「アメリカの国立公園32選」の第8弾です。
前回から,太平洋地区にある国立公園を紹介しています。
今回は,デスバレー国立公園を紹介します。
オリジナルランキングにて,デスバレー国立公園は第13位でした。
前回,セコイア&キングスキャニオン国立公園を紹介しましたが,私のアメリカ旅行の計画では,ロサンゼルスを観光後,セコイア&キングスキャニオン国立公園を訪れ,次に,今回紹介するデスバレー国立公園を訪れる予定です。
そして,ラスベガス観光,グランドサークルという順になります。
それでは,紹介していきます。
デスバレー国立公園:Death Valley National Park(カリフォルニア州)
直訳すると「死の谷」となるデスバレー国立公園。
ここはどのような公園かというと,言えることは2つあると思います。
まずは,「土地が低い」ところ。
土地の高さを表すときに基準となる海水面と比べると,海水面よりもとても低い土地になります。
北米で最も低く,世界でも8番目の低さです。
最も低い場所では,海抜-85.5mになります。
同じ国立公園内には,標高1699mのところもあり,その差に驚きます。
ちなみに,「海抜」と「標高」の違いは,「海抜」は主に陸地の高さを表すときに使い,「標高」は主に山の高さを表すときに使うそうです。
2つともに,基準となるのは同じで,海水面からの高さになります。
そして,もう一つ言えることは,「とても暑い」ところ。
2018年の7月のデータで言うと,夜の最低気温も含めた平均気温が42.3度というとんでもない暑さを記録しています。
40度を超える暑さを私はインドのニューデリーで経験しています。
タクシーに乗り,エアコンが効いていないので,窓を開けて涼しい風に当たろうとすると,とんでもない事態になります。
熱風で,なおさら熱いのです。
高温のドライヤーに当たっている感じです。
これまでの世界最高気温は,このデスバレー国立公園で記録された56.67度です。
「土地が低く」「灼熱」・・・それがデスバレー国立公園です。
さらにもう一つ加えると,アメリカ最大の広さを持つ国立公園でもあります。
デスバレー国立公園は,13,650平方キロメートルあります。
ちなみに5位はグランドキャニオンで,4,926平方キロメートルです。
約3倍の広さ。
それでは,見どころを紹介していきます。
見どころ
アメリカ一の面積を誇るデスバレー国立公園ですから,観光するには丸一日を要します。
最初に訪れるべきところは,ビジターセンターです。
ファーニス・クリーク・ ビジターセンター:Furnace Creek Visitor Center
まずは,ここでいろいろな情報を入手します。
その日の気温はもちろん,突発的な雨にも注意が必要です。
何せ低い土地なので,ひとたび雨が降ると,すぐに水が溜まってしまう土地です。
進入禁止になるのはいいのですが,訪問中に洪水になるのは避けなければなりません。
博物館やレストハウス,土産物コーナーも充実しているようです。
デスバレー国立公園は,環境が環境なだけに入場ゲートに係員が常駐していません。
入場料金を支払う必要がある場合は,このファーニス・クリーク・ ビジターセンターで支払います。
バッドウォーター:Bad Water
ビジターセンターの後,最初に訪れるところは「バッド・ウォーター」です。
ビジターセンターがある通りは190号線ですが,そこから「バッドウォーター・ロード」に入ります。
バッドウォーター・ロードに入り,約25㎞程のところにあります。
バッドウォーターは,海抜-86mにある大塩原です。
何十万年も前は塩水湖だったそうです。
長い年月を経て,湖は干上がり,現在は塩水だまりのみが残っています。
北アメリカ大陸で最も海抜の低い地点にあり,一番気温が高くなる所でもあります。
バッドウォーターには,塩湖の中心へ向かう1.6㎞ほどのトレイルコースがあります。
真っ白な大地を歩きます。
炎天下では歩けませんから,午前中の一番最初に訪れる方が良いのです。
近くには「ダンテス・ビュー」というバッドウォーターを見下ろすビュー・ポイントがあるのですが,バッド・ウォーターから車で直では行けません。
ぐるりと回らないといけません。
なので,観光ルートとしては,ダンテス・ビューに行くのはもっと後になります。
ナチュラル・ブリッジ:Natural Bridge
バッドウォーター・ロードを5分ほど戻ると,「ナチュラル・ブリッジ・ロード:Natural Bridge road」が右手に見えてきます。
ナチュラル・ブリッジ・ロードは,2.4kmほどの未舗装の道路です。
レンタルする車の車種によって,行くかどうかを判断する必要があります。
未舗装ですから,車高が高い車の方が安全です。
この道路の先にあるのが,ナチュラル・ブリッジです。
駐車場があり,その駐車場から約800m歩くと到着です。
私たちの旅程は,この後,アーチーズ国立公園に行く計画なので,ここは見送ることになりそうです。
悪魔のゴルフコース:Devil’s Golf Course
バッドウォーター・ロードから左に折れる未舗装の道路を行くと,「悪魔のゴルフコース」に着きます。
塩の結晶と泥が混じり合い,固まり,でこぼこな地面になっているところです。
ここでは,悪魔しかゴルフができないということでこのネーミングになったそうです・・・。
向こうの山との比較で,とても不思議な風景です。
アーティストパレット:Artist Palette
アーティスト・パレットは,岩肌に含まれる鉱物がいろいろな色に光る様子が見られるところです。
「絵の具のパレット」のように見えるポイントなのですが,見え方によっては,微妙な時もあると思います。
バッドウォーター・ロードからアーティスト・ドライブに入ります。
この道は,北上への一方通行です。
だから,バッドウォーターからの方が都合が良いです。
ゴールデン・キャニオン:Golden Canyon
デソレーション・キャニオン:Desolation Canyon
2つのトレイルを一緒に紹介しています。
両方とも,むき出しの岩の間を進むトレイルです。
宇宙にある他の惑星を探検している気分になります。
それもそのはずで,スターウォーズのエピソード4と5にて,この2つのトレイルコースがロケ地になっています。
画像は,ゴールデン・キャニオン・トレイルの「レッドカセドラル:Red Cathedral」というところです。
出発地から往復4.8 kmのトレイルで,所要時間は1.5~2時間ほどです。
ゴールデン・キャニオン・トレイルは,この後紹介するザブリスキーポイントまでトレッキングできます。
その日の体調や天候に合わせて,多少歩くだけでも雰囲気が味わえ,満喫できるトレイルです。
ザブリスキー・ポイント:Zabriskie Point
バッドウォーター・ロードを抜けて,150号線に入り,ビジターセンターとは逆の方向に進みます。
すると,まず最初に,ザブリスキー・ポイントが見えてきます。
駐車場から展望台に上ると,金色に光る岩山が現れます。
約千万年前に湖の底に金色をした泥が沈殿し,それが隆起したのだそうです。
トゥエンティ・ミュール・チーム・キャニオン:Twenty Mule Team Canyon
150号線からトゥエンティ・ミュール・チーム・ロードに入ります。
そこは,トゥエンティ・ミュール・チーム・キャニオンで,車で通りながら,景色を楽しみます。
ここも,スターウォーズのエピソード4のロケに使われたところです。
ダンテズ・ビュー:Dante’s View
190号線からダンテズ・ビュー・ロードに入り,しばらく走ると展望台に到着します。
標高1669mの展望台からは,バッドウォーターの白い景色が広がっています。
正面には,デスバレー国立公園内で一番高い標高3368mのテレスコープ・ピークがそびえ立っています。
海抜-86mと標高3368mの差は,グランドキャニオンよりも大きいです。
悪魔のトウモロコシ畑:Devils Cornfield
これまで走っていた190号線を逆に行くと,まずは,悪魔のトウモロコシ畑という見どころがあります。
デビルズ・コーンフィールド(悪魔のトウモロコシ畑)という名前がついていますが,トウモロコシはどこにもありません。
「アロウウィード:Arroweweed」という人間ぐらいの高さの植物が成長します。
塩分が多い土地でも育つ植物なのだそうです。
規則的なようで不規則な間隔で生えています。
メスキート砂丘:Mesquite Flat Sand Dunes
悪魔のトウモロコシ畑の隣にあります。
公園内にある砂丘です。
かなり広く,一番高い場所まで行こうとすると片道約3㎞あります。
砂丘のため,駐車場までの帰り道をしっかりと覚えていないと,遭難することになります。
過去に死者も出ています。
ユービーヒービー・クレーター:Ubehebe Crater
190号線からスコッティーズ・キャッスル・ロードに入り,しばらく走ると,ユービーヒービー・クレーターの駐車場があります。
このクレーターは,隕石などの衝突ではなく,地球の活動で生まれたものです。
約300年前に溶岩が地下水と接触し,地下で水蒸気が爆発してできたクレーターです。
幅800m,深さ183mあります。
画像では見えませんが,よく見ると,一番底には,石でハートが描かれているそうです。
スコッティーズ城:Scotty’s Castle
スコッティーズ・キャッスル・ロードをさらに進むと,スコッティーズ城に到着します。
ここは,国立公園内のアルバート・ジョンソンという方の別荘です。
以前は,建物の中も見学できたそうですが,洪水被害のために現在は閉鎖中です。
2020年の再開を目指していましたが,間に合わず,今は2024年の再開を目指しているそうです。
なぜ,スコッティーズ城というかというと,元ウエスタンショーのスターであるウォルター・スコットが,この城がさも自分のものであるかのように吹聴していたため,このように呼ばれているそうです。
持ち主のアルバート・ジョンソンは保険業で財を成したそうですが,ちょっとかわいそうに思えます。
観光ルート
私たちの旅程は,ロサンゼルスから,まずは,セコイア&キングスキャニオン国立公園を観光し,そして,デスバレー国立公園を訪れる予定です。
デスバレー国立公園周辺のホテルに泊まり,朝早くに出発します。
190号線からデスバレー国立公園に入ります。
なので,下のような観光ルートになると思います。
メスキート砂丘<1時間>
↓
悪魔のトウモロコシ畑<15分>
↓
(ユービーヒービー・クレーター)
↓
(スコッティーズ城)
↓
ファーニス・クリーク・ ビジターセンター<30分>
↓
バッドウォーター<1時間>
↓
(ナチュラル・ブリッジ)
↓
悪魔のゴルフコース<30分>
↓
アーティストパレット<15分>
↓
デソレーション・キャニオン<30分>
↓
ゴールデン・キャニオン<30分>
↓
ザブリスキー・ポイント<30分>
↓
トゥエンティ・ミュール・チーム・キャニオン
↓
ダンテズ・ビュー<30分>
最初のメスキート砂丘から最後のダンテズ・ビューまでトータル約210㎞を車で走行します。
平均約40㎞で走行すると,単純に計算すると約5時間,車での移動に要することになります。
上記の<〇〇>はそのポイントでのおおまかな観光所要時間を表しています。
それらを合計すると約5時間になります。
( )のポイントは,余裕があれば行くということで時間に入れていません。
観光時間と移動時間を合わせると約10時間。
1日で廻るには,ちょっとしんどいと思います。
2日かけるのであれば,( )のポイントも含めて観光できます。
1日のみであれば,観光するポイントを減らすことを考えないといけないです。
どちらにしても,前日と当日の泊まるホテルはデスバレー国立公園周辺になります。
また,今回紹介している道路は通行可能だということを確認していますが,洪水の被害のために通行止めのところがけっこうあります。
公式HPで確認の上,訪れた方が良いです。
セコイア&キングスキャニオン国立公園からデスバレー国立公園に行くには,190号線を走ることになるのですが,その前に国道395号線を通ります。
この国道395号線は,別名「パノラマ街道」と呼ばれています。
訪れたい観光ポイントがいくつかあります。
パノラマ街道(国道395号線)の見どころ
シエラネバダ山脈の東側に国道395号線があります。
シェラネヴァダ山脈と並行して南北に延びるこの395号線は「パノラマ街道」と呼ばれていて,走りながらの眺望はとても素晴らしい絶景なのです。
また,数多くの見どころポイントがあります。
デスバレー国立公園に行くまでにこの395号線を通ることになるのですが,ちょうど,「裏キングスキャニオン」にあたります。
北にあるところは「裏ヨセミテ」と呼ばれるのですが,そこにある観光ポイントはヨセミテ国立公園を紹介する時に紹介します。
今回は,裏キングスキャニオンと呼ばれるところの見どころを紹介します。
アラバマ・ヒルズ:Alabama Hills
面白い形をした奇岩群があるポイントです。
石の種類は花崗岩のため,ちょっと丸みを帯びています。
アラバマ・ヒルズは,これまで数々の映画のロケ地になっています。
それらの映画は誰もが知っている映画ばかりです。
「アイアンマン」「ローンレンジャー」「スタートレック」・・・等々。
近くには,「西部劇映画博物館:Museum of Western Film History」があり,そこを見学すると,この周辺でどんな映画が撮影されたかが分かります。
マンザナー強制収容所:Manzanar National Historic Site
太平洋戦争時代に日系アメリカ人が収容されていた収容所跡地です。
1942年に1万人以上の日系人が土地や財産を奪われ,ここで不自由な生活を余儀なくされました。
ここでの生活や約4年間も続いたそうです。
まず,ビジターセンターで学んでから,約5㎞をドライブしながら,当時のバラックや慰霊碑,墓地,農園跡などを見縁覚します。
「裏キングスキャニオン」のエリアで,2つの見どころを紹介しました。
デスバレーに行く前にぜひとも寄りたいところです。
今回はこれで終わります。
次回もアメリカの国立公園32選を予定しています。
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