アメリカにある博物館を32に絞ってお送りしています。
カリフォルニア州ロサンゼルスにある博物館紹介の3回目です。
今回でロサンゼルスの博物館紹介は最後です。
今回は「ハンティントン」と「アカデミー映画博物館」を紹介します。
急遽,「アカデミー映画博物館」も,独自ランキングではランクインされていませんが紹介します。
紹介する理由は後程。
「ハンティントン」は,独自ランキングでは第30位に入っています。
↓ アメリカにある博物館独自ランキングはこちら ↓
アメリカの博物館32選!【アメリカ自然史博物館】 mohamoha78
ハンティントン:The Huntington(カリフォルニア州ロサンゼルス)

ハンティントンは,図書館と美術館,そして植物園の3つからなる総合施設です。
もともとは,鉄道王であった「ヘンリー・E・ハンティントン」の豪邸でした。
おじいさんが19世紀の鉄道開拓時代の4大お金持ちだったそうで,その財産を受け継ぎ,書籍・芸術品・植物の収集,研究を目的に1919年にこの建物を建て,亡くなってからの1928年に一般公開されるようになったそうです。

ハンティントンは,ロサンゼルスの「パサデナ」という地域にあります。
パサデナと言えば,「ノートン・サイモン美術館」を以前のページで紹介しています。
アメリカの美術館32選!【ザ・ブロード,ノートン・サイモン美術館】 mohamoha72
ノートン・サイモン美術館の他にも,インスタ映えのするパサデナ・シティホールやローズボウルが開催されるローズスタジアムがあり,パサデナは訪れるべき価値のある観光地だと思います。
私もロサンゼルスを観光する際には必ず行きたいと思っています。
ハンティントン・ライブラリー
実はこのハンティントンについて,図書館の秘蔵品を以前のページで一度紹介しています。
美術館紹介の中で「グーテンベルク聖書」を紹介する際に,ハンティントン・ライブラリーにあるグーテンベルク聖書の画像を使用しました。
アメリカの美術館32選!【ボストン美術館,イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館,イェール大学アートギャラリー】 mohamoha65
その画像をここでも載せておきます。

ライブラリーには,グーテンベルク聖書だけでなく,元鉄道王の所有物だったいくつもの貴重なお宝があるそうです。
全てを公開しているわけではありませんが,シェイクスピアのオリジナル原稿やベンジャミン・フランクリンの書簡などが展示されているそうです。
下の画像では,南北戦争に纏わるリンカーンの書簡が展示されていますね。

科学に関する書籍も多く,天文学,生物学,医学,物理学など,分野ごとに美しく展示されています。
ハンティントン・アート・ギャラリー
もともと鉄道王の豪邸だったことから,このお屋敷自体が豪華なインテリアを楽しむ美術館と言えます。
敷地の中央にある建物がかつての夫妻が暮らしていたお屋敷で,そこが現在,アート・ギャラリーになっています。
イギリスの18~19世紀の豪華な家具やインテリアが見どころです。

インテリアの他にも,18世紀のヨーロッパの絵画が展示されており,見どころ満載です。

展示品は,イギリスの巨匠による肖像画が多いそうです。
ハンティントン所蔵の肖像画の中で,特に名が知られている名作が2つあります。
一つは「Thomas Lawrence」作の「Pinkie(ピンキー)」です。

Thomas Lawrence
「Pinkie」
1794油彩
もう一つは,「Thomas Gainsborough」作の「The Blue Boy」です。

Thomas Gainsborough
「The Blue Boy」
around1770油彩
「ピンキー」と「ブルーボーイ」は,お互いに向かい合っているそうで,洒落た展示をしています。
他にも「バージニア・スティール・スコット・ギャラリー」があり,アメリカ美術に特化した展示をしています。
有名どころで言えば,印象派のアメリカ女性作家のカサットやエドワード・ホッパー,アンディ・ウォーホルの作品などがあります。
ハンティントン・ボタニカル・ガーデン
ハンティントンの敷地いっぱいに美しい植物園が広がっています。
「カリフォルニア・ガーデン」「ローズ・ガーデン」「日本庭園」「中国庭園」などのエリアがあり,それぞれ,違った景観を楽しむことができます。

上の画像は,乾燥地帯に見られるサボテンを育てているエリアです。

上の画像は日本庭園です。
かなりの広さで,歴史的な日本家屋もあります。
敷地内には,ハンティントン夫妻のお墓もあるそうです。
ハンティントンに行くならば,丸1日過ごす予定にすると,とても有意義なのんびりとした時間を過ごすことができるのではないかなあと感じました。
続いてランクインしていませんが,急遽紹介することになったアカデミー映画博物館を紹介します。
アカデミー映画博物館:Academy Museum of Motion Pictures(カリフォルニア州ロサンゼルス)


ランクインしていないのに,このアカデミー映画博物館を紹介するのは理由があります。
映画の都と言われているハリウッドですが,映画の都としての観光面では以下のものがあると思います。
・ハリウッドの看板
・チャイニーズ・シアターの前庭にあるセメントタイルに刻印されているおよそ200人のハリウッド・スター達の手形,足型,そしてサイン
・ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム(星形のプレート)
・参加可能なスタジオツアー(4種類)
ユニバーサルスタジオ・ハリウッドのスタジオツアー
ワーナー・ブラザーズのスタジオツアー
パラマウント・ピクチャーズのスタジオツアー
ソニー・ピクチャーズのスタジオツアー
これらに,博物館が加わるわけです。
「映画の都」を感じようにも,これまで観光の名所が点在していたため,なかなか感じづらかったと言っていいでしょう。
しかし,この博物館ができたことで,この博物館に行けば「映画の都」を十二分に堪能できます。
アメリカにある博物館の独自ランキングには,現時点ではランクインしていませんが,今後,間違いなくロサンゼルスの観光名所になる博物館ということで,紹介することにしたのでした。
アカデミー賞の主催団体は,「映画芸術科学アカデミー」です。
1927年の創設時からロサンゼルスに映画博物館を作ることを思い描いていたそうです。
大型映画館を備えた球体の建造物がガラスの橋でつながっており,斬新なデザインの建物です。


アカデミー映画博物館は,ロサンゼルスのミッド・ウィルシャー地区にあります。
ミッド・ウィルシャー地区には,ロサンゼルス・カウンティ美術館(アメリカの美術館32選!【ロサンゼルス・カウンティ美術館,ロサンゼルス現代美術館】 mohamoha69)があります。
また,ピーターソン自動車博物館(アメリカの博物館32選!【カリフォルニア・サイエンスセンター】【ピーターソン自動車博物館】 mohamoha90)もあり,ロサンゼルスでの訪れるべき必須の観光地になっています。
アカデミー映画博物館は,2021年の9月にオープンしました。
この博物館のために,スティーブン・スピルバーグやスパイク・リーをはじめ,多くの映画監督の寄付があったそうです。
メインロビーに足を踏み入れると,天井から吊された複数のモニターで映画の歴史がショートムービーで紹介されています。
このエリアは入場無料だそうです。
そして,有料の1Fから3Fのエリアが「映画の物語:Stories of Cinema」と題された常設展のフロアーです。
いろいろな映画で使用された衣装や小道具などが展示されています。


他にもいくつかのギャラリーがあり,「アカデミー賞の歴史ギャラリー」では20体の歴代オスカー像が展示されています。
そこでは有名な受賞スピーチも視聴でき,アカデミー賞受賞の瞬間を体験できる「オスカー・エクスペリエンス」というアトラクションもあります。

「映画制作の技術:The Art of Moviemaking」では,いろいろな映画の脚本からキャスティング,撮影&美術,衣装デザイン&ヘアメイク,音響効果,アニメーション,特殊効果などの製作過程が紹介されています。

画像はバックドロップと言って,背景に使用されるものです。
現在の映画撮影では写真を拡大しているそうなのですが,昔は手描きで制作していたというから驚きです。
画像のマウントラシュモアの大統領も手描きで,ある映画に使用されたものだそうです。
このような大道具・小道具は保管場所に困るため,ほとんどは映画撮影終了後には処分されるそうです。
4階は企画展示スペースになっています。
記念すべき初回の企画展示は,日本が誇るジブリアニメの宮崎駿監督の企画展です。
私はそんなにファンではないため気にはならないのですが、ジブリファンはさぞ行きたいのではないでしょうか。
球体の建物の中は,「デビッド・ゲフィン・シアター:David Geffen Theater」と呼ばれる1000席ある劇場があります。
そして,この球体の建物は戸外のウォルト・ディズニー広場に浮かぶデザインとなっていて,屋上のテラスからロサンゼルスの広大な景色を楽しむことができます。
このテラスも無料で開放されています。

博物館には他にも,288席の「テッド・マン・シアター」やワークショップを行う「シャーリー・テンプル教育スタジオ」という施設もあり,もちろん,ギフトショップもあります。
アカデミー映画博物館は,映画の歴史,アカデミー賞授賞式の歴史,映画作品や監督を紹介しています。
また,それらだけでなく,映画製作に欠かせない撮影・衣装・特殊メイクなどの各技術にも焦点を当てて紹介されています。
ロサンゼルスに行くならば,欠かせない観光スポットになるのではないでしょうか。
今回はここまでにします。
今回のページで参考にしたHPは以下のものです。
Academy Museum of Motion Pictures(Wikipedia)
ロサンゼルスの博物館の紹介は今回で終わりです。
次回からは,同じ太平洋側にある博物館で,ランクインしたところを紹介しようと思います。
その前に,旅行の計画を少し進めたので,それを先にページにするか,国立公園の32選を始めるか迷っています。
次回に期待してください。
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