と呼ばれたそうです。
それが,いつしか非公式の「イエローハンマー州」となったようです。
そして,アラバマ州は1927年に,「ノーザン・フリッカー:Northern Flicker」を公式の州鳥に指定されました。
アラバマ州は,キツツキを州鳥として認めている唯一の州なのだそうです。
アメリカと言えば,ハクトウワシ!
アメリカの鳥と言えば,「ハクトウワシ」をすぐに思い浮かべます。
英語で,「American bald eagle」と言います。
北米原産であることから,1782年に国鳥として採用されたようです。
野生のハクトウワシは30〜35年生きます。人間の飼育下では最大50年。
1782年には,25,000〜75,000羽いたそうですが,農民たちがハクトウワシを害鳥と見なし,1800年代後半までには非常に少なくなってしまったそうです。
1940年にハクトウワシ法が成立し,個体数は回復し始めましたが,広く使用されていた農薬に含まれるDDTによって,さらに減少します。
1966年と1978年の絶滅危惧種法,1972年のDDT禁止により数が回復し,2007年ハクトウワシを絶滅危惧種のリストからなくなりました。
このハクトウワシを州のニックネームにしている州がないかと調べると,日本のサイトに一つ見つかりました。
ミシシッピ州なのですが,アメリカのサイトではなかなか見当たりませんでした。
しかし,ミシシッピ川河口に多く生息しているようです。
ニックネームとしては見つかりませんでしたが,ミシシッピ州の州章にはハクトウワシが使用されていました。
1798年,州章に採用されたハクトウワシは,翼を大きく広げ、胸には星条旗の盾があります。
ハクトウワシの爪は,オリーブの枝と3本の矢を握りしめています。平和と強さを象徴しているそうです。
ハクトウワシは,アメリカの25セント硬貨のデザインにも採用されています。
その佇まいは,ミシシッピの州章とよく似ています。
他にも,いろいろな州の州旗や紋章などにハクトウワシが描かれています。
ハクトウワシの獲物を捕獲する映像がYouTubeで見つけました。
なんとも勇ましい姿に惚れ惚れします。
ニックネームにちなんだアメリカの鳥をもう一つ,紹介します。
「アメリカ・ハゲタカ」と呼ばれる鳥です。英語では「Buzzard」と言うそうです。
このアメリカハゲタカがニックネームになっている州として,ジョージア州を挙げているサイトが日本にありました。
しかし,アメリカのサイトではそれらしきサイトは見つかりませんでしたし,ジョージア州の州鳥はツグミでした。
いちおう,一般的にアメリカハゲタカと呼ばれる画像を紹介します。
クズリ州は,どこの州?…「クズリ」は「ウルヴァリン」?
ミシガン州
ウルヴァリン・ステイト:The Wolverine State
クズリ州
「クズリ」と聞いてもピンときませんでした。
でも「ウルヴァリン」は聞いたことがあります。
私は見たことがないのですが,マーベルヒーローズの映画「X-メン」のキャラクターですよね。
狼男かと思っていたあのキャラは,「クズリ」という動物だったんですね。
3本のナイフのような爪があるのでしょうか。
調べると,大型のイタチの仲間で,超凶暴で熊よりも強いのだとか。
「小さな悪魔」と呼ばれているそうです。
爪は3本じゃなく5本あるそうですが,その爪と歯は鋭利で,しかもスカンクのように強いにおいを発出するそうです。
人間の乱獲のため今は絶滅危惧種となっています。
アメリカには北の方にしか住んでいないそうですが,滅多に見かけられないようです。
ミシガン州がこのニックネームを持つに至った経緯は多くの説があるようです。
ゴーファー州は,どこの州?…ゴーファーってリス?ネズミ?
ミネソタ州
ゴーファー・ステイト:The Gopher State
地ネズミ?地リス?州
「ゴーファー」が地ネズミとなっていたり,地リスとなっていたり,「ゴーファー」は「ゴーファー」だと言ったり,人によって捉え方が違うようです。
地中の縦横にトンネルを巡らせ,ねぐらとしています。
1940年生まれのミネソタ大学マスコット「ゴールディー」のモデルだそうです。
面白いのが,初めの頃はゴールディーのしっぽにはなかったリス特有のラインが,途中から13本入るようになったそうです。
畑や食い荒らす害獣として駆除の対象にもなっているそうです。
私は,プレーリードッグかとも思ったのですが,ゴーファーはもっと小さいようです。(約40㎝に対して約20㎝)
マスコット「ゴールディー」は,約1850年の政治家を風刺した漫画が元になっていると解説しているサイトもありました。
プレーリードッグの画像です。
ゴーファーとプレーリードッグをいろいろな画像で比べてみると,かなりの違うのが理解できます。
「ゴーファー」は間違いなくリスに近い体形をしていますが,「プレーリードッグ」はどちらかと言うと,兎に近く,丸みを帯びた体形ですね。
動物由来の州ニックネームは,まだあります。
なので,続きは次回「mohamoha17」で紹介したいと思います。
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