「アメリカの国立公園32選」の第16弾です。
今回は,ニューヨーク州にある「ナイアガラ・フォールズ州立公園」を紹介します。
オリジナルランキングにて,州立公園だけでなく,カナダも合わせた「ナイアガラの滝」として23位でした。
「アメリカの国立公園32選」なのですが,今回は,国立公園ではなく州立公園を紹介することになり,しかも,アメリカ側の「ナイアガラ・フォールズ州立公園」だけでなく,カナダ側の「クイーン・ビクトリア公園」も紹介します。
アメリカと言えば,「自由の女神」とともに思い浮かべるのが「ナイアガラの滝」だと思います。
日本の各地域の花火大会では,ほとんどが「ナイアガラの滝」という名称の演出がラストを飾るのではないでしょうか。
それほど,「ナイアガラの滝」という名前はよく知られています。
- ナイアガラの滝:Niagara Falls(アメリカ・ニューヨーク州,カナダ・オンタリオ州)
- ナイアガラ・フォールズ州立公園:Niagara Falls State Park(ニューヨーク州)
- 霧の乙女号:Maid of the Mist
- 風の洞窟:Cave of the Wind
- レインボーブリッジ:Rainbow Bridge
- ナイアガラの滝展望台:Niagara Observation Tower
- プロスペクト・ポイント:Prospect Point
- ルナ島:Luna Island
- テラピン・ポイント:Terrapin Point
- スリー・シスターズ・アイランズ:Three Sisters Islands
- クィーン・ビクトリア・パーク:Queen Victoria Park(カナダ・オンタリオ州)
- ホーンブロワー・ナイアガラクルーズ:Hornblower Niagara Cruises
- テーブルロック:Table Rock
- ジャーニー・ビハインド・ザ・クルーズ:Journey Behind the Falls
- ジップライン・トゥ・ザ・フォールズ:Zipline to the Falls
- ワールプール・エアロカー:Whirlpool Aero Car
- スカイロン・タワー:Skylon Tower
- クリフトン・ヒル:Clifton Hill
ナイアガラの滝:Niagara Falls(アメリカ・ニューヨーク州,カナダ・オンタリオ州)
ナイアガラの滝は,アメリカとカナダの国境の,五大湖のエリー湖からオンタリオ湖に流れるナイアガラ川のところにあります。
そのために,詳しく言うと,アメリカ側のナイアガラの滝とカナダ側のナイアガラの滝があります。
アメリカはニューヨーク州,カナダはオンタリオ州になりますが,都市名は,両方ともに「ナイアガラフォールズ市:Niagara Falls」です。
ナイアガラの滝は,世界三大瀑布の一つです。
他の二つは,まず,アルゼンチンとブラジルにまたがる世界最大の滝である「イグアスの滝:iguazu falls」です。
もう一つは,ジンバブエとザンビアにまたがる「ヴィクトリアの滝:Victoria Falls」です。
この二つは,熱帯雨林地帯にある滝のため,水が濁っています。
三大瀑布の中では,ナイアガラの滝が一番水がきれいで透明度があります。
さて,そんなナイアガラの滝ですが,ユネスコの世界遺産には登録されていません。
他の2つのイグアスの滝とヴィクトリアの滝は世界遺産に登録されているのに,ナイアガラの滝が登録されていないのには,理由があります。
一番大きな理由としては,流れる水量が本来のものではなく,コントロールされたものであることが挙げられます。
ナイアガラの滝は,南北戦争の頃には既に,観光名所として知られていて,また,古くから,新婚旅行の訪問地として名が知られていました。
しかし,昔のナイアガラの滝は,現在よりももっと下流にあり,流水による侵食によって今の位置まで移動しています。
どのくらい浸食していたかというと,年間1メートルずつ上流へ移動していたそうです。
このまま浸食が進むと将来的に滝がなくなる可能性があるため,流れる水の量をコントロールするようになりました。
現在では,水のコントロールのため,年間3センチ程度の浸食に抑えられています。
どのように,流れる水をコントロールしているかというと,ダムによってです。
そこに,水力発電所にをつくり,カナダとアメリカの電力供給に活用されています。
夜になるとナイアガラの滝はライトアップされますが,そこで使われている電気は水力発電所の電力が活用されています。
世界遺産登録の条件として,産業開発などに関わらず,自然本来の形でなければならないという点があります。
「ナイアガラの滝は,人工で水がコントロールされていて,水を水力発電に利用している」という点が世界遺産に登録されない理由です。
次に,アメリカに限ったことですが,こんなに有名なナイアガラの滝がなぜ,国立公園ではなく,州立公園なのかの理由です。
州立公園の理由は,地元の組織やコミュニティ,政府の意向が影響していると言われています。
ナイアガラの滝周辺の地域に限って言えば,州立公園としての管理が,地元の利益や観光産業に適しているのだと言えます。
カナダ側のナイアガラの滝は,「クィーン・ビクトリア・パーク:Queen Victoria Park」というカナダの国立公園です。
ナイアガラ・フォールズ州立公園:Niagara Falls State Park(ニューヨーク州)
ナイアガラ・フォールズ州立公園は,アメリカで最も古い州立公園です。
1963年に国定歴史建造物となりました。
ナイアガラ・フォールズ州立公園には,「アメリカ滝」「ブライダルベール滝」「カナダ滝」の一部があります。
「アメリカ滝:American Falls」
ナイアガラ川の中央に「ゴート島:Goat Island」があります。
川下から見て,左側に流れる水が,アメリカ滝になります。
アメリカ滝では,これまでに多量の岩石が落下しており,滝の下のところに岩がたまっています。
最近に見られた岩石落下の最後は,1954年になります。
降り積もった岩石の調査のため,1969年の約半年間,水の流れを止めたときがあります。
調査後,岩石の除去を行わず,自然のまま手を加えないことが決められました。
今後は,流れる水の量を制限しているため,岩石が落ちることはほぼないと思います。
「ブライダルベール滝:Bridal Veil Falls」
ゴート島によって,アメリカ滝とカナダ滝に分けられ,そのアメリカ滝の方が,さらに「ルナ島:Luna Island」という小島によって,アメリカ滝とブライダルベール滝に分けられます。
一目見ると,アメリカ滝の一部に見えますが,川下から見て,一番右のところにブライダルベール滝があります。
他の2つの滝と比べると,川幅はたった15mしかありません。
「風の洞窟:Cave of the Wind」という歩道から滝の下まで行くことができます。
また,ゴート島とルナ島は歩道橋で結ばれており,ルナ島の端から,ブライダルベール滝とアメリカ滝の流れを見下ろすことができます。
「カナダ滝:Horseshoe Falls,Canadian Falls」
カナダ滝は,カナダ側にあることからこのように呼ばれますが,馬蹄の形をしていることから「ホースシュー・フォールズ:Horseshoe Falls」とも呼ばれています。
滝壺の深さは,滝の高さよりも高く,およそ56mあります。
三つあるナイアガラの滝の中でカナダ滝が最も大きく,ナイアガラ川の流れる水量の90%がカナダ滝に流れています。
カナダ滝は,その水量から大きな水煙が上がるため,滝の景観を遮ることがしばしばあります。
カナダ側からは,カナダ滝の正面の景色を見ることができ,アメリカ側からは,カナダ滝の横からの景色を見ることになります。
次からは,アメリカ側の見どころを紹介します。
霧の乙女号:Maid of the Mist
アメリカ側から出航しているクルーズです。
ホースシュー・フォールズの滝壺まで行き,下から滝を楽しめます。
アメリカ側からのクルーズは,青色のレインコートを着ています。
所要時間は約20分です。
HPでは,4月から11月までの営業のようです。
風の洞窟:Cave of the Wind
ゴート島にある風の洞窟は,ブライダルベール滝の正面まで行くことができる階段です。
雨具をもらい,完全防備で滝の落下地点まで行き,そこから階段を上って,滝の正面まで行きます。
所要時間は,約30分です。
レインボーブリッジ:Rainbow Bridge
アメリカとカナダの国境を歩いて横断できる橋です。
橋のちょうど真ん中が国境になっています。
アメリカからカナダに行くときはここを通ります。
国境を越えるのですから,パスポートや出入国カードの記入などが必要です。
ナイアガラの滝展望台:Niagara Observation Tower
レインボーブリッジの横にあるタワー型の展望台です。
有料なのですが,夜は無料で開放されていて,花火やイルミネーションを見るためのおすすめのポイントになります。
霧の乙女号の出発地点でもあります。
ナイアガラの滝展望台公式HP(ナイアガラフォールズ州立公園局内)
プロスペクト・ポイント:Prospect Point
プロスペクト・ポイントは,ナイアガラの滝展望台の横にある広場です。
この広場からは,アメリカ滝とカナダ滝を一緒に見ることができます。
画像のように,アメリカ滝のすぐ横から見るのと,その向こうにカナダ滝を見るという景色になります。
アメリカ側にいるのならば,必ず行っておきたいところです。
ルナ島:Luna Island
ルナ島は,ブライダルベール滝とアメリカン滝の間にある小さな島です。
島自体が,素晴らしい展望台であり,滝を上から見るのに最も素晴らしいスポットの 1 つです。
滝のすぐ近くにいることのできるところです。
テラピン・ポイント:Terrapin Point
ゴート島にある「カナダ滝」をアメリカ側から見られるポイントです。
カナダ側からとはまた違った迫力があります。
このポイントからだと晴れていれば,まず虹が見られると思って間違いないです。
スリー・シスターズ・アイランズ:Three Sisters Islands
小さな島が3つあり,それぞれに橋がかかっています。
雄大なナイアガラ川の真ん中に遊歩道があります。
ナイアガラ川のあまりにも速い水の流れを確認しながらのウォーキングになります。
クィーン・ビクトリア・パーク:Queen Victoria Park(カナダ・オンタリオ州)
ここは,「アメリカの国立公園32選」の紹介ページなので,アメリカ側だけで良いのですが,「ナイアガラの滝」を紹介する場合,カナダ側の紹介は欠かせないと思いますので,カナダ側も紹介します。
カナダ側にあるナイアガラの滝は,「カナダ滝:Horseshoe Falls of Canada」の半分になります。
しかし,カナダ側にある「クィーン・ビクトリア・パーク:Queen Victoria Park」からは,3つの滝の全てを正面から見ることができます。
また,公園の後方には,ホテルが建ち並んでおり,ホテルから滝の景色を楽しむことができます。
以下,カナダ側の見どころを紹介します。
ホーンブロワー・ナイアガラクルーズ:Hornblower Niagara Cruises
カナダ側から出航しているクルーズです。
ホースシュー・フォールズの滝壺まで行き,下から滝を楽しめます。
アメリカ側からの霧の乙女号と同じコースですが,アメリカ側の青色に対して,カナダ側は赤色のレインコートを着ています。
所要時間はアメリカ側と同じく,約20分です。
それと,もう一つの違いは,カナダ側は夜のクルーズもしています。
「フォールズ・ファイヤーワークス・クルーズ:Falls Fireworks Cruise」です。
ナイアガラの滝で毎日開催されているイルミネーションと花火を船の上から楽しめます。
船内には,バーが併設され,ドリンクや音楽も楽しめます。
所要時間は約40分です。
テーブルロック:Table Rock
カナダ滝の横にあるポイントです。
アメリカ側のテラピン・ポイントの反対側から見るポイントです。
ジャーニー・ビハインド・ザ・クルーズ:Journey Behind the Falls
雨具を着て,エレベーターで下に降りると,トンネルがあり,そのトンネルを抜けると,カナダ滝を真横から見ることができます。
滝に一番近づけるアトラクションです。
さらに,トンエルを進むと,なんと,滝の裏側に行くことができます。
所要時間は約30分です。
ジップライン・トゥ・ザ・フォールズ:Zipline to the Falls
ナイアガラの滝を見ながら,ジップラインを楽しむことができます。
高さ64mからカナダ滝の滝壺に向かって滑っていきます。
所要時間は,混んでいなければ約30分です。
ワールプール・エアロカー:Whirlpool Aero Car
ナイアガラの滝からはかなり下流にあるのですが,ゴンドラに乗って,巨大な渦潮を見ることができます。
全長約1kmのゴンドラです。
秋には,紅葉も楽しめます。
所要時間は約10分です。
スカイロン・タワー:Skylon Tower
高さ236mの展望台から,ナイアガラの滝を一望できます。
展望デッキになっているため,滝だけでなく,360度の展望を楽しめます。
レストランもあり,予約をすれば,ナイアガラの滝を見ながらのディナーも楽しめます。
レストランで食事をすれば,展望デッキへの入場料が無料になるようです。
クリフトン・ヒル:Clifton Hill
カナダ側には,クリフトンヒルという繁華街があります。
お化け屋敷や映画館,観覧車,ゴーカートなどいろいろなアトラクションがあります。
観覧車からは,ナイアガラの滝の景色が楽しめます。
私たちは,90日間の長期アメリカ旅行の2回目のルートで,ナイアガラの滝を訪れる予定です。
アメリカ側だけの観光になるのか,カナダ側にも訪れるのかは,旅行前に決定しようと思います。
今回はここまでです。
次回も,アメリカの国立公園32選を予定しています。
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