「アメリカの国立公園32選」の第3弾です。
グランド・キャニオン国立公園を筆頭に,まずは「グランドサークル:Grand Circle」と呼ばれるエリアのものを紹介しています。
今回は,ユタ州南部にある「ブライス・キャニオン国立公園: Bryce Canyon National Park」を紹介します。
オリジナルのランキングでは,第8位の国立公園です。
ブライス・キャニオン国立公園: Bryce Canyon National Park(ユタ州)
ブライス・キャニオン国立公園は,ザイオン国立公園に近いところにあるのですが,ザイオンとはまた違う峡谷の光景が広がっています。
地層で言うと,ザイオン・キャニオンよりも新しい地層のために違いがはっきりと出ているのだそうです。
川の浸食で層の弱いところが崩れ,さらに雨で崖を削ることで,細長い突き出た塔のようなものができるのだそうです。
その塔のことを「フィン」と言います。
そのフィンがさらに削られて,画像のような先が膨らんだ塔のような形になるのだそうです。
「フードゥー:Hoodoo」と呼びます。
「Hoodoo」という言葉は,アメリカ先住民の南パイユート族の言語で「恐怖:ウードゥー:uuuudooo」が由来となっているそうです。
長い年月が経てば,これらのフードゥーは消えてなくなるのだそうです。
ブライス・キャニオンは,道路に沿って縦に長い国立公園です。
北の方にエントランスがあり,道路を南に進めば,やがて,行き止まりになります。
主な見どころは,エントランスやビジターセンターのある北部にあります。
ビジターセンターから無料のシャトルバスが出ています。
2ルートあり,一つは,北部を中心に廻るシャトルバスです。
もう一つは,南部の行き止まりまで行くシャトルバスです。
こちらのシャトルバスは無料ですが,予約が必要です。
シャトルバスが出ていますが,自家用車でも行くことができます。
しかし,どのビューポイントも駐車場が狭く,すぐに満車になるそうです。
主なビューポイント紹介
サンライズ・ポイント:Sunrise Point
トレイルの始点から,わずか5分程度でビューポイントに着きます。
岩が積み重なり,円形劇場のような光景です。
サンライズ・ポイントは名前の通り,綺麗な朝日が見られるビューポイントです。
朝日に照らされた石柱群が美しく,幻想的な光景が見られます。
サンセット・ポイント:Sunset Point
サンセットポイントは,夕日の景観が美しく見られるビューポイントです。
太陽の傾き具合により,岩肌の色が変化していく光景が見られます。
画像は,朝日ですが…。
インスピレーション・ポイント:Inspiration Point
公園内で一番大きな円形劇場です。
数多くのフードゥーと色の違うカラフルな層を見下ろすことができます。
もう少し南に歩くと,「アッパー・インスピレーション・ポイント:Upper Inspiration Point」があります。
ブライス・ポイント:Bryce Point
最も標高の高い2,530m にある一番人気のビューポイントです。
朝日の景観が美しいことでも知られ,太陽が昇ると火のようにオレンジ色の光が広がります。
これらの4つは北部のエリアにあるビューポイントで,代表的なものです。
もう一つ北部にあるポイントを紹介します。
フェアリーランド・ポイント:Fairyland Point
「沈みゆく船:Sinking Ship」という岩壁があることで知られているポイントです。
レインボー・ポイント:Rainbow Point
南部のエリアにあるビューポイントです。
一番突き当りにあります。
ここに来るまでの道路沿いのいくつかのビューポイントも時間に余裕があれば寄ってみてもよいと思います。
ここからの光景は,ずっと続く絶壁が見ものです。
ヨビンパ・ポイント:Yovimpa Point
同じく南部のエリアにあるビューポイントです。
道路を挟んで,レインボー・ポイントの反対にあります。
レインボーポイントの逆の方の岩壁が見渡せます。
主なハイキングコース紹介
ブライスキャニオンには,初級・中級・上級者向けに合わせて15のトレイルコースがあります。
それらのコースは途中でつながっているため,いろいろな組み合わせができます。
景色を上から見下ろすだけでなく,歩いて渓谷を下ることでフードゥーを間近に感じます。
ナバホ・ループ・トレイル:Navajo Loop Trail
ブライス・キャニオンに来たならば,必ず歩かなければならないトレイルです。
そのぐらい大人気です。
人気なのは,変化に富んだ見どころが多いからです。
狭い谷底に高いもみの木が並ぶ「ウォールストリート」,3つのフードゥーが並ぶ「スリー・シスターズ」,北欧神話の雷神「トールのハンマー」などの見どころがあります。
ぐるりと回って,2.2㎞,標高差167m,約1時間で歩くことができます。
「ウォール・ストリート:Wall Street」は2006年の崖崩れ以来,通ることができなくなっています。
ブライスキャニオンのトレイルコースの良いところは,いろいろとルートを組み合わせられるところと言いました。
ナバホ・ループ・トレイルも組み合わせが可能です。
2.2㎞,約1時間のトレッキングがまだ物足りない場合は,次に紹介するトレイルと組み合わせるトレイルがあり,どちらかと言うと,この組み合わせのトレッキングの方が人気です。
クイーンズ・ガーデン・トレイル:Queen’s Garden Trail
片道2.6km,高低差178m,約1時間のトレッキングルートです。
このルートを最後までトレッキングして,折り返すことは稀です。
最後まで歩いたならば,ナバホ・ループ・トレイルと組み合わせます。
「ナバホ・ループ&クイーンズ・ガーデン・トレイル:Navajo Loop & Queen’s Garden Trail」と言います。
約5㎞のトレイルですが,車を駐車した始点まで歩く場合は,約300mほど増えます。
折り返す場合は,「クイーンズ・ガーデン・ベンチマーク:Queens Garden Benchmark」までの方が多いです。
片道1.4㎞になります。
ピーカブー・ループ・トレイル:Peekaboo Loop Trail
グーグルマップでおわかりの通り,ピーカブー・ループ・トレイルは,始点が道路沿いにはありません。
このトレイルに行くには,まずは違うトレッキングルートを歩きます。
このルートへの行き方は2通りあります。
ナバホ・ループ・トレイルを通って,ピーカブー・ループ・トレイルに入るか,車でブライス・ポイントまで行って,そこから歩いてピーカブー・ループ・トレイルに入るかのどちらかになります。
ピーカブー・ループ・トレイル自体は,勾配の激しい上級者向けのトレイルですが,ブライスキャニオンの中で最も美しい景色を楽しめます。
ピーカブー・ループ・トレイルを周回すると,約5㎞,標高差200m,所要時間約3時間になります。
それにここに来るまでのルートも合わせると,約4時間を要します。
観光モデルコース紹介
ラスベガスからの日帰り観光の場合は,以下のコースが良いと観光案内所が推奨しています。(実際には4時間以内の観光の場合の推奨コース)
まずは,ブライス・ポイントとインスピレーション・ポイントを見学
次に,自分の体力合わせて,サンセット・ポイント~サンライズ・ポイントのリム・トレイル(1.6㎞)をトレッキングするか,ナバホ・ループ&クイーンズ・ガーデン・トレイル(4.8㎞)をトレッキングする。
私たちは,2日間の観光を計画しています。
実際には「ウェーブ」のWeb抽選をしながらの観光になると思われます。
1日目
車で廻れるあらゆるビューポイントに行きます。
時間に余裕があれば,この後に紹介するサンセット・キャンプ場までプレーリードッグを探しに行くかもしれません。
2日目
ナバホ・ループ&クイーンズ・ガーデン・トレイルをトレッキングします。
ユタ・プレーリードッグ:Utah Prairie Dog
ブライス・キャニオンには,高い確率で出会える動物がいます。
ユタ・プレーリードッグです。
ユタ・プレーリードッグはアメリカのユタ州にしかいないプレーリードッグです。
草原に穴を掘って巣穴をつくり,群れで生活します。
体長は,30~40cm,体重800~1200g。
一夫多妻制で家族を形成しており,仲間意識がとても強い動物です。
地下に直径10~15cmのトンネルを作り,複雑な構造の家を作って生活しています。
プレーリードッグは,天敵が近づくと,甲高い声をあげて仲間に危険を知らせます。
縄張り意識がとても強く,敵が迫ると,尻の臭腺から臭いを出し威嚇します。
ブライス・キャニオン国立公園内のいたるところにいるわけではなく,住処は限られています。
ビジターセンターからサンセット・キャンプグランドに向かって広がる草原のところです。
8月などの夏にはかなりの確率で見られると思いますが,秋になると,ここは標高が高く,早くに冬眠に入る可能性が高く,出会えないかもしれないということです。
ユタ州道12号線:Utah’s Scenic Byway 12
シーニック・バイウェイとは,「All National Scenic Byways and All-American Roads」と呼ばれる景観性や歴史性に優れているドライブコースを指定するものです。
1989年に成立した「シーニックバイウェイ法」によって決められています。
現在,150ルートのナショナルシーニックバイウェイと37ルートのオールアメリカンロードが指定されています。
その中でも,最も景色の素晴らしいドライブコースと言われるのが,シーニック・バイウェイ12ことユタ州道12号線です。
約200㎞の指定された道路は,ブライスキャニオン国立公園からキャピタルリーフ国立公園までを結んでいます。
言葉にできないほど雄大な自然美を堪能できます。
交通量は極めて少なく,長距離を走っても全く他の車を見かけないこともあります。
ブライスキャニオンまで車で来て,時間に余裕があるのであれば,是非,走ってみたいドライブコースです。
今回はここまでです。
次回も「アメリカの国立公園32選!」をお送りします。
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