自然環境が由来となっている州のニックネームの紹介の続きです。
前回と同じく,今回も2つの州を紹介します。
それでは,自然環境が由来となっている州のニックネームの1つ目(通算3つ目)の州を紹介します。
湾の州は,どこの州?
マサチューセッツ州
ベイ・ステイト:The Bay State
湾の州
州議会で公式に認定されたニックネームではないけれども,もっともよく知られたニックネームです。
米国造幣局200周年記念コインには,独立戦争中の植民地兵である「ミニットマン:minuteman」,州の地図とともに,このニックネームが刻まれています。
面白いのは,州議会で公式に認定されたのは,州のニックネームではなく,マサチューセッツ州民の呼び名である「ベイ・ステイター:Bay Staters」の方だということです。
さて,なぜ,マサチューセッツ州が「湾の州」なのか,私は不思議に思いました。
マサチューセッツ州というと「ボストン」があり,ニューヨークと同じように都会のイメージで,「湾」というイメージはありません。
ロードアイランド州を「大西洋の州」と聞いた時と同じように「???」だったのです。
だから,ロードアイランド州の時と同じように,グーグルマップで州全体を見てみました。
またもや吃驚です。
ボストンの周囲の地形が,こんなになっているとは…。
釣り針のような形をしていて,間違いなく「湾」になっています。
湾の名前を「ケープ・コッド湾:Cape Cod Bay」と言うそうで,釣り針の形をしている半島を「ケープ・コッド:Cape Cod」と言うそうです。
このケープ・コッドの先端に「プロビンスタウン:Provincetown」という町があり,そこに,冒頭の画像で写っている「ピルグリム・モニュメント:Pilgrim Monument」があります。
「ピルグリム」という単語は既に知っていました。
エリック・クラプトンの最近のアルバム「Pilgrim」を買って聞いていたからです。
確か,その時調べた意味は「巡礼者」とか「清教徒」とかの意味だった記憶があります。
「最近のアルバム」と書いてしまいましたが,よく考えれば,約20年前のアルバムです。
クリーム時代から聞いているクラプトンなので,「ピルグリム」は「最近」のアルバムという感覚になってました…。
話を戻しまして,ケープ・コッドにある「ピルグリム・モニュメント」はどのようなものかと調べてみました。
イギリスの教会から弾圧を受けていた人たちが信仰の自由を求め,清教徒を含む102人がメイフラワー号に乗ってアメリカに渡りました。
1620年11月にアメリカの「ケープ・コッド」の先端に到着し,その後,「プリマス」に上陸します。
そこで,キリスト教徒にとって理想的な社会を建設することをめざしました。
この人たちを「ピルグリム・ファーザーズ」と呼んでいます。
ピルグリム・ファーザーズが上陸した土地には,先住民のネイティブ・アメリカンのワンパノアグ族が暮らしてして,食糧や物資を援助し,狩猟やトウモロコシの栽培などを教えました。
「プロビンスタウン」はその後,ポルトガル移民がやってきて,捕鯨で栄えたそうです。
ウィキペディア「ピルグリム・ファーザーズ」より
「ピリグリム・モニュメント」の中は,博物館になっているそうです。
「ピルグリム モニュメント」は,1907年セオドア・ルーズベルトの立会いのもと起工式が行われ,3年後の1910年に完成します。
モニュメントは,高さ約77 メートル,一辺が約9メートルの四角い柱状です。
話は変わって,「捕鯨で栄えた」のところに私は注目し,あることに納得しました。
あることは何かというと,「マサチューセッツ州」でフリーの画像を検索していると,このような画像があり,「マサチューセッツ州のケープコッドでクジラウォッチング」とのキャプションが付いていたことです。
その時はまさかと思いましたが,ケープコッド湾ではクジラウォッチングがあるみたいです。
「プロビンスタウンは捕鯨で栄えた町」とこの画像が一致し,納得したわけです。
緑の山の州は,どこの州?
バーモント州
グリーン・マウンテン・ステイト:The Green Mountain State
緑の山の州
なぜ,「グリーン・マウンテン・ステイト」と呼ばれているかというと,「バーモント:Vermont」はフランス語の「緑の山:Verd Mont」からできた名前だからです。
フランスの探検家サミュエル・ド・シャンプラン:Samuel de Champlainが,1647年に作成した地図でそのように呼んでいたそうです。
バーモント州には,標高 600 メートルを超える山々が 220 以上あるそうで,251 あるバーモント州の町の 75 %以上を占める土地が木々に覆われています。
さて「バーモント」から連想するものは,何でしょう?
私が小さい時にテレビのCMでよく流れていた西城秀樹の「バーモントカレー」です。
「りんごとはちみつ,とろ~りとけてる,ハウス・バーモントカレー」
今日職場の人にこのCMを話したら,今もこのCMは流れているとのこと。
もちろん,CMに出ているタレントは西城秀樹ではないそうで…。
「バーモントカレー」と「バーモント州」との繋がりはないか調べてみました。
バーモントカレーの話
すると,やはり繋がっていました。
Q:「バーモントカレーの名前の由来を教えてください。」
A:「アメリカ北東部のバーモント州に伝わるりんごとはちみつによる健康法にちなんでいます。」
ハウス食品株式会社:よくある質問より
ウィキペディアには,このように書かれていました。「バーモントカレー」
1960年代初め頃のカレーは,辛さや刺激から「大人の食べもの」という認識が強く,子どもを対象としたカレールーは存在していませんでした。
そこでハウス食品では,カレーの辛さを抑え,手軽に「子どもも大人も一緒に美味しく食べられる」とのコンセプトで開発が始まりました。
開発当時の日本では,「バーモント健康法」と呼ばれるアメリカ・バーモント州に伝わるリンゴ酢とはちみつを使った民間療法が流行していました。
カレーの開発にあたって,この「バーモント健康法」の「リンゴ」と「はちみつ」が中心に取り入れられました。
試作品が多数作られた末に,リンゴの酸味とハチミツによってコクのあるマイルドな風味を特徴とする「ハウス・バーモントカレー」が完成しました。
画像のフリーサイトで「バーモント州」で検索すると,リンゴ畑の画像がけっこう出てきます。
どうも,バーモント州の「オーチャード:Orchard」という地域がリンゴの主な産地のようです。
バーモント州では,健康のためにリンゴ酢とはちみつを使った料理がよく食べられていて,実際に健康で長寿の州として有名だったそうです。
日本でも流行していたと言われる(私は知りませんが…。)バーモント州に伝わるリンゴ酢とはちみつを用いた「バーモント民間療法」は,1950年代〜1960年代にデフォレスト・クリントン・ジャービス:DeForest Clinton Jarvis博士の著書によって世界的に広められました。
現在のバーモント州で実際に収穫が盛んなのは,「りんご」と「メープルシロップ」だそうです。
なので,バーモント州とカレーの関係は全くなく,バーモント州と関係があるものは「りんご」だと言えます。
バーモント州には,高層ビルがないアメリカで唯一の州なのだそうです。
バーモント州最大の産業は観光業であり,豊かな自然を背景として,スキー,サイクリング,フィッシング,サマーキャンプ,りんご狩りなどに大勢の観光客が訪れるそうです。
特にスキーについては,西の「コロラド州」に対し,東の「バーモント州」なのだそうです。
ハーバード大学とバーモント大学
最後に,この2つの州「マサチューセッツ州」「バーモント州」の大学を紹介します。
「マサチューセッツ州の大学」と言えば,この大学とマサチューセッツ工科大学を思い浮かべる方が多いと思います。
「ハーバード大学」
「バーモント州の大学」と言われても私は思い浮かびませんが,周囲の環境も含めて美しさは1番と言われている大学があるそうです。
「バーモント大学」
1791年に創立され,ニューイングランド地方では5番目に歴史の長い大学(ハーバード大学,イェール大学,ダートマス大学,ブラウン大学に次いで)です。(ウィキペディアより)
キャンパスの周辺にはシャンプラン湖やアディロンダック,グリーン山脈があり,非常に緑に囲まれた大学です。
他の画像で確認しましたが,大学の校舎もハリーポッターの学校のようなとても風情があるものでした。
「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」の話
「ハーバード大学」で思いつく映画がこれです。
映画の舞台は,ハーバード大学ではなく「マサチューセッツ工科大学」です。
天才的な頭脳を持っている青年が,幼い時のトラウマで成功できずにくすぶった生活(同じ生活をしている友達はいる)をしていたところ,大学の廊下の黒板に書かれていた数学の問題を解いたことから,教授から才能を見出されて,自分の人生を模索していくという物語です。
なぜこの映画とハーバード大学を結び付けたかというと,主人公役の「マット・ディモン」がハーバード大学在学中にこの映画の脚本を執筆したという逸話があるからです。
この話を聞いたときは「はまり役だなあ」と感心したことを覚えています。
映画でも主人公の恋人役がハーバード大学の学生でした。
私がこの映画を気に入った一番の理由は,主人公の友だち役である「ベン・アフレック」が主人公の才能に気が付いていて,「俺たちといてはいけない。お前はもっと成功しなけりゃいけない。」と主人公を突き放す場面があるからです。
自分が生活する環境をしっかり理解していて,主人公の進むべき道を示し突き放すという設定にグッときます。
確かこんなセリフだったと記憶しています。
間違っていたらごめんなさい。
実際に見て確認してみてください。
「お前は宝くじに当たってそれをどぶに捨てているんだ。もし,お前が20年後も俺たちと一緒に工事現場で働いていたら,俺はお前をぶっ飛ばす!」
この友だち役のベン・アフレックは,マット・ディモンの本当の友達で,この映画の脚本は大学時代での2人の共同制作なのだそうです。
マット・ディモンが主人公の映画は,自分は割と好きな映画が多いです。
機会があれば他の映画も紹介できればと思っています。
また,自分の一番好きな俳優は「ウィレム・デフォー」です。
この方の映画もいつか紹介できたらと思っています。
このページの情報の主な提供元は,「State Symbols USA」です。
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