これまで,州のニックネームをいろいろ紹介してきましたが,今回が自分にとって最も価値が高いニックネームの紹介です。
そのニックネームは「南部の中心:The Heart of Dixie」です。
南部の中心の州は,どこの州?
アラバマ州
ハートオブディキシー:The Heart of Dixie
南部の中心
アラバマ州は以前に「イエローハンマーの州」(mohamoha16)や「綿花の州」(mohamoha14)と紹介しているのですが,実は「ハート・オブ・ディキシー」の方が良く知られたニックネームです。
なぜ「南部の中心」と呼ばれるのかは,現在の州都であるモンゴメリーが南北戦争中に南軍の最初の首都だったからだそうです。
後にバージニア州リッチモンドに移っています。
車のナンバープレートにこのニックネームが採用されています。
アラバマ州は2002年に車のナンバープレート「ハート・オブ・ディキシー」から違う言葉を採用しました。
「スターズ・フェル・オン・アラバマ:Stars Fell on Alabama」ですが,これはもともと歌のタイトルです。
エラフィッツジェラルドとルイスアームストロングとの2人による歌が知られています。
1934年の曲のため,「この古臭さはちょっと…」という方は,こちらの「Stars Fell on Alabama」を聴いてみてください。
私はこちらのセッションがしっくりきます。
他に,アラバマ州を歌った歌と言えば,私はこの歌を挙げます。
レーナ―ド・スキナードの「スイート・ホーム・アラバマ:Sweet Home Alabama」です。
ジャンルで言えば,サザンロックになると思います。
なぜ,このYouTubeが映画「フォレスト・ガンプ/一期一会:Forrest Gamp」の映像と共にこの歌を流しているのかは謎なのですが,実際の映画のバックミュージックに,この「スイート・ホーム・アラバマ」を流しているシーンがあります。
主人公がエビの収穫で一山あて,さらには軍隊時代の上官であるダン中尉のアップル社への投資もあてて大金持ちになったところに,主人公が幼い時から恋焦がれているジェニーがやってきます。
ジェニーからナイキのスニーカーをプレゼントされた後に,一緒に踊っている場面で,この歌を流しています。
主人公が「人生で一番幸せな時だった」と言っているところです。
普通ならしっとりとスローなバラードを流すところを,軽快なロックナンバーを流しているので記憶に残っていました。
「アラバマ州」を中心としたディキシーランドと「フォレスト・ガンプ」は切っても切れないつながりがあります。
このブログを映画の紹介を中心にするのは本意ではないのですが,話を「フォレスト・ガンプ」にしたいと思います。
映画のロケ地とアメリカ旅行の訪問地がとても関係してくるからです。
映画「フォレスト・ガンプ」の話
「フォレスト・ガンプ」の舞台設定の大半は,アラバマ州です。
実際の撮影場所はいろいろ違う州ですが,全般を通して特に南部色が強く出ている映画だと私は思います。
私がフォレスト・ガンプに魅せられたわけは,おそらく皆さんもそうであるように,主人公が生きた時代のいろいろな社会の出来事を主人公の人生にうまく絡めているところと,アラバマ州だけでなくアメリカのいろいろな州の美しい光景を要所にちりばめているところだと思います。
そこで「フォレスト・ガンプ」の撮影地を調べて,それがどこなのかを画像と地図で紹介したいと思います。
もちろん,約10年後のアメリカ旅行の訪問地の参考にしたいという思いからです。
情報元は,以下の2つのサイトからです。
「Smithsonian Magazine Visit These Iconic Forrest Gump Filming Locations」
「Wikivoyage Forrest Gump tour」
どうも2014年「フォレストガンプ」のリリース20周年を記念して,「スミソニアン誌」が撮影場所を振り返った記事を出したようです。
この映画ではアラバマ州を主人公フォレストの故郷としていますが,南部独特の自然,文化,建築のほとんどのシーンはサウスカロライナ州で撮影されています。
オープニングシーンの撮影場所
映画のオープニングは鳥の羽が流れ落ちるシーンから始まります。
その背景に「ジョージア州サバンナ」にある「インデペンデント・プレスビテリアン教会:The Independent Presbyterian Church」が映っています。
その羽は,やがてバス停のベンチに座っている主人公フォレストのところに舞い落ちます。
バス停ベンチの撮影場所
オープニングで映った「インデペンデント・プレスビテリアン教会:The Independent Presbyterian Church」の近くに「チペワスクエア:Chippewa Square」があります。
ここで,主人公がベンチでバスを待つ間の話をする場面が撮影されました。
もちろん,教会と同じ「ジョージア州サバンナ」にあります。
この銅像の前にバス停のベンチがあり,主人公フォレストがそれまでの人生を語ります。
実はこの場所にはベンチは無く、映画用に設置されたものらしいです。
その映画のベンチに座っている主人公の背景には,画像の銅像が映っています。
「ジェームズ・オグレソープ:James Oglethorpe」という人物で,イギリスの軍人としてジョージア州のあちこちでスペインと戦った人のようです。
撮影に使われたベンチのレプリカがビジターセンターに展示されているそうです。
石を投げつけられ,自力で走るシーンの撮影場所
「イェマシー:Yemassee」の「コンバヒー・ロード:Combahee Road」にある「ブラフ・プランテーション:Bluff Plantation」
フォレストの故郷である「アラバマ州グリーンボウ」は架空の町です。
そのため,主人公の故郷のシーンの多くは,実際には「サウスカロライナ州」の「イェマシー:Yemassee」と「ビューフォート:Beaufort」で撮影されました。
ジェニーの農家やフォレストの家など映画の建造物の多くは,映画のために特別に建てられ,制作が終了すると取り壊されましたが,いくつかは残っているそうです。
この特徴のある木々に覆われた通りは,主人公がいじめっ子に追いかけられる場面などに使われました。
この画像の道路で撮影されたかどうか定かではないのですが,撮影された道路は私有地で勝手には入られないようです。
オーク(樫の木)のアーチには雰囲気がありますが,私がインド滞在中,田舎の方の道路ではけっこうよく見かけることができた光景です。
フットボールの試合の撮影場所
足の速さを認められた主人公のフォレストがアメリカンフットボールの試合をしたスタジアムです。
主人公はアラバマ大学に入学したので,本当ならばアラバマ大学の「ブライアント・デニー・スタジアム:Bryant Denny Stadium」のはずですが,実際はイーストロサンゼルス大学の「ウェインガート・スタジアム:Weingart Stadium」で撮影されました。
下の画像は,撮影地にならなかったアラバマ大学の「ブライアント・デニー・スタジアム:Bryant Denny Stadium」です。
私はあまりアメリカン・フットボールのルールに詳しくないのですが,娘と一緒に「甲子園ボール」の観戦に行ったことがあります。
早稲田大学と立命館大学の試合で,早稲田大学を応援していました。
アメフトは,ロングパスで遠くに投げたボールを前を走るレシーバーがランニングキャッチするところが一番の魅力だと素人の私は思います。
ベトナム戦争で戦友を助けるシーンの撮影場所
ベトナム戦争での戦いは,ベトナムのビーチで撮影されていません。
代わりに,サウスカロライナ州の「ハンティング島州立公園:Hunting Island State Park」が映画の多くの戦争シーンの舞台でした。
ハンティング島はサウスカロライナ州で最も人気のある州立公園の1つであり,毎年100万人以上の訪問者を迎えているそうです。
リンカーン記念館前でのスピーチ後,ジェニーと会うシーンの撮影地
戦争から帰った主人公が,偶然デモに参加していたジェニーを発見し,このため池の中で抱き合う場面です。
ここは皆さんよくご存じの場所だと思いますが,一応地図を埋め込んでおきます。
ワシントンD.C.にある「リンカーン記念館リフレクティングプール:Lincoln Memorial Reflecting Pool」です。
ワシントン記念塔とリンカーン記念館の間にありますね。
ジェニーがロスでサンフランシスコに誘われるシーンの撮影地
ジェニーが主人公に思い出を回想する場面で,ジェニーがロスでサンフランシスコに誘われるところです。
この撮影場所は,映画に出てきた時にみなさんもすぐに分かった場所だと思います。
カリフォルニア州ロサンゼルスの「ハリウッドブールバード:Hollywood Boulevard」にある「ウォーク・オブ・フェイム:Walks of Fame」ですね。
映画では「ジーン・ハーロー:Jean Harlow」のアップが映っていました。
私は知らなかったのですが,調べるとアメリカの女優さんらしいです。
わざわざアップで撮っているのですから何か意味があると思うのですが,この女優さんを知らないのでわかりません。
わかる人,教えてくださいます?
ジェニーは1960年代に流行した「ヒッピー」だという設定なのですが,私は大学時代,このヒッピーに憧れていました。
ヒッピーの出現は1960年代なのですが,私が生まれた年代です。
私がヒッピーに憧れたのは,音楽を通してです。
「ウッドストック・フェスティバル:Woodstock Music and Art Festival」の音源を通して,当時の雑誌類を見かけると手にして目を通していました。
ウッドストックは,ニューヨーク州の田舎で開かれたロックを中心とした大規模な野外コンサートなのですが,音楽イベントとしてのみならず,ヒッピー時代の頂点を示す象徴として,音楽史に残る歴史的なイベントとされています。
まだインターネットがない時代だったので,ヒッピー文化については今より詳しくはなかったのですが,私はウッドストックを通して,1人の女性シンガーを知ることになります。
今でも,「一番好きな女性シンガーは」と問われれば,このシンガーを挙げます。
「ジャニス・ジョップリン:Janis Joplin」です。
もちろん,大学時代のバンドではジャニスの曲を演りました。(バンドの女性のボーカルは飛び切り上手かった!)
ジャニスの中でも,私が一番好きな曲「Piece Of My Heart」です。
ジャニスもまた,ヒッピーでした。
ヒッピー文化の中心地だったサンフランシスコの「ヘイト・アシュベリー:Haight Asyubury」のヒッピーの中では,ジャニスは際立って目立っていたそうです。
実際のジャニスとフォレストガンプの映画の中のジェニーは,私の中ではダブって見えます。
ジャニスもジェニーも音楽を志し若くして亡くなりますが,一方はヒッピーから音楽で成功し名をあげ,一方はヒッピーとして人に流され時代に流され消えていく。
両者の違いは才能なのか,それとも運なのか,ちょっと考えてしまいます。
エビ漁船を購入し,出航したシーンの撮影地
主人公が卓球のラケット会社と契約したお金でエビ漁船を購入したり,そのエビ漁船で出港したシーンを撮影した場所は,サウスカロライナ州の「サムズポイント・ボート・ランディング:Sam’s Point Boat Landing」です。
画像もFlickr上にありお見せしたかったのですが,いずれの撮影者の方も「All rights reserved」で,掲載することはできませんでした。
ジェニーへのプロポーズを断られ,走り続けた際の撮影地
アラバマ州の自宅から走り始め,西側の端まで行きついたところがここです。
カリフォルニア州ロサンゼルスの「サンタモニカ・ヨットハーバー:Santa Monica Yacht Harbor」です。
詳しく言えば,サンタモニカ・ピアの入口ゲートです。
今度は向きを変えて東に行き,東側の端に行きます。
メイン州ポイントクライド近くの「マーシャルポイント灯台:Marshall Point Lighthouse, near Point Clyde, Maine」です。
また向きを変え,更に西の端を目指します。
途中のモンタナ州では,黄金に輝く小麦畑の中を走るシーンがあります。
撮影地はカナダに近いモンタナ州の「カットバンク:Cutbank」です。
バックにうっすらとグレイシャー国立公園の山々が写っています。
こちらもなんとも良い光景です。
次に,雪山を背景にした絵のように美しい石橋を走るシーンになります。
モンタナ州の「カリスペル:Kalispell」の北にある「グレイシャー国立公園:Glacier National Park」の「セントメアリー入り口:St. Mary Entrance」です。
麦畑のあるカットバンクから約100㎞先にあります。
この映画の中で,私の一番のお気に入りの光景なのですが,残念ながらこの石橋の画像は探すことができませんでした。
おそらく,この画像のところがセント・メアリーの入り口なので,ここをもう少し行くと石橋があると推測します。
そのまま主人公は,ワシントン州の海岸まで行きまた折り返します。(映画では折り返すシーンはありません。)
そして再びミシシッピ川を渡る橋の上で,主人公はテレビのインタビューを受けます。
サウスカロライナ州の「ビューフォート:Beaufort」の東にあるビューフォート川を渡る「ウッズメモリアルブリッジ:Woods Memorial Bridge」なのだそうです。
その後,男のファンに声をかけられた後に,何人かの走る仲間を引き連れて,山の斜面のヘアピンカーブを曲がるシーンがあります。
ノースカロライナ州の「リンビル:Linville」近くの「グランドファーザーマウンテン:Grandfather Mountain」の山道だそうです。
画像のように,映画で使われたカーブは,現在「フォレスト・ガンプ・カーブ:Forrest Gump Curve」と標識が出ているそうです。(画像では,この先にカーブがあるのだと推測します。)
この山道(Grandfather Mountain Trail)を車で走るには,入場料が必要なのだそうです。
その後フォレストは,アリゾナ州に入り「しかたのないことさ:Shit Happens」というフレーズを発明します。
その通りが「フラッグスタッフ:Flagstaff」の「ノース・サンフランシスコ・ストリート:North San Francisco Street」です。
ちなみにこのフレーズはスラングで,何かに失敗した友達に「そういう事もあるさ!」と慰めたり,「まぁしゃあない!」とミスをした自分への言い聞かせに使えるフレーズなのだそうです。
このフレーズを聞いた一人の男が車のバンパーステッカーを作り,大金持ちになると映画では説明しています。
私は知りませんでしたが,アメリカでそのようなステッカーが流行ったのでしょう。
さらにアリゾナ州では,車に泥を掛けられたフォレストがT-シャツで顔を拭き,偶然にも「スマイリーフェイス:smiley face」を生み出します。
このT-シャツを作った男も大金持ちになります。
このスマイリーフェイスは私もよく知っています。
小学生の時に日本でも流行り,実際にスマイリーフェイスのワッペンや服を買った記憶があります。
フォレストがスマイリーフェイスを生み出したところが,同じくアリゾナ州フラッグスタッフの「ツイン・アローズ・トレーディング・ポスト:Twin Arrows Trading Post」です。
主人公のバックに映っている地面にささる二本の赤い矢で場所が判断できます。
このようにグーグルマップで確認すると,西に向かって走っていないことが分かります…。
そして・・・
ようやく走ることを止めるシーンになります。
この場所がこの映画で一番有名になった場所ではないでしょうか。
ユタ州の「モニュメント・バレー:Monument Valley」にある「163 Scenic」です。
そこは「フォレスト・ガンプ・ポイント:Forrest Gump point」と呼ばれています。
フォレストは,3年2か月14日16時間のランニングの後,家に帰ることを決意したのでした。
ようやく最後の紹介です。
最後は,場所の紹介ではありません。
このプレートをご存じの方,おられますか?
「ババ・ガンプ・シュリンプ・カンパニー」は,主人公が退役後に親友のババとの約束を守り,設立したエビ獲り漁船の会社です。
「ババ・ガンプ・シュリンプ:Bubba Gump Shrimp CO.」
制作会社のパラマウントからライセンスを受け,1996年に米カリフォルニア州モントレーに同じ名前のエビ料理のお店がオープンし,現在,全米で展開,さらには,日本にも3店舗展開しています。
画像は,テーブルの上にある赤と青の2枚重ねのプレートです。
スタッフを呼びたいときは「Stop Forrest Stop」のプレートを。
食事を楽しみたいときは「Run Forrest Run」のプレートを提示します。
映画では,アラバマ時代のジェニーの言葉です。
この言葉により,主人公は運を開花させていったのだと私は思います。
これで,今回は終わりです。
次回は,アイキャッチに使用したアメリカ風景画像の紹介です。
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