アメリカの美術館32選!【J・ポール・ゲティ美術館(ゲティ・センター,ゲティ・ヴィラ )】 mohamoha68

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アメリカにある美術館の紹介,第12弾です。

このブログでは,独自のランキングをして32位以内にランキングした美術館を紹介しています。

これまでは主に東海岸の美術館を紹介しました。

以下の美術館です。(番号はランキングの順位)

① メトロポリタン美術館:The Metropolitan Museum of Art

② ニューヨーク近代美術館:The Museum of Modern Art, New York

③ ナショナル・ギャラリー・オブ・アート:National Gallery of Art

④ シカゴ美術館:The Art Institute of Chicago

⑤ ボストン美術館:Museum of Fine Arts, Boston

⑥ フィラデルフィア美術館:Philadelphia Museum of Art

⑦ ソロモン・R・グッゲンハイム美術館:Solomon R.Guggenheim Museum

⑩ クリーブランド美術館:Cleveland Museum of Art

⑪ デトロイト美術館:Detroit Institute of Arts

⑮ フリック・コレクション:Frick Collection

⑯ スミソニアン・アメリカ美術館:Smithsonian American Art Museum

⑲ ハーシュホーン博物館と彫刻の庭:Hirshhorn Museum & Sculpture Garden

㉓ イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館:Isabella Stewart Gardner Museum

㉔ ミルウォーキー美術館:Milwaukee Art Museum

㉖ ブルックリン美術館:Brooklyn Museum

㉚ バーンズ・コレクション:Barnes Collection

㉛ シンシナティ―美術館:Cincinnati Art Museum

㉜ イェール大学アートギャラリー:Yale University Art Gallery

※ ホイットニー美術館:Whitney Museum of American Art(私の認識の間違いにより,メトロポリタン美術館に票を入れてしまっていたので,付け加えています。)

このように,ランキング上位の美術館は東海岸側に集中しています。

では,まだ紹介していない美術館は以下の通りです。

⑧ J・ポール・ゲティ美術館:J. Paul Getty Museum

⑨ ロサンゼルス・カウンティ美術館:Los Angeles County Museum of Art

⑫ サンフランシスコ近代美術館:San Francisco Museum of Modern Art

⑬ ヒューストン美術館:The Museum of Fine Arts, Houston

⑭ ネルソン・アトキンス美術館:The Nelson-Atkins Museum of Art

⑰ ザ・ブロード:The Broad

⑱ ロサンゼルス現代美術館:Museum of Contemporary Art, Los Angeles

⑳ デ・ヤング美術館:M. H. de Young Memorial Museum

㉑ セントルイス美術館:Saint Louis Art Museum

㉒ ミネアポリス美術館:Minneapolis Institute of Arts

㉕ ダラス美術館:The Dallas Museum of Art

㉗ クリスタル・ブリッジズ美術館:Crystal Bridges Museum

㉙ ノートン・サイモン美術館:The Norton Simon Museum

実際には28位にサルバドール・ダリ美術館が入っているのですが,ホイットニー美術館を入れたため,省きました。

理由は,唯一,一人のアーチストのための美術館だからです。

さて,今回は太平洋地区になります。

最初はロサンゼルスにある美術館を紹介します。

今回は,J・ポール・ゲティ美術館を紹介します。

J・ポール・ゲティ美術館:J. Paul Getty Museum(カリフォルニア州ロサンゼルス)

アメリカの石油王,ジャン・ポール・ゲティの莫大な遺産により作られた美術館です。

ジャン・ポール・ゲティは生前,世界一の大富豪だった方です。

莫大な遺産を受け継いだゲティ財団が運営しています。

資金が豊富なため,世界中の名画・名品を収集,展示しているという印象があります。

詳しく言うと,J. ポール ゲッティ美術館は,「ゲティ・センター :Getty Center」と「ゲティ・ヴィラ:Getty Villa」の2つの施設の総称です。

2つの美術館を合わせて「ザ・ゲティ:The Getty」とも呼ばれます。

2つともロスアンゼルスにありますが違う場所に建てられており,車で20分ほどかかるようです。

ゲティ・センターは中世のヨーロッパ美術からポスト印象派くらいまでの作品が中心なのに対し,ゲティ・ヴィラは古代ギリシャやローマの彫刻が中心となっています。

普通は,「J. ポール ゲッティ美術館」と言うと,「ゲティ・センター」を指すようです。

ホームページは2つの美術館を合わせた「The J. Paul Getty Museum」としてあります。

J・ポール・ゲティ美術館公式HP

ほとんどの所蔵品がダウンロード可能で,このブログにも画像を使用できます。

ゲティ・センター :Getty Center(カリフォルニア州ロサンゼルス)

The Getty Center Museum main entrance photo by bfurlong on Flickr(Noncommercial use allowed)

ゲティ・センターはサンタモニカ・マウンテンに位置していて,とても見晴らしがよいシチュエーションです。

1997年に10億ドルの巨費を投じて全て大理石の建物が建設されました。

Getty Center photo by Kyle Harmon on Flickr(Noncommercial use allowed)
The Getty Center The Garden Terrace Cafe photo by Lincoln Spaulding on Flickr(Noncommercial use allowed)

なんと,入館料は無料です。

でも,駐車代も含めて,ここまでの移動料金にかなり費用がかかるようです。

広大な敷地の中にパビリオンがあり,主なギャラリーは東西南北の名前がついています。

また,セントラルガーデンは,日本庭園のようで洋風にアレンジしてあり,ゆっくり散策できます。

丘の上なので見晴らしもよく,ロサンゼルス・ダウンタウンの高層ビル群やロサンゼルス空港,
太平洋までをも見渡すことができます。

それでは,所蔵作品の紹介をします。

ゲティ・センターの目玉と言えば,これになると思います。

フィンセント・ファン・ゴッホ:Vincent van Gogh「Irises」

from The J. Paul Getty Museum

フィンセント・ファン・ゴッホ:Vincent van Gogh
「アイリス:Irises」
1889
Oil on canvas

このブログにも何回も作品を紹介しているゴッホです。

もうゴッホの説明は要らないですね。

「アイリス」は,ゴッホがアルルからちょっと離れたサン・レミにある療養所に入所して最初に描いたもので,1889年にパリのアンデパンダン展に出品した作品です。

お金の話で恐縮ですが,ゲッティ美術館は1987年にニューヨークのサザビーズの競売でこの作品を約54億円で落札しています。

同じく1987年に落札された日本にあるゴッホの「ひまわり」は約58億円で落札されました。

エドゥアール・マネ:Édouard Manet「Jeanne (Spring)」

from The J. Paul Getty Museum

エドゥアール・マネ:Édouard Manet
「春:Jeanne (Spring)」
1881
Oil on canvas

印象派の走りとなったマネです。

「春」は,マネの晩年の代表作で,女優をモデルとしたものです。

マネは「春」「夏」「秋」「冬」と4つの連作の一つとして構想していましたが,違う女性で「秋」を制作した後,残りの「夏」「冬」を制作することなく亡くなってしまいます。

この「春」は,印刷物に初めて印刷された絵画だそうです。

2014年にJ・ポール・ゲティ美術館がこの作品を落札しました。

ジャン・オノレ・フラゴナール:Jean Honoré Fragonard「The Fountain of Love」

from The J. Paul Getty Museum

ジャン・オノレ・フラゴナール:Jean Honoré Fragonard
「The Fountain of Love」
about 1785
Oil on canvas

ロココ絵画を代表する画家,フラゴナールです。

一度,フリックコレクションを紹介したときに,代表作「恋の成り行き」を紹介しました。

ロココ美術は,バロック美術の後の1710年代~1760年代までの特にフランス宮廷を中心にみられる美術様式のことで,貝殻や石などを嵌め込んで飾った岩を意味する「ロカイユ」という言葉が語源となっているそうです。

バロックからロココに変わったきっかけは,太陽王と呼ばれたルイ14世が死去したことだそうです。

王の支配から自由になった貴族たちが屋敷をリノベーションするのをきっかけに始まり,厳かで豪華絢爛なバロック様式から柔らかく女性的な印象に変化しました。

ルイ16世の妃であるフランス王妃マリー・アントワネットはロココの時代を象徴する人物で,「ロココの王妃」と呼ばれました。

絵画で言えば,バロックとロココの違いは,けっこう分かりやすいです。

バロックを代表するカラバッジョやフェルメールの絵画を男性的とするならば,ロココ絵画は女性的と言えます。

1789年のフランス革命により,ロココ美術も次第に下火になっていきました。

フラゴナールも,ルーブル美術館にあった住居から追い出され,かわいそうな運命をたどったそうです。

ディルク・ボウツ:Dirk Bouts「The Annunciation」

from The J. Paul Getty Museum

ディルク・ボウツ:Dirk Bouts
「受胎告知:The Annunciation」
about 1450–1455
Distemper on linen

北方ルネサンス,初期フランドル派のオランダ画家,ディルク・ボウツです。

私は,J・ポール・ゲティ美術館のHPでこの絵を見つけるまで,この画家を知りませんでした。

調べると,北方で最初に消失点による遠近法を取り入れた画家の中の一人だそうです。

この絵でもその技法を取り入れていることがわかります。

もう1枚,初期フランドル派の画家の絵を紹介します。

ロヒール・ファン・デル・ウェイデン:Rogier van der Weyden「Portrait of Isabella of Portugal」

from The J. Paul Getty Museum

ロヒール・ファン・デル・ウェイデン:Workshop of Rogier van der Weyden
「ポルトガルのイザベラの肖像:Portrait of Isabella of Portugal」
about 1450
Oil on panel

詳しく言うと,HPの表記では,ウェイデン一人での制作ではなく,「ウェイデン工房」となっています。

ウェイデンは,ヤン・ファン・エイクとともに初期フランドル派を代表する画家です。

当時は,もっとも成功し,国際的な名声を得ていた画家だったようで,あのヤン・ファン・エイクを凌ぐまでに高い評価を得ていたそうです。

現在,15世紀の北方絵画においてもっとも影響力があった画家とみなされています。

ジャコモ・マンズー:Giacomo Manzù「Cardinale Seduto」

United-States, Los-Angeles, Getty-museum ”The seated Cardinal” by Giacomo Manzù photo by Francoise Gaujour on Flickr(Noncommercial use allowed)

ジャコモ・マンズー:Giacomo Manzù
「Cardinale Seduto」
1975–1977
Bronze

イタリアの現代彫刻家,マンズーです。

バチカン市国にあるサン・ピエトロ大聖堂の扉の彫刻を制作したマンズーです。

この作家の彫刻は,独特の雰囲気を持っており私は好きです。

これで,ゲティセンターの紹介を終わります。

ゲティ・ヴィラ:Getty Villa(カリフォルニア州ロサンゼルス)

Getty Villa – Entrance Pavillion photo by Dave & Margie Hill / Kleeru on Flickr(Noncommercial use allowed)

「J・ポール・ゲティ美術館」のもう一つの美術館,ゲティ・ヴィラです。

こちらのオープンは,1954年とゲティセンターよりも古いです。

当初は,J・ポール・ゲティ美術館を設立したジャン・ポール・ゲティのお屋敷の近くにありましたが,1974年に現在の場所に移りました。

そしてゲティーセンターを造り,1997年に所蔵作品の主だったものをそちらに移しました。

残ったゲティヴィラはイタリア建築様式にリノベーションされ,2006年に,再オープンしました。

最初はゲティ家の邸宅だったことから,ヴィラとつけられているのだと推測します。

このヴィラを造る際には,イタリアで一世紀頃にヴェスヴィオス火山の噴火により埋もれてしまったナポリ近郊の「Villa dei Papiri」をイメージするように依頼したそうです。

Getty Villa, Los Angeles Outer Peristyle photo by Rictor Norton & David Allen on Flickr(Noncommercial use allowed)

ゲティセンター同様,入場は無料なのですが,ゲティヴィラは事前に予約が必要です。

ゲティヴィラは,古代ギリシャ,古代ローマそして古代にあった国家エルトリアの歴史的作品やイタリア風(地中海風)庭園を楽しむための美術館です。

getty villa photo by freecia on Flickr(Noncommercial use allowed)
At the Getty Villa photo by Fotos_PDX on Flickr(Noncommercial use allowed)

私は古代の歴史彫刻などは明るくないので説明はできませんが,古代ローマ,古代ギリシャ彫刻を大学時代の木炭デッサンで描いた経験があります。

何を描いたのかは全く覚えていませんが。

ジャン・ポール・ゲティは生前,世界一の大富豪だったことは,冒頭で伝えました。

その莫大な遺産を受け継いだゲティ財団が「J・ポール・ゲティ美術館」を運営しているのですから,美術品を購入する資金は贅沢にあるわけです。

中には強引に購入したコレクションの中には,もともと所有していた国から返還を求められている美術品もあります。

ゲティヴィラの所蔵品の紹介は,返還を求められている美術品の紹介をしたいと思います。

「勝利した若者の像:Statue of a Victorious Youth」

from The J. Paul Getty Museum

Unknown
「勝利した若者の像:Statue of a Victorious Youth」
Greece (Place Created)
300–100 B.C.
Bronze with inlaid copper

ウィキペディアの情報によると,違法な発掘や盗難された美術品を購入してしまった場合,もともと所有していた国は返還を求める刑事告訴を起こすことができます。

J・ポール・ゲティ美術館には,裁判所の返還命令により元の所有国に返還した美術品が何点もあったようです。

画像の「勝利した若者の像」ですが,イタリア政府より返還要求が出ているにもかかわらず,それを拒んでいる美術品です。

以下,情報元のウィキペディアからの引用です。

2006年11月20日に美術館館長マイケル・ブランドが,係争中の美術品26点をイタリアに返還すると発表した。

しかし,イタリア当局が返還を求め続けている「勝利した若者の像:Victorious Youth」はこの中には含まれていない。

2007年にはJ・ポール・ゲティ美術館に,シチリアの古代遺跡モルガンティーナから戦争中に略奪された,紀元前5世紀ごろのアフロディテ像など,40点の古代美術品の返還が命じられた。

J・ポール・ゲティ美術館は,20年以上にわたってイタリア政府からの返還要求と争っており,後に「入手方法に問題があったかも知れない」と認めるのみにとどまっている。

2006年にはイタリアの文化財調査官ジュゼッペ・プロイエッティが「交渉は一歩たりとも進んでいない」と失望感をあらわにし,イタリア政府に「ゲティ財団に対する制裁措置として,あらゆる文化的協力を停止する」ように求めた。

J・ポール・ゲティ美術館 – Wikipedia

世界一の金持ちだったジャン・ポール・ゲティの映画を紹介して終わりたいと思います。

ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐された事件を扱った映画です。

世界一の大富豪らしい言動で,かなり面白かったです。

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これで今回は終わりです。

今回のページで参考にしたHPは以下の通りです。

J・ポール・ゲティ美術館 – Wikipedia

Petite New York

Petite New York

J・ポール・ゲティ美術館公式HP

次回は,同じくロスアンゼルスにあるロサンゼルスカウンティ美術館,ロサンゼルス現代美術館を紹介します。

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