前回は,その州にある公園,庭園,湖が由来となる州のニックネームを紹介しました。
今回は,その州の自然環境が由来となっている州のニックネームの紹介です。
実は一つだけ,これまでに自然環境が由来のニックネームを紹介しています。
「エバー・グリーン・ステイト:常緑樹の州」であるワシントン州です。
「ひまわり州」「モクレン州」「常緑樹の州」:植物由来の州ニックネームの話② mohamoha20で紹介しました。
テーマとしては「植物」が由来のニックネームだったのですが,ワシントン州としては「常緑樹の州」というよりも「永遠に緑がいっぱいの州」の意味の方を強くアピールしているのだと推測します。
ブログの記事では「植物」がテーマだったので「常緑樹」から「アメリカツガ」につなげた話にしました。
「ポピュラーなニックネーム」を前提に調べてみると,4つの州が該当しました。
「ポピュラーな」の範囲が曖昧ですが,いくつものサイトでそのニックネームが紹介されていることとアメリカのサイトでも紹介されていることを条件としています。
特に州議会が公式に承認していたり,旗や紋章,コインなどのデザインにされていたり,州の動物とか植物(実は「州の○○」はけっこうある)とかに承認されていたりすることを重要視して,そのニックネームをブログで紹介するかどうかを決めています。
なので,実は調べるのにけっこう時間がかかっています。
全ては約10年後のアメリカ長期旅行のためと思うと,調べることに疲れたことはあっても面倒と感じたことはないです。
現にブログを始める前と今の自分を比べると,間違いなく今はアメリカ50州のほとんどの位置や特徴を言える自分がいます。
そういう意味では,今回の4つの州は全てこのブログで初めて紹介するものばかりで,調べる際にとても新鮮でした。
もちろん,ただ調べたことを紹介するだけでなく,これまでの自分の経験や知識でみなさんに紹介したいことも織り交ぜることをかなり気にしています。
今回はかなり前書きが長くなってしまいました。
それでは始めます。
海の州は,どこの州?
「海の州」と聞いて,自分はこの州は全く思い浮かびませんでした。
意外やなあと思いながら調べたところ,今かなり納得した自分がいます。
ロードアイランド州
オーシャン・ステイト:The Ocean State
大西洋の州
ロードアイランドは,砂浜と海辺の植民地時代の町で知られています。
州の幅はわずか37マイル(約59.5㎞),長さは48マイル(約77.2㎞)ですが,その海岸線は400マイル(約643.7㎞)あるそうです。
車のナンバープレートや米国造幣局の州の記念コインにニックネームが書かれています。
コインには,大西洋とヨット,長い橋(Claiborne Pell/Newport Bridge)のデザインが描かれています。
さて,冒頭で書いたように説明が必要だと思います。
まず,上のアメリカ全土の地図でお分かりの通り,ロードアイランド州は一番面積が小さい州です。
そのために「リトル・ローディー:Little Rhody」「スモーレスト・ステイト:Smallest State」「リトル・ロード:Little Rhode」などのニックネームで呼ばれることもあるようです。
なぜこの州が大西洋に一番面していると言えるのか。
「幅約60㎞」「長さ約77㎞」に対し,「海岸線約644㎞」・・・桁が違います。
アメリカ全土の地図では分かりませんが,グーグル・マップで州全体を大きく見ると「なるほど」と思います。
4分3以上,陸地の奥深くまで大西洋が入り込んでいます。
この入り込んだ湾を「ナガランセット湾」と言うそうですが,大小の島々がたくさんありそうです。
最初の砂浜の画像は「ニューポート:Newport」というところにある砂浜なんですが,ロード島(アクィドネック島)という湾の入り口近くにある一番大きな島にあります。
なんとも美しい砂浜がずっと続いていますよね。
じゃあ砂浜ばっかりかというとそうでもなくて,このような画像も見つけました。
同じくニューポートにあるヨットハーバーです。
この画像もなんとも素敵です。
最後に,「ロードアイランド州」の正式な州名は「ロードアイランド及びプロビデンス・プランテーション州:State of Rhode Island and Providence Plantations」なんだそうです。
「プランテーション」と聞くと南部の綿花農地の奴隷制度を思い浮かべますが,「プロビデンス・プランテーション」は,ロードアイランド州の起源となった植民地集落(イギリス植民地)の名前だそうです。
2010年,長い名称を続けるか,あるいは奴隷制度という誤解を生みやすい名称を切り捨てるかを住民が選ぶことになったそうです。(ウィキペディアより)
住民投票の結果,78%対22%という圧倒的な差で現行名の存続が決まったそうです。
山の州は,どこの州?
ウェストバージニア州
マウンテン・ステイト:The Mountain State
山の州
アパラチア山脈内部に位置している州であり,州の全ての地域が山岳地のため,州の正式なニックネームになりました。
アパラチア山脈は3億年以上前に形成され,地球最古のものとされています。
標高は高くないものの,大半の地域が起伏が激しいそうです。
「ブルーリッジ山地:Blue Ridge Mountains」や「 シェナンドー川:Shenandoah River」など景観美に優れているため,住民からは「ほとんど天国:Almost Heaven」 と呼ばれているそうです。
冒頭の画像をちょっと恐いものを選んでしまいましたが,ウェストバージニアの山々は本当に美しいそうです。
なので,この画像も紹介します。
「山の州」と呼ばれる理由の後半のくだりですが…
「ブルーリッジ・マウンテン」「シェナンドー・リバー」「オルモスト・ヘブン」
気が付いた方もおられると思いますが,そうです。
ある歌の歌詞を意識して書きました。
Take Me Home, Country Roads
ジョン・デンバーの「故郷へ帰りたい:Take Me Home, Country Roads」です。
ジブリアニメの歌になったり,ラグビーのワールドカップ日本開催の時のテーマ曲になったりしているので,誰もが知っている曲だと思います。
あの歌の原曲の歌詞を知っていますか?
Almost heaven, West Virginia「ほとんど天国のようなウェストバージニア」
SONG BY JOHN DENBER
Blue Ridge Mountains, Shenandoah River 「ブルーリッジマウンテンにシェナンドー川」
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Country roads, take me home「カントリーロード 僕を家まで連れて行って」
To the place I belong「僕がいるべきあの場所へ」
West Virginia, Mountain Mama「ウェストバージニア 母なる山」
Take me home, country roads「僕を家まで連れて行って カントリーロード」
このオリジナルが流行ったのは,私がまだ小さい時で,確か日本のテレビのCMに流れていたと記憶してます。
さてオリジナルを歌ったジョン・デンバーですが,このような顔立ちです。
なんとも,歌詞とマッチした田舎を愛する好青年,シンガーソングライターという感じですよね。
しかし,私が成人になりカントリー・ミュージックに興味を持ち出して,このジョンデンバーを知ったときには驚愕しました。
何に吃驚したかというと,画像のような田舎の好青年らしい風貌と現実の私生活があまりにもかけ離れたものだったからです。
その私生活についてはここでは書きたくないので書きませんので,知りたい方は上のウィキペディアに行ってみてください。
ここでは,2つだけお伝えしておきます。
・ジョン・デンバーはウェストバージニア州と縁もゆかりもありません。
・ジョン・デンバーの「デンバー」は,コロラド州の州都である「デンバー」を名前にしましたが,もともとコロラド州と縁もゆかりもありません。(成功後,住んでいたそうですが。)
ジョン・デンバーは,ウェストバージニア州だけでなく,コロラド州についてもロッキー山脈をテーマに歌っています。
ジョン・デンバーについて言えることは,「空想の設定をして山々の景色に思いを巡らせ,素敵な歌詞と旋律を考えられる人」なんだと思います。
コロラド州も「マウンテン・ステイト」と呼ばれていると書かれたサイトがありました。
ウェストバージニア州が「アパラチア山脈」に対して,コロラド州は「ロッキー山脈」ですね。
ただし,公式のサイトでは「山」の付くニックネームどころか,「山」を売りにしたことはほとんど書かれていませんでした。
一つありまして,造幣局の記念コインに「ロッキー山脈」が描かれています。
コロラド州のニックネームは,違うテーマが由来のページで紹介したいのでここでは紹介しませんが,紹介したいと思っているものと同じくらい有名なニックネームをコロラド州は持っています。
「カラフル・コロラド:Colorful Colorado」です。
コロラド州にある山・川・平原の壮大な風景が由来のニックネームだそうです。
だから,一応,コロラド州のロッキー山脈もニックネームの由来の一つになっていると言えます。
さて,話を「カントリーロード」に戻します。
私がお気に入りのカントリー・ファミリーグループである「ピーターセンズ一家:The Petersens」のYouTubeで紹介します。
英語の歌詞も出てますので,確認して聞いてください。
ピーターセンズ一家は,ミズーリ州在住のファミリーでバンドを組んでいる方たちで,最近よくこのバンドの曲を聞きながらブログを書いています。
娘3人(フィドル,バンジョー,マンドリン)と息子1人(ギター),そしてお母さん(ウッドベース)がファミリーです。
ヴォーカルはけっこう順番で歌っていますが,主はこの曲でも歌っているケイティ―(フィドルを弾いている)です。
お母さんは絶対歌わず,後ろの方で弾いてます。
唯一ファミリーじゃないメンバーは,ドブロ(ギターを横にしてスライドしている)を弾いているエメットです。
もう一つ,このファミリーで紹介したい動画があります。
このピーターソン一家が,ミネソタ州へ,旅行もかねてバンド演奏をやりに行った動画があるのですが,なんとその映像に,以前に紹介した「ミシシッピ川の源流」を訪れている場面があったのです。
この動画の5分30秒ぐらいのところです。
なんと,人がいっぱい!
「ここがミシシッピ川の源流か」と感慨深く感じ入ることはできないようです。
一気に訪ねる気が失せてしまいました…。
最後にもう一つだけ,動画を紹介します。
「カントリーロード」の別の方の紹介です。
この歌い手さんの動画はこれしか見ていないのですが,男性の方のハモリが素晴らしいと思いました。
この音感というかセンスというか,持って生まれた才能なんでしょう。
音痴の私にはとてもまねができません。(でもなぜかギターはそこそこ弾ける)
今回はこの動画で最後にします。
次回をお楽しみに。
このページの情報の主な提供元は,「State Symbols USA」です。
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