アメリカにある博物館を32に絞って紹介している「アメリカの博物館32選!」の第17弾です。
今回は,オハイオ州にある博物館とウィスコンシン州にある博物館を一つずつ紹介します。
一つ目はオハイオ州クリーブランドにある「ロックンロールの殿堂」,2つ目はウィスコンシン州ミルウォーキーにある「ハーレー・ダビッドソン博物館」です。
独自ランキングでは2つの博物館は以下のようなランキングになっています。
第23位【ロックンロールの殿堂】
第24位【ハーレー・ダビッドソン博物館】
それでは,ロックンロールの殿堂から紹介します。
ロックンロールの殿堂:Rock and Roll Hall of Fame(オハイオ州クリーブランド)
「ロック・アンド・ロール・ホール・オブ・フェイム:Rock and Roll Hall of Fame」は,ロックンロール・ミュージックの歴史とそれに影響を与えたアーティストの業績を称えるために設立されました。
この施設は,音楽史における重要なアーティストやバンド,プロデューサーなどに焦点を当て,その功績を称える場として機能しています。
1983年に設立され,1986年にオハイオ州クリーブランドに博物館が建設されました。
この博物館は,ロックンロールの栄光と歴史を称える場所です。
なぜ,オハイオ州のクリーブランドに「ロックンロールの殿堂」があるのか不思議に思いますが,もちろん,クリーブランドにあるべき理由があります。
クリーブランドは,「ロックンロールの誕生地」だからです。
では,なぜ,ロックンロールの誕生地なのか。
ロックンロール音楽の発展において,重要なことがクリーブランドで起こっているからです。
1940年代から1950年代にかけて,ロックンロール・ミュージックを世の中に広める役割を担ったラジオ番組がクリーブランドにはいくつかありました。
その中の一つに,「アラン・フリード:Alan Freed」というDJが手掛けていたラジオ番組がありました。
「ロックンロール」という言葉は,アラン・フリードが広めたのでした。
また,クリーブランドがレコード会社や音楽プロデューサーにとって重要な拠点だったことも理由の一つです。
多くのロック・アーティストがクリーブランドのレコード会社と契約し,音楽制作が行われました。
それに伴い,クリーブランドでは,1950年代初頭から多くのロックンロール・コンサートとイベントが開催されました。
これらのコンサート・イベントは,ロックンロールの人気を高める一因となりました。
あまり知られていませんが,「エルビス・プレスリー:Elvis Presley」や「チャック・ベリー:Chuck Berry」は,クリーブランドでライブを行い,その人気を高めたのでした。
見どころ
「ロックンロールの殿堂:Rock and Roll Hall of Fame」には,多くの音楽アーティストやバンドの楽器,衣装,写真,ビデオ,録音資料などが展示されています。
これらの展示物は,音楽の歴史における出来事やアーティストのキャリアを紹介し,音楽の魅力を伝えます。
これらは,主に地下1階の「Ahmet M. Ertegun Exhibition hall」に展示されています。
ロバート・ジョンソン,レイ・チャールズ,ジョン・レノンの写真が並んでいます。
とても豪華な顔ぶれです。
エルビス・プレスリーやローリングストーンズ,ビートルズのセクションもあり,レジェントたちの使用した衣装や楽器などがところどころに展示されています。
画像は,バッファロー・スプリングフィールドの衣装などです。
2年間しか活動しなかったバンドですが,後に活躍することになるニールヤングなど,そうそうたるメンバーでした。
ジョニー・キャッシュのツアー・バスまで展示されているのには吃驚です。
ロックンロールの殿堂財団が,年1回,ロックンロールの殿堂入りをするミュージシャンを決めています。
殿堂入りを記念する記念式典が毎年行われており,年によって,ニューヨークで行われたり,ロサンゼルスで行われたりしていますが,クリーブランドで行われることもあるようです。
2階は「ザ・ガレージ」といって,置いてある楽器を誰でも自由に演奏できるスペースになっています。
3階には,殿堂入りしたアーティストのサインのコレクション,今後の指名投票の候補者を選ぶ「ボイス・ユアチョイス」,過去の殿堂入りの舞台裏を映した映像などが楽しめます。
また,パワー・オブ・ロック体験では,殿堂入り授賞式の興奮が味わえます。
東京にも期間限定で,この「ロックンロールの殿堂」の博物館が開催されたときがあります。
有楽町インフォスの1階で,2017年~2018年まで「ロックの殿堂ジャパンミュージアム:ROCK & ROLL HALL OF FAME JAPAN」が開催されていました。
目玉の展示としては,レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテが「By the Way」のレコーディング時に使用していたアイデアノートがありました。
また,2008年~2010年までニューヨークのソーホー地区にロックンロールの殿堂のニューヨーク別館がありました。
目玉としては,プリンスが「パープル・レイン」で着たコートやデヴィッド・バーンが「ストップ・メイキング・センス」で着た大きなスーツ,エルビス・プレスリーのライダースジャケットや彼の聖書などがあったそうです。
ハーレー・ダビッドソン博物館:Harley-Davidson Museum(ウィスコンシン州ミルウォーキー)
「ハーレーダビッドソン博物館:Harley-Davidson Museum」は,ウィスコンシン州ミルウォーキーに位置するハーレーダビッドソンモーターサイクルの歴史と文化に焦点を当てた博物館です。
ハーレー・ダビッドソンはアメリカのバイクメーカーです。
日本でバイクメーカーといえば「ホンダ」「ヤマハ」「スズキ」「カワサキ」の4大メーカーが挙げられます。
日本のバイク,アメリカのバイク,それぞれ特徴が違います。
ハーレーダビッドソンは,名実ともにアメリカンバイクを代表するメーカーです。
1903年に設立されました。
社名は,エンジンを設計したハーレー氏と共同創立者であるダビッドソン兄弟に由来します。
その伝統的な生産ポリシーは「空冷式で700cc以上のバイクしか作らない」ことです。
ハーレーダビッドソンが日本に上陸したのは1912年のことで,陸軍の軍用バイクとして輸入されました。
画像は,ハーレーダビッドソンのバイクのエンジンの歴史が陳列されています。
最大の特徴は,大排気量空冷OHV・V型ツインエンジンがもたらす独特の鼓動感と外観です。
それ故に,ハーレーのエンジン音は周囲の注目を集め,他のメーカーにはない爆音が響きます。
博物館には,ハーレーダビッドソンの初期のモーターサイクルから現代のモデルまで,さまざまなハーレーダビッドソンのバイクが展示されています。
これらの展示物は,ハーレーダビッドソンの技術革新,デザインの進化,そしてモーターサイクル文化への影響を示しています。
ハーレーダビッドソンのモデルを見ると,「スポーツ」「クルーザー」「ツーリング」「アドベンチャー・ツーリング」「トライク」の6種類のモデルがあります。
見どころ
バイク好きな人なら,博物館のバイク全てが見どころになると思います。
ハーレーダビッドソンの歴史的なコレクションも展示されており,創業者であるウィリアム・S・ハーレーとアーサー・ダビッドソンに関する情報や展示物も含まれています。
また,ハーレーダビッドソンが軍用モーターサイクルとして使用された歴史も探ることができます。
また,ミュージアムでは,有名なカスタムビルダーによって設計されたユニークなカスタムバイクも展示されています。
さらには,定期的に特別展示が開催され,特定のテーマや時期に焦点を当てた展示が行われます。
中でも,一番注目すべき展示を紹介します。
それは1台のバイクです。
それは,日本で東日本大震災で被災し,約1年後にカナダに流れ着いたハーレーダビットソン社のバイクです。
そのバイクの所有者は,宮城県在住の方です。
東日本大震災で,家と3人の家族を失いました。
コンテナを車庫にして,ハーレーダビッドソンの「ナイトトレイン」を所有していましたが,津波でコンテナごと流されて行方不明となりました。
震災から約1年後,思わぬ知らせが入ります。
それは「愛車がコンテナごと日本から遠く離れたカナダで見つかった」というものでした。
見つかったのは,日本から5000キロ以上離れたカナダ西部,ブリティッシュコロンビア州の太平洋岸沖の群島「ハイダグアイ:Haida Gwaii」の北島「グレアム島」でした。
その後,「宮城ナンバーのオートバイが見つかった」と現地メディアが報道し,日本でも「持ち主不明の宮城ナンバーのバイクがカナダで見つかった」とニュースとなりました。
その時の日本のニュースがこちらです。
バンクーバー日本総領事館を含め, ハーレーダビッドソン・カナダとハーレーダビッドソン・ジャパンが呼びかけを行い,最終的に持ち主が突き止められました。
ハーレーダビッドソンが「ナイトトレイン」を日本に送ろうとしますが,被災者の中で,自分だけがそのような申し出を受け取ることはできないということで,持ち主は辞退したそうです。
そして,持ち主の方は,ミルウォーキーにあるハーレーダビッドソンの博物館で,津波の犠牲者のために,このバイクを展示することを提案します。
その後,持ち主の希望通り,博物館にナイトトレインが展示されることになりました。
2012年10月のことになります。
現在もハーレー・ダビッドソン博物館の公式HPのトップページに画像があるくらい注目されている展示品になっています。
第2のアメリカ旅行ルート
さて,今回の2つの博物館を自分たちの旅行ルートに入れるとすると,2つの博物館は結構近いのですが,別々のルートになります。
ロックンロールの殿堂の博物館は,オハイオ州のクリーブランドにあり,そこは自分たちの第2の旅行ルートになります。
ニューヨークをスタートし,南下してフロリダ州まで行き,そこで折り返して,ちょっと内陸の方を北上するルートです。
このルートを約90日かけて旅行することになるのですが,オハイオ州クリーブランドは旅の終盤に訪れることになっています。
改めて,第2の旅行ルートの詳細を紹介をするページを作成することになると思います。
第1の旅行ルートを紹介したページはこちらです。
第3のアメリカ旅行ルート
ハーレー・ダビッドソン博物館は,ウィスコンシン州ミルウォーキーにあります。
ウィスコンシン州は,予定では第3のアメリカ旅行ルートに含まれています。
このルートマップは今回初めて公開しています。
第3の旅行ルートも,改めて詳細を紹介する予定です。
ルートの概略は,サンフランシスコをスタートし,北西部の下を通ってシカゴを目指します。
シカゴの後にウィスコンシン州に入り,ミルウォーキーを訪れる予定です。
その後,アメリカ北部の大自然を堪能して,西海岸に行き,南下してサンフランシスコに戻ります。
今回はこの辺で。
次回も「アメリカの博物館32選!」を予定しています。
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