アメリカの美術館32選!【ロサンゼルス・カウンティ美術館,ロサンゼルス現代美術館】 mohamoha69

美術館紹介

アメリカにある美術館の紹介,第13弾です。

今回も前回に引き続き,カリフォルニア州ロサンゼルスにある美術館の紹介です。

「ロサンゼルスカウンティ美術館」「ロサンゼルス現代美術館」を紹介します。

ロサンゼルス・カウンティ美術館:Los Angeles County Museum of Art(カリフォルニア州ロサンゼルス)

Los Angeles County Museum of Art photo by Andy Li on Flickr(Noncommercial use allowed)

「ロサンゼルス・カウンティ美術館:Los Angeles County Museum of Art」は,ロサンゼルスの文化エリアの中心ある「ウィルシャー大通り沿い」にあります。

名前の頭文字を取った「LACMA(ラクマ)」とも呼ばれています。

東京ドーム約1.7個分の敷地に7つの建物がある複合施設で,美術館としては西海岸最大級の規模を有します。

もともとは,1910年に南カリフォルニア大学近くの公園に設立されたロサンゼルス歴史科学芸術博物館の一部でした。

1961年にロサンゼルス・カウンティ美術館が設立され,歴史科学芸術博物館から分裂しました。

その4年後に,現在の場所のウィルシャー大通りに移転しました。

ワシントン・ナショナル・ギャラリーの次に建てられた最大の美術館です。

7つの建物のうちの一つには,「日本館:Pavilion for Japanese Art」があります。

約25万点の美術品を収蔵し,ギャラリーに展示されている作品数は10万点を超え,古代の物から現代のものまで幅広い地域の年代物が揃っているのが特徴です。

さて,ここで,残念なことを言わなければなりません。

2020年に4つの建物が取り壊され,現在,リニューアル中で,一部の展示しか見られなくなっています。

2023年に新しい建物が完成予定なのだそうです。

リニューアル後にはどうなっているのかわかりませんが,現在,屋外にある2つの作品を紹介します。

2つとも,現地ではインスタ映えのするスポットして名が知られているそうです。

屋外にあるため,無料で誰でも触れることのできる作品です。

クリス・バーデン:Chris Burden「Urban Light」

Chris Burden (1946- ) – Urban Light, 2009 wide view – Los Angeles County Museum of Art photo by ketrin1407 on Flickr(Noncommercial use allowed)

クリス・バーデン:Chris Burden
「アーバン・ライト:Urban Light」
2008
Sculpture(Two-hundred and two)restored cast iron antique street lamps

「アーバン・ライト」は,美術館の「ウィルシェア・ブルーバード:Wilshire Blvd」に面したところにある大きな集合彫刻です。

彫刻と言えるかどうかですが,街灯の集合体です。

この街灯は1920年代から1930年代にかけて,ハリウッド,グレンデール,アナハイムなどロサンゼルスの近郊の街を照らしていたもので,202本あります。

さて,なぜこれがインスタ映えするのかというと,遠目から見てもなんともないのですが,近くに寄るといろいろな被写体の撮り方ができ,魅力的な画像になります。

Walking Through Urban Lights Dramatic afternoon walk through Chris Burdens Urban Lights at the Los Angeles County Museum Of Art! photo by joey zanotti on Flickr(Noncommercial use allowed)
Urban Lights@Los Angeles County Museum of Art Urban Lights assemblage at Los Angeles County Museum of Art ( LACMA ) photographed at night. The installation consists of 202 restored street lamps from the 1920s and 1930s, most of wich once lit the streets of Southern California. photo by c.lucian on Flickr(Noncommercial use allowed)
Los Ángeles County Museum of Art , Los Ángeles, California photo by Omar Bárcena on Flickr(Noncommercial use allowed)
Los Angeles County Museum of Art. Lights from bottom, at mid-day. photo by (kev) on Flickr(Noncommercial use allowed)

マイケル・ヘイザー:Michael Heizer「Levitated Mass」

Levitated Mass Los Angeles County Museum of Art Los Angeles, CA photo by Kevin Chang on Flickr(Noncommercial use allowed)

マイケル・ヘイザー:Michael Heizer
「レビテイテッド・マス:Levitated Mass」
2012
Sculpture Diorite granite and concrete
Weight: 340 Tons

高さ6.5mもある巨大な岩が通路の頭上に置いてあります。

この岩は,ロサンゼルスから約90km離れたところにある「ジュロッパ・バレー:Jurupa Valley」の採石場から運ばれたそうです。

Smiley Visits “Levitated Mass” at the Los Angeles County Museum of Art photo by Michael Li on Flickr(Noncommercial use allowed)

通常の入場料は15ドルですが,毎月第二火曜日には無料で開放されます。

また,常設展及びいくつかの展覧会は,17歳以下の子どもと付き添いの親ひとりが無料という全米でも唯一の「子ども無料メンバーシップ」を提供しています。

さらには,作品の展示の他,映画やコンサートも開催しています。

これらは無料のため,これらを目当てに美術館へ集まってくる方もいるそうです。

毎週金曜日の夜にはジャズライブ,毎週日曜日には様々なジャンルのミュージシャンによるコンサートなのだそうです。

さて,それでは所蔵作品の紹介をしていきます。

まずは日本の巨匠の作品から紹介します。

円山応挙:Maruyama Ōkyo「Cranes」

from Los Angeles County Museum of Art
from Los Angeles County Museum of Art

円山応挙:Maruyama Ōkyo
「群鶴図:Cranes」
1772
One from a pair of six-panel screens; ink, color, and gold leaf on paper

江戸時代中期から後期に活躍した日本の世界に誇る絵師,円山応挙です。

応挙は,師から教わった技法に固執せず,自然界の写生を基に絵を描いた最初の絵師の一人と言われています。

写生を重視しながらも,日本の伝統的な画題を装飾性豊かに描き,大衆にも親しみやすい画風で当時の人々,特に裕福な商人に好まれました。

「群鶴図」は六曲一双(六面で構成された屏風が左右で対の一組になっているもの,全部で12面)の作品です。

国宝級のこの作品がなぜ,この美術館が所蔵しているのか,ロサンゼルス・カウンティ美術館HPの作品紹介の解説から一部,引用します。

The finest pair of Japanese screens to ever leave Japan in the 440-year history of Western contact with Japan:西洋と日本との接触の440年の歴史の中で,これまで日本を離れた最高の日本の1双の屏風です。

Of his five most famous pairs of screens, four are Registered National Treasures by the Government of Japan, and may therefore never leave Japan, except on loan:円山応挙の最も有名な5隻の屏風のうち,4隻は日本政府によって国宝に登録されているため,貸与を除いて日本から持ち出すことはできません。

only these legendary Crane Screens remain unregistered, and after a two-year campaign by LACMA’s Curator of Japanese Art, Robert Singer, on February 22, 2011, the Ministry of Culture of Japan granted an Official Export License to LACMA:「群鶴図」だけが未登録のままであり,LACMAの日本美術学芸員であるロバートシンガーによる2年間のキャンペーンの後、2011年2月22日に日本の文化庁はLACMAに公式輸出ライセンスを付与しました。

This Export License can be used by no other person or individual: it is restricted solely to LACMA.:このエクスポートライセンスは、他の人や個人が使用することはできません。LACMAのみに制限されています。

they will reign supreme, even when compared to other Japanese screens in the collections of the Boston Museum of Fine Arts, the Metropolitan Museum of Art in New York, the Freer Museum in Washington, D.C., the Cleveland Museum of Art, the British Museum, or any other museum or private collection outside of Japan.:ボストン美術館,ニューヨークのメトロポリタン美術館,ワシントンDCのフリーア美術館,また,クリーブランド美術館,英国美術館,その他の美術館や日本国外の個人コレクションにある他の日本の屏風と比較しても,「群鶴図」は最高級です。

Painted in 1772, and secretly preserved thereafter in only two private collections: the Yamada Collection (1773-1926), and the Inui Collection (1926-present).:1772年に描かれ,その後,山田コレクション(1773-1926)と犬井コレクション(1926-現在)の2つの個人コレクションにのみ密かに保存されていました。

Cranes | LACMA Collections

要約すると,1772年に円山応挙が描き,2人の個人の手に渡った後,2011年に日本政府からライセンスをもらい,ロサンゼルス・カウンティ美術館が取得したということです。

これまで個人所有だったため,入手することができたと思います。

上の画像が左隻で,下の画像が右隻になります。

私が気にしていることは,2023年にリニューアルオープンしてから,この「群鶴図」が常設展示になるのかどうかです。

是が非でも,常設展示をしてもらい,直接見る機会を得ることと願っています。

円山応挙だけでなく,ロサンゼルス・カウンティ美術館は,これまで日本館の建物があるくらい日本美術は充実しています。

HPのコレクションをざっと見たのですが,とても気に入った日本画がたくさんありました。

ダウンロードができずFlickrにもなかったため,ここに紹介はできませんでした。

クロード・モネ:Claude Monet「Nympheas」

from Los Angeles County Museum of Art

クロード・モネ:Claude Monet
「睡蓮:Nympheas」
1897-1898
Oil on canvas

言わずもがなのモネの睡蓮です。

睡蓮の制作時期は3つに分かれるのですが,この作品は,第2連作の時期に描かれたと推測されます。

モネの睡蓮についての詳しい説明は,ニューヨーク近代美術館の紹介ページをご覧ください。

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ディエゴ・リベラ:Diego Rivera「Flower Day」

Diego Rivera (74) photo by pixelsniper on Flickr(Noncommercial use allowed)

ディエゴ・リベラ:Diego Rivera
「Flower Day (Día de Flores)」
1925
Oil on canvas

ディエゴ・リベラはフレスコ画による壁画の巨匠です。

私が一番好きな壁画はデトロイト美術館にある「デトロイト産業壁画:Detroit Industry mural」です。

デトロイト美術館の紹介ページで詳しく紹介していますので,どうぞご覧ください。

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ディエゴ・リベラは,壁画の他にメキシコの先住民を表す数多くの油絵と水彩画を作成しています。

この「Flower Day」もその中の1枚です。

リベラは「Flower Day」のシリーズで何枚か描いているようで,ニューヨーク近代美術館にその1枚があります。

Seeing Diego Rivera At the Museum of Modern Art in New York City. photo by Kevin Harber on Flickr(Noncommercial use allowed)

フレデリック・チャイルド・ハッサム:Frederick Childe Hassam「Avenue of the Allies: Brazil, Belgium」

from Los Angeles County Museum of Art

フレデリック・チャイルド・ハッサム:Frederick Childe Hassam
「Avenue of the Allies: Brazil, Belgium」
1918
Oil on canvas

私のブログで初めて紹介する画家です。

ハッサムは,ボストン生まれのアメリカにおける印象派の代表的画家です。

ロサンゼルス・カウンティ美術館のホームページの開設を読むと,1916年5月13日にニューヨークの5番街にて第一次世界大戦で戦う前のパレードを描いたものだそうです。

ハッサムの作品には,街路に国旗がはためいている作品がかなりあります。

ハッサムの代表作は日本の金魚鉢と女性を描いた作品で,よく知られています。

なんと,その作品は大学の美術館が所蔵しています。

インディアナ州「デビッド・オーズリー美術館

Bowl of Goldfish by Childe Hassam(David Owsley Museum of Art)

ジョージ・ウェスリー・ベローズ:George Wesley Bellows「Cliff Dwellers」

from Los Angeles County Museum of Art

ジョージ・ウェスリー・ベローズ:George Wesley Bellows
「Cliff Dwellers」
1913
Oil on canvas

都会の下町や労働者階級の人々の生活を写実的に描く画家,ベローズの作品です。

これまでこのブログでは,ベローズの作品はボクシング(ホイットニー美術館)とレスリング(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)の2枚を紹介しました。

画像の作品は,「アシュカン派」のベローズの主題がはっきりと出ていると思います。

「アシュカン派」は上記の通り,都会の下町や労働者階級の人々の生活を写実的に描くアメリカ・ニューヨークで生まれた画家のグループです。

HPの解説を読むと,この絵はロサンゼルス・カウンティ美術館が最初に手に入れた絵画の中で,当時のアメリカ・ニューヨークを忠実に再現した,最もよく知られている作品なのだそうです。

トマス・エイキンズ:Thomas Eakins「Wrestlers」

from Los Angeles County Museum of Art

トマス・エイキンズ:Thomas Eakins
「Wrestlers」
1899
Oil on canvas

アメリカ近代美術の父と呼ばれているフィラデルフィア出身のトマス・エイキンズです。

このブログではこれまで,フィラデルフィア美術館の紹介のページで,トマス・エイキンズの描いた2枚の手術をしている様子の絵を紹介しました。

アメリカの美術館32選!【フィラデルフィア美術館,バーンズ コレクション】 mohamoha64
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画像の絵はレスリングをしているのですが,解剖学を学んだエイキングらしく,軽妙なタッチながらその描写は素晴らしいと思います。

ロサンゼルス・カウンティ美術館には,ゴーギャンの初期の作品やピカソの青の時代,新古典主義の時代,キュビズムの時代それぞれの作品,モジリアーニの珍しい印象派っぽい人物画など他にも紹介したい作品はあるのですが,作品の紹介はこのぐらいにしておきたいと思います。

最後に,ロサンゼルス・カウンティ美術館で起きた事件というか出来事を紹介します。

韓国のとあるお寺から1980年代に盗まれた仏画を,ロサンゼルス・カウンティ美術館が所蔵していたことが2014年にわかり,2017年に韓国に返還したというものです。

ロサンゼルス・カウンティ博物の館長は,「約20年前,韓国美術品を大量に購入した時,一緒に購入したものだ。」と述べたそうです。

これで,ロサンゼルス・カウンティ美術館の紹介を終わります。

ロサンゼルス・カウンティ美術館公式HP

ロサンゼルス現代美術館:Museum of Contemporary Art, Los Angeles(カリフォルニア州ロサンゼルス)

「ロサンゼルス現代美術館:Museum of Contemporary Art, Los Angeles」は,カリフォルニア州・ロサンゼルス市にある近現代美術専門の美術館です。

通称,「MOCA」と呼ばれています。

「MOCA」は,2つの建物と1つのランドアートによって構成されています。

2つの建物は,ロサンゼルス市内の別々の場所にあります。

「ランドアート:Landart」とは「地形のアート」のことで,海岸や湖,砂漠など自然の土地を利用し造形した美術作品のことです。

それらをそれぞれ紹介します。

MOCAグランド:MOCA Grand Avenue

MOCA Los Angeles, California photo by David Seibold on Flickr(Noncommercial use allowed)

グランド・アベニュー通りにある「本館」です。

「MOCAグランド」と呼ばれています。

「ロサンゼルス現代美術館」と言うと,通常,この「本館」を指すようです。

1988年に新しく建物がダウンタウンに建てられ,これが「本館」になりました。

日本の建築家,磯崎新氏の設計により建築された建物です。

グランド通りにあり,近くにはロサンゼルスの観光名所,ウォルト・ディズニー・コンサートホールがあります。

下の画像の右奥にある建物が,ウォルト・ディズニー・コンサートホールです。

Museum of Contemporary Art, Los Angeles photo by CTG/SF on Flickr(Noncommercial use allowed)

画像にもちょっと写っているのですが,中庭にあるパブリック・アートを紹介します。

ナンシー・ルービンズ:Nancy Rubins「Chas’ Stainless Steel, Mark Thompson’s Airplane Parts, About 1,000 Pounds of Stainless Steel Wire, and Gagosian’s Beverly Hills Space at MOCA」

IMG_9508 photo by Al R on Flickr(Noncommercial use allowed)

ナンシー・ルービンズ:Nancy Rubins
「Chas’ Stainless Steel, Mark Thompson’s Airplane Parts, About 1,000 Pounds of Stainless Steel Wire, and Gagosian’s Beverly Hills Space at MOCA」
2002
Stainless steel and airplane parts

ナンシー・ルービンズはアメリカ,テキサス州出身の女性の彫刻家です。

インスタレーション・アーティストと呼ばれ,屋内や屋外の空間を物体で構成する芸術家のことをこう呼びます。

彼女の彫刻作品は,主に電化製品や飛行機部品,ボート,カヤック,カヌー,サーフボードなど大きな物体をまるで植物のように構成することで知られています。

アメリカの主要な都市のパブリック・スペースや美術館の屋外に作品が展示されています。

屋外美術館の敷地内には,誰でもフリーで入れるようです。

MOCAグランドの建物の中に入ると,展示品は地下の部屋にあります。

ゲフィン現代美術館:The Geffen Contemporary at MOCA(MOCA ゲフィン:MOCA Geffen)

MOCA Geffen Contemporary, Little Tokyo, Los Angeles photo by CTG/SF on Flickr(Noncommercial use allowed)

「ロサンゼルス現代美術館」の2つ目の建物の名前は,「ゲフィン現代美術館:The Geffen Contemporary at MOCA」です。

「MOCAゲフィン」とも呼ばれます。

リトル・トーキョーにあります。

もともとは,「本館」よりもこちらの建物の方が先に建てられました。

1979年に当時のロサンゼルス市長などの発案により現代美術館創設の計画が持ち上がり,1983年に「テンポラリー・コンテンポラリー」という名前の美術館が建てられ,オープンしました。

それが現在のゲフィン現代美術館です。

1996年に音楽レーベルで財を成したデヴィッド・ゲフィンという方が500万ドルを寄付し「テンポラリー・コンテンポラリー」を改装し,「ゲフィン現代美術館:The Geffen Contemporary at MOCA」となったそうです。

The Geffen Contemporary at MOCA photo by Ron Gilbert on Flickr(Noncommercial use allowed)

ゲフィン現代美術館は倉庫街にあり,建物自体も巨大な倉庫(ウェアハウス)になっています。

そのため大きな作品の展示ができ,現代アートの展示にピッタリの建物になっています。

ゲフィン現代美術館がある場所は倉庫街だったのですが,その周辺にはアーティストがいっぱい住んでいて作品を作っているそうです。

また,この周辺,一昔前は治安に注意が必要でしたが,カフェ,レストランが数多くある雰囲気のある街に変わったそうです。

ダブル・ネガティブ:Double Negative

DN00006b photo by N on Flickr(Noncommercial use allowed)

「ダブル・ネガティブ:Double Negative」はネバダ砂漠にあるMOCA所有のランド・アート作品です。

ネバダ砂漠の高原の切り立ったところに、長さ457m,幅39.1m,深さ15.2mの巨大な溝が崖をまたぐように掘られています。

ランド・アートは,アース・ワークとか環境芸術とも呼ばれ,海岸や湖,砂漠など自然の土地を造形した美術作品のことです。

1960年代後半に初めて登場しましたが,最初に発想したのは1930年代のイサム・ノグチだという説もあります。

「ダブル・ネガティブ」1969年にマイケル・ハイザーによって建設され,オーナーは別にいましたが,そのオーナーから1985年にロサンゼルス現代美術館に寄贈されました。

ロサンゼルスからは車で7時間のところで,しかも最後の45分間は未舗装道路で四輪駆動車を運転するのが良いようです。

IMG_2630a photo by N on Flickr(Noncommercial use allowed)

周囲の見晴らしはとても素晴らしいようです。

Dn_pano01a photo by N on Flickr(Noncommercial use allowed)

ロサンゼルス現代美術館は,もう一つの建物がありました。

それは,建築や家具のデザインに特化した小さな施設でした。

「MOCA Pacific Design Center」と呼ばれ,ウエスト・ハリウッドのパシフィック・デザインセンターのところにありました。

MOCA Pacific Design Center photo by Andy Li on Flickr(Noncommercial use allowed)

向かって左にある茶色の四角い建物が元MOCAパシフィック・デザインセンターでした。

残念ながら,2019年に閉鎖されました。

パシフィック・デザインセンターの方は現在も健在で,周囲の環境とともに訪れたい場所の一つです。

Pacific Design Center Sign photo by Emily on Flickr(Noncommercial use allowed)

ロサンゼルス現代美術館は,1940年以降の現代アートを所蔵しています。

それらの所蔵品の90%は個人からの寄贈だそうで,残りも個人のコレクションの一部を購入するなどして収集したそうです。

その中には,リキテンスタイン,ポロック,モンドリアン,クーニングなどの巨匠の作品が含まれています。

さて,それらの所蔵作品の紹介ですが,現代の作家ということもあり著作権が発生します。

ロサンゼルス現代美術館のHPからはダウンロードできないこともあり,紹介しないことにしました。

ロサンゼルス現代美術館のHPでご覧ください。

ロサンゼルス現代美術館公式HP

パシフィック・デザインセンター公式HP

今回はこれで終わります。

今回のページで参考にしたHPは以下の通りです。(各美術館の公式HPは各項の最後に紹介しています。)

ロサンゼルス・カウンティ美術館(ウィキペディア)

Los Angeles County Museum of Art(Wikipedia)

Petite New York

ロサンゼルス現代美術館(ウィキペディア)

Petite New York

Petite New York

これで,2回にわたってロサンゼルスにある美術館を紹介しました。

次回からの2回は,ページのアイキャッチ(ホームに紹介される画像)に使用している画像の紹介第6弾をします。

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