アメリカにある博物館を32に絞って紹介をしています。
今回はその第3弾です。
まずは,ここで紹介する博物館の対象は以下の通りです。
○歴史にちなんだ施設
○観光名所にある施設
○「もの」を収集した施設
今回,32選をするにあたって独自にランキングをつけました。
順位についてはこのページをご覧ください。
アメリカの博物館32選!【アメリカ自然史博物館】 mohamoha78
最初は,3回に分けてニューヨークにある博物館を紹介しています。
1回目に,ランキング1位だった「アメリカ自然史博物館」を紹介しました。
2回目に,ランキング4位だった「自由の女神博物館」を紹介しました。
3回目である今回は,ランキング7位の「ナショナル・セプテンバー11・メモリアル & ミュージアム」を紹介します。
ナショナル・セプテンバー11・メモリアル & ミュージアム:National September 11 Memorial & Museum(ニューヨーク州ニューヨーク)
「ナショナル・セプテンバー11・メモリアル & ミュージアム」は,2001年9月11日に起きた「アメリカ同時多発テロ事件」についての博物館で,2014年5月にオープンしました。
当初は,崩壊した「ワールドトレードセンター(ツイン・タワー)」の跡地は,爆心地を意味する「グラウンド・ゼロ」と名付けられました。
その後,ツインタワーの敷地を「ワールド・トレード・センター・サイト」として,その敷地にメモリアルとミュージアムの建設が予定されます。
そして,テロから10年後の2011年9月11日にメモリアルが公開されました。
メモリアルには,かつてのワールド・トレード・センターの二つのビルが建っていたところに,2つのプールがあります。
そして,2014年5月にミュージアムが開館しました。
他にも,下の図のオレンジ色のビルディングなどがあります。(建設中を含む)
1 ワールドトレードセンター:2014年完成。541m、104階建て。
2 ワールドトレードセンター:2024年完成予定。411m、79階建て。
3 ワールドトレードセンター:2018年完成。378m、71階建て。
4 ワールドトレードセンター:2013年完成。297m、64階建て。
5 ワールドトレードセンター:2028年完成予定。226m、42階建て。
7 ワールドトレードセンター:2006年完成。高さ226m、52階建て。
ナショナル・セプテンバー11メモリアル&ミュージアム:2011年9月11日博物館オープン。
↑情報はワン・ワールド・トレードセンター(ウィキペディア)より
911メモリアル(NORTH POOL,SOUTH POOL)
911メモリアルは,毎日,午前10時から午後5時まで開場しています。
エリアの角に入り口があり,無料ですが,手荷物検査があります。
メモリアルには,「NORTH POOL」と「SOUTH POOL」の2つのプールがあり,その2つのプールの周りには,同時多発テロで犠牲となった方の名前が刻まれています。
「NORTH POOL」
・ワールドトレードセンター北館で亡くなられた1470名
・ハイジャックされた11便で亡くなられた87名
・1993年2月26日に起きたワールドトレードセンターでの爆破テロにより亡くなられた6名
「SOUTH POOL」
・消防隊,救急隊など初期に対応していて亡くなられた441名
・ワールドトレードセンター南館で亡くなられた694名
・ハイジャックされた93便で亡くなられた40名
・ハイジャックされた77便で亡くなられた59名
・ペンタゴンで亡くなられた125名
・ハイジャックされた175便で亡くなられた60名
この木は「生き残った木:the Survivor Tree」として知られています。
「SOUTH POOL」の左側にあります。
2001年10月に復旧作業員がグラウンド・ゼロで深刻な損傷を受けた木を発見しました。
ニューヨーク市公園レクリエーション局の職員は,それを敷地から撤去し,ブロンクスのヴァンコートランドパークにて,回復を待ちます。
高さ8フィートだった木は,健康に取り戻し,育てられ,約30フィートの高さに成長しました。
その木は「callery pear tree」という種類で,他の400本以上の白いオークの木と一緒にプールの周りで現在も育っています。
911ミュージアム
上記の地図で確認できるのですが,メモリアルのエリアの中で,ノース・プールとサウス・プールの間にあるのが「911ミュージアム」です。
開場時間は,木曜日から月曜日の午前10時から午後5時までです。(午後3時半が最終入場)
入り口に窓口があり,チケットを購入します。
7歳以上から有料です。
月曜日の午後3時30分から午後5時までの入場は無料になります。
無料チケットは一人4枚までで,数量に制限があります。
月曜日当日の午前7時から予約が可能です。
開場時間については,以前は日~木9:00~20:00,金土9:00~21:00だったので,今後も変更される可能性があります。
現在,早朝アクセス・ガイドツアーがあり(9:00~10:00),一般に公開される前に行われます。
事前にオンラインでチケット予約をした方や「ニューヨーク・パス」「ニューヨーク・シティパス」利用の方はそのまま入場します。
オンラインで予約したチケットは時間枠が決まっています。
「NY・パス」「NY・シティパス」は時間が決められていないので,何時でも入場可能です。
館内では,有料の約1時間のガイド・ツアーがあります(英語のみ)。
オンラインや窓口での予約が必要です。
日本語対応のガイドをしてくれる公式アプリ「9/11 Museum Audio Guide」があります。
館内でWi-Fiを利用できますが,イヤホンなしでのアプリ利用は禁止されているようです。
イヤホンは,インフォメーションデスクで購入可能です。
入場の際には手荷物チェックがあります。
カメラは個人利用での撮影のみ許されますが,フラッシュは禁止されています(撮影禁止のエリアがあります)。
館内でのスケッチは鉛筆のみ使用可能で,ボールペンやペイント用具などは使用禁止です。
見学できるフロアーは,地上の1階と2階,地下の1階と2階と4階になっています。
L-1(1階)Entrance hall:エントランス・ホール
L-2(2階)Atrium Terrace:アトリウム・テラス
アトリウム・テラスには,「Audiorium:オーディオリウム」があり,動画が30分ごとに上映されています。
C-1(地下1階)C-2(地下2階)Concourse Lobby:コンコース・ロビー
ツアーデスクやインフォメーションデスク,ミュージアム・ストアなどがあります。
C-4(地下4階)EXHIBITIONS AND EDUCATION CENTER:イキシビジョン・エドュケーション・センター
いろいろなブースに分かれていて,いろいろな展示品があります。
「In Memoriam」「September 11, 2001」「Rebirth at Ground Zero」ではカメラなどの撮影は禁止されているようです。
展示品の紹介
壁面に大きく書かれた文は,ローマの詩人,ウェルギリウスの言葉だそうです。
「NO DAY SHALL YOU FROM THE MEMORY OF TIME」
「どんな日もあなたを時の記憶から消すことはないでしょう」
それぞれのアルファベットは,ビルの瓦礫の鉄鋼を溶かして制作したそうです。
画面の中央に立つ鉄柱は,撤去作業の最後まで残ったビルの鉄柱だそうで,「ラスト・コラム(最後の柱)」と呼ばれているそうです。
向かって左側の壁は,「スラリー・ウォール」と呼ばれるツイン・タワーの地下にあった基礎で,この壁によってハドソン川からの水を受け止めていたそうです。
もし,この基礎をも破壊されていたら,ハドソン川から大量の水がマンハッタンに流れ込むことになったそうです。
救助のために,ツイン・タワーの近くに停車されていた消防車は,倒壊により,このように破壊されました。
エスカレーターに挟まれたこの階段は,「生還の階段」と呼ばれているそうです。
ツイン・タワーと屋外をつないでいた階段で,この階段を通って屋外に逃げた多くの人の命を助けることになりました。
この階段を通らずに,屋外に出られなかった人々の多くは,ビルの倒壊により犠牲になりました。
他にも,被害者の遺品や行方不明者を探す張り紙など,当時の状況を伝える品々が展示されています。
オサマ・ビン・ラディンが隠れていたパキスタンの家のレンガも展示されています。
他にも,テロを起こした犯人たちが空港のゲートを通過するところの映像やアルカイダに関する説明などもあります。
ワン・ワールド・トレードセンター
ツイン・タワー倒壊後,その跡地(グラウンド・ゼロ)に建てられたビルの中で,一番高いビルが「ワン・ワールド・トレードセンター:One World Trade Center」です。
アメリカで一番高く,世界で6番目に高いビルになります。
2009年に最初のテナントが入り,名前を「フリーダム・タワー」から現在の「ワン・ワールド・トレードセンター」に改名され,2014年に一般にもオープンになりました。
2015年には展望台がオープンされました。
ワン・ワールド・トレードセンターは,食事,ショッピング,ホテル(宿泊),アート鑑賞などの複合施設なので,誰でも自由に出入りできますが,展望台は有料になります。
ワンワールド展望台には2種類のチケットがあります。
ジェネラル・アドミッション・チケット
観覧する時間を指定するチケットです。
展望台に行きたい時刻がはっきりしている場合に選択します。
フレックス・チケット
時間を指定しないチケットで,いつ訪れても優先入場となります。
計画がまだはっきりしない,あるいは天候を考慮に入れたい場合に選択します。
ジェネラル・アドミッション・チケットよりも料金が高くなります。
優先入場権の他に,デジタル・スカイライン・ガイド(街中をガイドしてくれるiPad),ドリンクまたはギフトショップで使えるバウチャーが付きます。
デジタル・スカイライン・ガイド
街中をガイドしてくれるiPadです。
窓から窓へ移動するたびにiPadのスクリーンも移動し,解説を聴くことができます。
100階にはビデオなどを観ることができる2つのインタラクティブ・ステーションやギフトショップがあり,101階にはレストランがあります。
102階が「ワン・ワールド・トレードセンター・オブザベイトリー:One World Trade Center Observatory」という展望デッキになります。
エレベーターは「スカイポッド」と呼ばれ,約1分かけて102階まで昇っていくのですが,乗っている間にもいろいろと楽しめる仕掛けがあるようです。
画像の手前の建物は,ワールド・トレード・パス・ステーションという地下鉄の駅です。
上記の地図では「Transportation Hub」と書かれている,2ワールド・トレードセンターと3ワールド・トレードセンターの間にあります。
テロ前もその場所には駅があったのですが,破壊されたため,使えなくなりました。
グラウンド・ゼロの後,鉄道施設は修復され,2003年に操業を開始しました。
その後,2016年に「ワールド・トレード・パス・ステーション」として,新しく建物がオープンになりました。
ワールド・トレード・パス・ステーションは,ワールド・トレード・センター複合施設の様々なタワービルの地下を走るコンコースとつながっています。
画像を見ると,とても素敵な空間ですね。
World Trade Center (PATH-Station)(Wikipedia)
今回は以上です。
今回のページで参考にしたHPは,それぞれの項で紹介した公式HPやウィキペディアです。
次回ですが,ニューヨークにある博物館紹介の4ページ目になります。
「ニューヨーク公共図書館本館」を紹介します。
コメント