アメリカにある博物館を32に絞って紹介をしています。
今回はその第6弾です。
独自ランキングで32の博物館を選び,前回から,それらの中のワシントンD.C.にある博物館を紹介しています。
前回はスミソニアン国立航空宇宙博物館を紹介しました。
今回は,スミソニアン国立自然史博物館とリンカーン記念館を紹介します。
2つとも「ナショナル・モール:The Mall」というところにあります。
モールには「スミソニアン博物館:Smithsonian Institution」と呼ばれる博物館が多数あります。
前回,紹介したスミソニアン国立航空宇宙博物館はナショナル・ギャラリーの前にあり,今回紹介するスミソニアン国立自然史博物館は彫刻の庭を挟んで,ナショナル・ギャラリーの隣にあります。
ナショナル・モールの一番端に「リンカーン記念館」があります。
リンカーン記念館の向こうは,川になっています。
スミソニアン国立自然史博物館:Smithsonian National Museum of Natural History(ワシントンD.C.)
いくつもあるスミソニアン博物館の中でも,国立航空宇宙博物館に続き2番目の人気となっている国立自然史博物館です。
自分は見たことはないのですが,映画「ナイトミュージアム2」の舞台となっているそうです。
動物、化石、鉱石、岩石、隕石の標本など総数にしておよそ1億2千5百万個を超えるコレクションがあり,これはスミソニアン全体の約9割を占めるといわれています。
正面玄関から入るとまずはエントランスホールがあり,巨大なアフリカ象のはく製が迎えてくれます。
当時の世界最大級の象だったそうで,象牙は重すぎてバランスがとれなかったため,別の像のものに付け替えたそうです。
さて,国立自然史博物館の見どころを紹介します。
最初に,自然史博物館ということでニューヨークにある「アメリカ自然史博物館」と比較してみたいと思います。
人気としてはニューヨークのアメリカ自然史博物館の方が高いと思います。
私の今回の「アメリカの博物館32選!」でも1位はアメリカ自然史博物館で,ワシントンD.C.の国立自然史博物館は第3位にランキングしています。
有料のアメリカ自然史博物館に対し,スミソニアンの博物館群は全て無料なので,甲乙つけがたいと言えます。
乱暴に言えば,恐竜の骨格標本の凄さが際立っているのが「アメリカ自然史博物館」で,動物の剥製の展示が凄いのが「スミソニアン国立自然史博物館」だと個人的には思います。
館内には2014年からの改装工事が終わり,2019年から展示再開したところがあり,画像とは違う展示の仕方がされているところもあるかもしれません。
見どころ① 動物(哺乳類)のはく製の展示
世界中の哺乳類のはく製が自然界にそのまま生息しているように,リアルに展示されています。
中には,現在,狩猟が禁じられている動物も展示されています。
展示物の中には第26代大統領セオドア・ルーズベルトが収集したものも含まれているそうです。
セオドア・ルーズベルトは,確かアメリカ自然史博物館にも父子に渡って寄付していると記憶しているので,そうとう,狩りが好きだったのではないかと推測できます。
同じ階には,海の生物のコーナーや恐竜の骨格標本のコーナーもあります。
画像のホールでは,セミクジラの骨格標本の横に実物と同じ模型があります。
恐竜の骨格標本や化石の展示は2019年にリニューアルされており,以前に比べ,趣向を凝らした展示がなされているようです。
画像は以前の展示ですが,アメリカ自然史博物館と比べても引けを取らないと個人的には思います。
見どころ② 付加価値のある宝石類
スミソニアン国立自然史博物館には,歴史的に名高い宝石がいくつもあります。
まず最初に挙げるのは,「ホープ・ダイヤモンド」です。
世界を代表するダイヤモンドは数あれど,ホープダイヤモンドが有名なのは,持ち主が不幸になるという「呪いのダイヤ」だからです。
眉唾ものですが,言い伝われていることは次のようなことです。
「インド・デカン高原のヒンズー教の寺院に女神シータの彫像があり,その2つの目に嵌められていたのがダイヤモンドだった。2つのうちの1つが盗まれ,それに気づいた僧侶が持ち主に呪いをかけた。」
ここからは事実のみを書きます。
このホープダイヤモンドは,これまでいろいろな人に所有されているのですが,もともとは「ブルーダイヤモンド」と言われていました。
かつて,宝石商であるヘンリー・フィリップ・ホープのコレクションだったために現在は「ホープダイヤモンド」と名付けられています。
ブルーダイヤモンドと呼ばれていた時にフランスのルイ14世が所有しています。
ルイ14世が購入した時には112.50カラットの大きさだったのですが,ルイ14世はハート型にカットしてしまい,69.04カラットになってしまいます。
現在展示されているホープダイヤモンドの大きさは,44.52カラットだそうです。
ルイ14世がカットした後に,再度,いつカットされたかは分かっていないようです。
ルイ14世がカットさせた前後で大きさが約半分になった為,「本当はもう1個あるのではないか」との噂もあるそうです。
最後の個人所有者である宝石商のハリー・ウィンストンがスミソニアンに寄付したため,現在はスミソニアン国立自然史博物館で展示されています。
展示されているホープダイヤモンドは,周りに16個,鎖に45個のダイヤをはめ込んだ白金製のペンダントになっています。
博物館の展示品の中でも別格中の別格で,専用の部屋の中央に,ガラス張りの360度回転する陳列台の中に展示されています。
マリー・アントワネットが所有していたとされるイヤリングも展示されています。
スミソニアンは,絶対確実とは断定していないのですが,フランス王室に伝わるものであることは間違いないそうです。
しずく型のイヤリングは,14.25カラットと20.34カラットあります。
代表的な展示品をもう一つ紹介します。
ナポレオン1世が2番目の妻であるマリー・ルイーズに贈ったネックレスとティアラです。
ネックレスは,28個のオールドマインドカットの円型のダイヤモンドに大9小10の洋ナシ形のダイヤモンドがフリンジされています。
最後の所有者はハプスブルグ家で,1962年にスミソニアンに寄付されました。
以上で,スミソニアン国立自然史博物館の紹介を終わります。
続いて「リンカーン記念堂」を紹介します。
リンカーン記念堂:Lincoln Memorial(ワシントンD.C.)
「リンカーン記念堂:Lincoln Memorial」は,ワシントンD.C.のナショナル・モールの一番西の端にある,第16代大統領エイブラハム・リンカーンを記念して建立されました。
詳しく言えばリンカーン記念堂は博物館ではないのですが,「アメリカの博物館32選!」にて独自集計した際には第10位にランクインしています。
リンカーン記念堂は,国立公園局直轄のナショナル・モール&国定記念公園団体によって管理されています。
記念堂の前の広場は,様々な演説の舞台に使用されています。
中でも一番有名な演説が,1963年8月28日に行われたワシントン大行進でのマーティン・ルーサー・キング牧師のものだと思います。
有名なセリフ「I Have A Dream」のやつです。
このブログで取り上げた映画「フォレスト・ガンプ」の中のワンシーン,主人公とその幼馴染の憧れの女性が出会う場面も,リンカーン記念堂の前で主人公がベトナム戦争についての演説をしていました。
アラバマ州のニックネームと映画「フォレスト・ガンプ」の話 mohamoha27
リンカーン記念堂はアメリカの5ドル紙幣の裏面に印刷されており,表面にはリンカーン大統領の肖像画が印刷されています。
見どころ リンカーン座像
記念堂の中には,リンカーンの大きな座像と壁面にあるリンカンの演説,そしてレリーフのみです。
座像の縦と横はどちらも約5.8メートルあります。
ダニエル・チェスター・フレンチという彫刻家によって造られました。
左手は握られ,右手は開いています。
アメリカ手話で,左手は大統領のイニシャルを表す「A」,右手は「L」の文字を表したと言われています。
このリンカーン座像から見える景色がまた格別です。
リフレクティング・プールの向こうにワシントン・モニュメントが見えます。
記念堂内部の両壁面には,2つのリンカーン大統領による宣言文が彫られています。
一つは,南側のリンカーンの「ゲティスバーグ演説」の内容で,「人民の人民による人民のための政治」のやつです。
もう一つは,北側の「第二期大統領就任演説」の内容です。
演説が彫られた文字の上には,アメリカ人壁画家のジュール・ゲランによって描かれた一連の壁画があります。
ゲティスバーグ演説銘刻の上部には天使や奴隷解放を表す絵が,第二期大統領就任演説の上部にはアメリカ北部と南部の調和を表現した絵が描かれています。
映画「猿の惑星:Planet of the Apes」
リンカーン記念堂に関して,映画「猿の惑星:Planet of the Apes」の話をします。
映画「猿の惑星」が最初に上映されたのは1968年です。
原作はフランスの作家ピエール・ブールが1963年に発表した小説「猿の惑星:La Planète des singes」です。
主人公を乗せた宇宙船がある惑星に到着します。
そこは人間が奴隷となっている猿の惑星でした。
いろいろな出来事があり,最後に主人公は,猿も人間も住んでいない惑星の中の新天地を目指します。
新天地にやってきた主人公が見たものは,壊れて顔だけになっている自由の女神像でした。
猿の惑星は地球だったというラストを迎えます。
この映画「猿の惑星:Planet of the Apes」は2001年にリメークされます。
リメーク版では,ラストのシーンが違います。
自分がいた猿の惑星は実は地球だったというオチは変わりませんが,ここが地球だと分かるシチュエーションが変わっています。
宇宙船でその猿の惑星を抜け出した主人公は地球に帰ってきます。
宇宙船が不時着した場所は,リンカーン記念堂の前でした。
宇宙船から抜け出し,リンカーン記念堂に入ってみると,座っているリンカーンの顔が猿の顔になっていました。
落胆して記念堂を出る主人公は,猿である警察官たちに囲まれるというオチです。
映画「猿の惑星」シリーズは,全部で9作あります。
1968年:第1作「猿の惑星:Planet of the Apes」
1970年:第2作「続・猿の惑星:BENEATH THE PLANET OF THE APES」
1971年:第3作「新・猿の惑星:Escape from the Planet of the Apes」
1972年:第4作「猿の惑星・征服:Conquest of the Planet of the Apes」
1973年:第5作「最後の猿の惑星:Battle for the Planet of the Apes」
最初のシリーズは5作で完結です。
第6作はリメークになります。
2001年:「PLANET OF THE APES 猿の惑星:Planet of the Apes」
↑この作品の最後にリンカーン記念堂が登場します。
第7作からはリブート版として新しいシリーズになり,地球における人間と同じ知能を持つ猿の誕生からスタートします。
2011年:第1作「猿の惑星: 創世記:Rise of the Planet of the Apes」
2014年:第2作「猿の惑星: 新世紀:Dawn of the Planet of the Apes」
2017年:第3作「猿の惑星: 聖戦記:War for the Planet of the Apes」
新シリーズは3作で完結です。
今回は以上です。
参考にしたHPは以下の通りです。
今回で2回にわたって紹介したワシントンD.C.にある博物館の紹介は終わりです。
次回から,2回にわたってカリフォルニア州サンフランシスコにある博物館を紹介します。
最初は「ウォルト・ディズニー・ファミリー博物館」と「エクスプロラトリアム科学館」です。
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