アメリカにある美術館の紹介,第10弾です。
これまで,このブログにてアメリカにある18の美術館,そして149の美術作品を紹介してきました。
アメリカの美術館を紹介するにあたって,独自のランキングをしています。
詳細についてはこちらをご覧ください。
アメリカの美術館32選!【デトロイト美術館】 mohamoha55
今回と次回で,ランキングされた美術館の中からワシントンD.C.にある美術館を3つ紹介します。
「ワシントンD.C.ってどこにあるの?」と聞かれて,正確に答えられる方って意外と少ないのではないかと推測します。
大西洋南部:South Atlanticのバージニア州とメリーランド州の州境にあります。
「ワシントンD.C.:Washington D.C.」は通称で,正式には「コロンビア特別区:District of Columbia」です。
アメリカ合衆国の首都ですが,みなさん,ご存じでしょう。
首都ワシントンD.C.には美術館が多くありますが,今回は「ナショナル・ギャラリー・オブ・アート」を紹介します。
- ナショナル・ギャラリー・オブ・アート:National Gallery of Art(ワシントンD.C.)
- レオナルド・ダ・ヴィンチ:Leonardo da Vinci「Ginevra de’ Benci」
- ラファエロ・サンティ:Raffaello Santi「The Alba Madonna」
- ラファエロ・サンティ:Raffaello Santi「Bindo Altoviti」
- ヨハネス・フェルメール:Johannes Vermeer「Woman Holding a Balance」
- ヨハネス・フェルメール:Johannes Vermeer「A Lady Writing」
- ヤン・ファン・エイク:Jan van Eyck「The Annunciation」
- ピーテル・パウル・ルーベンス:Peter Paul Rubens「The Fall of Phaeton」
- ピーテル・パウル・ルーベンス:Peter Paul Rubens「Daniel in the Lions’ Den」
- カミーユ・コロー:Camille Corot「Forest of Fontainebleau」
- ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー:James Abbott McNeill Whistler「Symphony in White, No. 1: The White Girl」
- オーギュスト・ルノワール:Auguste Renoir「Odalisque」
- クロード・モネ:Claude Monet「Woman with a Parasol」
- エドガー・ドガ:Edgar Degas「Little Dancer Aged Fourteen」
- メアリー・スティーヴンソン・カサット:Mary Stevenson Cassatt「Little Girl in a Blue Armchair」
- パブロ・ピカソ:Pablo Picasso「Family of Saltimbanques」
- ジョージ・ベローズ:George Bellows「Both Members of This Club」
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート:National Gallery of Art(ワシントンD.C.)
ナショナル・ギャラリー・オブ・アートは,ワシントンD.C.にある国立の美術館です。
銀行家でイギリス大使も務めていたアンドリュー・メロンが,イギリスに駐在中にロンドンのナショナルギャラリーを参観し,自分の国であるアメリカにも国立の美術館を造りたいとの思いを持つことが始まりです。
そして,1937年に美術館設立のための基金と自分の美術コレクションを連邦政府に寄贈しました。
1941年に現在の西棟である大理石造りの美術館が完成し,1978年に現在の東棟が完成しました。
なんと,ワシントン・ナショナル・ギャラリーは最初から「誰でも入れる美術館」であり,現在も入場は無料です。
上の画像が,19世紀までのヨーロッパ絵画などを中心に展示している西棟で,下の画像が現代美術を中心に展示している東棟です。
西棟の横には,下の画像のような彫刻庭園があります。
それでは,所蔵の作品を紹介していきます。
ナショナル・ギャラリーの一番の目玉はこれになると思います。
レオナルド・ダ・ヴィンチ:Leonardo da Vinci「Ginevra de’ Benci」
レオナルド・ダ・ヴィンチ:Leonardo da Vinci
「ジネヴラ・デ・ベンチの肖像:Ginevra de’ Benci」
c.1474ー78
oil on panel
レオナルド・ダ・ヴィンチの作品は,デッサンや習作を含めると多数の作品が現存しています。
しかし「油彩画」や「テンペラ画」となると,かなり少なくなります。
レオナルドの作品は多くの模写が存在し,長年にわたり,真偽を調査されていました。
現在,「真作:Universally accepted」あるいは「ほぼ真作:Generally accepted」とされている完成された絵画は,16点程しかありません。(16という数字は確定されたものではありません。)
そのうちの1点が,このワシントン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する「ジネヴラ・デ・ベンチの肖像」です。
以下,レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画とみなされている作品の一覧です。
①「受胎告知:Annunciazione(1475-85)」イタリア・フィレンツェ・ウフィツィ美術館
②「カーネーションの聖母:Madonna dei Garofani(1478-80)」ドイツ・ミュンヘン・アルテ・ピナコテーク
③「ブノアの聖母:Madonna Benois(1479-80)」ロシア・サンクトペテルブルク・エルミタージュ美術館
④「ジネヴラ・デ・ベンチの肖像:Ginevra de’ Benci(1474-78)」アメリカ・ワシントン・ナショナル・ギャラリー
⑤「荒野の聖ヒエロニムス:San Girolamo nel Deserto(1480未完)」ヴァチカン市国・ヴァチカン美術館
⑥「東方三博士の礼拝:Adorazione dei Magi(1481未完)」イタリア・フィレンツェ・ウフィツィ美術館
⑦「岩窟の聖母:Vergine delle Rocce(1483-86)」フランス・パリ・ルーヴル美術館
⑧「岩窟の聖母:Vergine delle Rocce(1495-1508)」イギリス・ロンドン・ナショナル・ギャラリー
⑨「リッタの聖母:Madonna Litta(1481-97)」ロシア・サンクトペテルブルク・エルミタージュ美術館
⑩「白貂(しろてん)を抱く貴婦人:Dama con l’ermellino(1490)」ポーランド・クラクフ・チャルトルスキ国立美術館
⑪「音楽家の肖像:Ritratto di musico(1485未完)」イタリア・ミラノ・アンブロジアーナ絵画館
⑫「ラ・ベル・フェロニエール:La Belle Ferronnière(1490-96)」フランス・パリ・ルーヴル美術館
⑬「最後の晩餐:L’Ultima Cena(1495-98)」イタリア・ミラノ・サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院
⑭「聖アンナと聖母子:Sant’Anna, la Vergine e il Bambino con l’agnellino(1510)」フランス・パリ・ルーヴル美術館
⑮「モナ・リザ:La Gioconda(1503-05)」フランス・パリ・ルーヴル美術館
⑯「洗礼者聖ヨハネ:San Giovanni Battista(1513-16)」フランス・パリ・ルーヴル美術館
このように一覧にしてみると,レオナルドの作品はヨーロッパの美術館がほとんどを所有していることがわかります。
唯一,ヨーロッパ以外の地にある作品がワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵の「ジネヴラ・デ・ベンチの肖像」なのです。
個人的に,あと2つ,レオナルドの作品を紹介したいと思います。
○「サルバトール・ムンディ:Salvator Mundi(1500)」プライベート・コレクション
これは真作かどうか議論されている作品ですが,2017年のオークションで,その当時の最高落札額約508億円を記録したことで,有名になりました。
2021年には,アメリカの新聞紙が「ある国の皇子のヨットに飾られていた」と落札者が判明した記事を載せています。
○「ラ・スカピリアータ(ほつれ髪の女):La Scapigliata(1506-08クロッキー未完)」イタリア・パルマ・国立美術館
この作品は,レオナルドの真作と認められているものですが,ドローイング(クロッキー)による作品です。
かなりのデッサン力となんとも言えない雰囲気を持っているので,私はレオナルドの中で一番好きな絵ということでここに取り上げました。
他に,赤い服を着た「サルバトール・ムンディ」や「糸巻の聖母」,2枚目の「聖アンナと聖母子」,弟子入りをしていたヴェロッキオとの共作「キリストの洗礼」などがあります。
レオナルドの作品については,これからの調査で新たなものが加わったり,除けられたりすることも考えられます。
レオナルド・ダ・ヴィンチの紹介に入りますが,レオナルドほど名の知れた画家は他にいないと言えるでしょう。
ルネサンス期の画家で,主にイタリア・フィレンチェで活動しました。
ボッティチェリなどと同じくルネサンス期の画家なのですが,正確に言えば,ボッティチェリやフラ・アンジェリコは初期ルネサンス,レオナルド・ダ・ヴィンチは盛期ルネサンスと分けられています。
そして,その盛期ルネサンスの三大巨匠が,レオナルド,ラファエロ,ミケランジェロになります。
今でこそレオナルドは,オールマイティな才能の方が有名ですが,当時は画家としてのみ,名が知られていたそうです。
ヴェロッキオの工房に弟子入りするのですが,レオナルドの絵を見て師匠のヴェロッキオは「絵を描くのをやめる」と言った逸話が残っています。
後の時代に彼の手稿が見つかり,いろいろなデッサンやアイディア・スケッチが知られるようになると,画家としてよりも天才として知られるようになります。
さて,ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵の「ジネヴラ・デ・ベンチの肖像」ですが,公式HPにある解説によると,裕福なフィレンツェの銀行家の娘が16歳で結婚したときに,レオナルドに描くように委託した作品だそうです。
この絵の裏にも,レオナルドが描いたとされる絵があります。
public domain from National Gallery of Art
Leonardo da Vinci
Wreath of Laurel, Palm, and Juniper with a Scroll inscribed Virtutem Forma Decorat [reverse]
c.1474/1478
tempera on panel
もちろん,裏面も見られるように展示されています。
続いても,盛期ルネサンス期の画家で,レオナルドと同じくヨーロッパ以外の国に作品があること自体が珍しいと言える画家です。
ラファエロ・サンティ:Raffaello Santi「The Alba Madonna」
ラファエロ・サンティ:Raffaello Santi
「アルバの聖母子:The Alba Madonna」
c.1510
oil on panel transferred to canvas
盛期ルネサンスの3大巨匠の一人,ラファエロの絵画をもナショナル・ギャラリーはいくつか所蔵しています。
その一つがこの「アルバの聖母子」です。
ラファエロは39歳という若さで生涯を閉じますが,大きな工房を持っていたため,数多くの作品を残しています。
レオナルド・ダ・ヴィンチがフィレンチェならば,ラファエロはローマが主な活動拠点と言えます。
ほとんどの作品はヨーロッパ,特にヴァチカン美術館にあるのですが,ラファエロの作品がアメリカに2点もあるのは特筆すべきことだと思います。
「アルバの聖母」は,当初は円形の板に油彩で描かれた板絵でしたが,ロシア・エルミタージュ美術館に所蔵されていた19世紀初めに,板に大きな亀裂が入ったことでキャンバスへと移植されました。
そのために,背景の右側に損傷した跡が残っています。
さて,ラファエロをもう1点,紹介します。
ラファエロ・サンティ:Raffaello Santi「Bindo Altoviti」
ラファエロ・サンティ:Raffaello Santi
「ビンド・アルトヴィティの肖像:Bindo Altoviti」
c.1515
oil on panel
ビンド・アルトヴィティという方は,フィレンチェの裕福な銀行家だったようです。
ラファエロは,この絵を描いた当時,レオナルド・ダ・ヴィンチの技法を研究していたそうで,この絵にはその技法が試されているそうです。
私なりに推測すると,輪郭を描くことなく陰影をつけているところでしょうか。
次に紹介するのはフェルメールです。
やはり,フェルメールの作品がある美術館で,フェルメールを紹介しないわけにはいかないです。
ヨハネス・フェルメール:Johannes Vermeer「Woman Holding a Balance」
ヨハネス・フェルメール:Johannes Vermeer
「天秤を持つ女:Woman Holding a Balance」
c.1664
oil on canvas
この作品に関しては,興味深い解説を読んだことがあるので紹介します。
いろいろな解釈の中の一つです。
女性の前の机上には宝石箱があり,真珠や金のネックレスなどがあります。
女性の手には天秤があり,その天秤には金が量られているのかと思いきや,何も量られてはいません。
女性の後ろの壁には「最後の審判」らしき絵が飾られています。
実はこの女性は,自分の人間性あるいは人生を量っているのだという解釈です。
ヨハネス・フェルメール:Johannes Vermeer「A Lady Writing」
ヨハネス・フェルメール:Johannes Vermeer
「手紙を書く女:A Lady Writing」
c.1665
oil on canvas
ワシントン・ナショナル・ギャラリーHPのコレクションを見ると,この2枚以外にも何枚かフェルメールの名前で所蔵品が紹介されています。
でもよく見ると,「フェルメールの起因する:Attributed to Johannes Vermeer」とか「フェルメールの模倣:Imitator of Johannes Vermeer」になっています。
紹介した2枚の他に,フェルメールの真作と判断されている絵は「Girl with the Red Hat」の1枚です。
よって,ワシントン・ナショナル・ギャラリーはフェルメールの真作を3枚所蔵しているということになります。
ヤン・ファン・エイク:Jan van Eyck「The Annunciation」
ヤン・ファン・エイク:Jan van Eyck
「受胎告知:The Annunciation」
c.1434/1436
oil on canvas transferred from panel
北方ルネサンスのヤン・ファン・エイクの代表作「受胎告知」です。
もともとは,三連祭壇画で3枚あるうちの1枚ではないかと言われています。
残りの2枚は不明となっています。
『受胎告知』は解釈がとても難解な作品で,描かれているものが何を意味しているのかは現在でも議論になっているそうです。
左が大天使ガブリエルで,右側が聖母マリアです。
それぞれの口元には文字があり,ガブリエルの方には「おめでとう,恵まれた方よ(AVE GRÃ. PLENA)」,マリアの方は「主の侍女を見守りたまえ((ECCE ANCILLA DÑI)」と逆さまに書かれているそうです。
続いて,バロック期のフランドル画家ルーベンスの作品を2点紹介します。
このような紹介よりも,アニメの「フランダースの犬」で一躍日本でも有名になったルーベンスといった方がよいと思います。
ピーテル・パウル・ルーベンス:Peter Paul Rubens「The Fall of Phaeton」
ピーテル・パウル・ルーベンス:Peter Paul Rubens
「パエトンの墜落:The Fall of Phaeton」
c.1604/1605,probably reworked c.1606/1608
oil on canvas
この絵は,ウィキペディアによると,ギリシア神話のパエトーンが,太陽神の戦車を暴走させたために,ゼウスの雷を受けて墜落している場面を描いているそうです。
ピーテル・パウル・ルーベンス:Peter Paul Rubens「Daniel in the Lions’ Den」
ピーテル・パウル・ルーベンス:Peter Paul Rubens
「ライオンの穴の中のダニエル:Daniel in the Lions’ Den」
c.1614/1616
oil on canvas
神に仕えるダニエルという青年が,大臣たちに陥れられ,ライオンの住む洞窟に投げ込まれるのですが, 不思議に何も食べられず,かえって陥れようとした人々が食べられてしまうという旧約聖書の一場面の描いたものです。
ルーベンスは,敬虔なカトリック教徒でした。
さて,アニメ「フランダースの犬」に登場するルーベンスの絵についてのクイズを出します。
答えられるでしょうか。
①主人公ネロは,ルーベンスの絵の前で,愛犬パトラッシュと共に凍え死ぬのですが,そのルーベンスの絵はどこの国のどこにあるでしょう。
②主人公ネロがずっと見てみたいと思っていた絵は,ルーベンスの何という絵でしょう。(有料でずっと見られませんでしたが,凍え死ぬ直前にその絵を見ることができます。2つあります。)
③主人公ネロが毎日のように見ていた絵は,ルーベンスの何という絵でしょう。(こちらは,無料でネロも見ることができました。)
答えはこのページの最後にあります。
ワシントン・ナショナル・ギャラリーには,ルーベンスの油絵が12枚,所蔵されています。
カミーユ・コロー:Camille Corot「Forest of Fontainebleau」
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー:Jean-Baptiste-Camille Corot
「フォンテーヌブローの森:Forest of Fontainebleau」
1834
oil on canvas
バルビゾン派の画家,コロ―です。
バルビゾン派とは,フランスのバルビゾン村やその周辺に滞在し,風景画や農民画を写実的に描いた画家を指します。
印象派のちょっと前の時期で,印象派の画家たちにも影響を与えました。
コローの風景画は,「空想的風景画」と呼ばれています。
現実の風景をそのまま再現するのではなく,現実の風景を土台にして,想像上の人物を配置して詩的に仕上げています。
コローは,春から夏にかけて森で写生をし,秋から冬にかけてそれをアトリエで仕上げていたと言われています。
ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー:James Abbott McNeill Whistler「Symphony in White, No. 1: The White Girl」
ジェームズ・マクニール・ホイッスラー:James McNeill Whistler
「白のシンフォニー第1番-白の少女:Symphony in White, No. 1: The White Girl」
1862
oil on canvas
耽美(たんび)主義を代表する画家のホイッスラーです。
アメリカ出身の画家で,主にロンドンで活躍しました。
耽美主義は,作品に込められた思想やメッセージはなく,美のみを追求するものです。
印象派と時期が重なりますが,印象派とは分けられています。
印象派と同様に,日本の浮世絵から大きな影響を受けていると言われています。
次の作品は,問題形式で紹介したいと思います。
次の絵の作者は誰でしょう。
ヒント1:「えっ,これがあの作者?」と思う画家です。
ヒント2:ポスト印象派の画家です。
ヒント3:私はあまり作風が好きではないため,このブログでは一度しか紹介していない画家で,女性を描く天才画家ですが私は珍しい静物画を紹介しました。
正解は・・・
オーギュスト・ルノワール:Auguste Renoir「Odalisque」
オーギュスト・ルノワール:Auguste Renoir
「オダリスク:Odalisque」
1870
oil on canvas
この作品を見て,直ぐにルノワールと答えられる方は,かなりルノワールに詳しい方ではないでしょうか。
ルノワールにしてはあまり知られていないこの様な傑作が,ワシントン・ナショナル・ギャラリーにあるとは思ってもみませんでした。
よく見ると,ぼかした線描などの特徴がルノワールだとわかります。
クロード・モネ:Claude Monet「Woman with a Parasol」
クロード・モネ:Claude Monet
「散歩,日傘をさす女:Woman with a Parasol – Madame Monet and Her Son」
1875
oil on canvas
モネの代表作は数多いですが,この「散歩,日傘をさす女」もよく知られている作品です。
屋外で制作していたと推測されるのですが,純白のドレスの描き方が青や黄色の光の味付けがされており,とても秀逸です。
女性は,モネ夫人で男の子は息子だそうです。
モネは他にも,日傘をさす女性を描いた習作作品が左向き,右向きと2作あります。
どちらもフランス・オルセー美術館所蔵です。
次に紹介するのは,私がワシントン・ナショナル・ギャラリーを訪れた時にいの一番に見たいと思っている作品です。
エドガー・ドガ:Edgar Degas「Little Dancer Aged Fourteen」
エドガー・ドガ:Edgar Degas
「14歳の小さな踊り子:Little Dancer Aged Fourteen」
1878-1881
pigmented beeswax, clay, metal armature, rope, paintbrushes, human hair, silk and linen ribbon, cotton faille bodice, cotton and silk tutu, linen slippers, on wooden base
ドガの塑像作品なのですが,こちらで詳しく紹介しています。
退職後 アメリカに行く話 | アメリカの美術館32選!【メトロポリタン美術館・クロイスターズ別館】 mohamoha60
「14歳の小さな踊り子」は多数存在するのですが,ワシントン・ナショナル・ギャラリーにあるこの作品が,ドガの生前に発表されたオリジナルになります。
オリジナル以外の作品は,これまで私のブログでは,メトロポリタン美術館の作品を紹介しましたが,他にもボストン美術館なども所蔵しています。
メアリー・スティーヴンソン・カサット:Mary Stevenson Cassatt「Little Girl in a Blue Armchair」
メアリー・カサット:Mary Cassatt
「青いアームチェアに座る少女:Little Girl in a Blue Armchair」
1878
oil on canvas
カサットは,印象派の女性画家で,女性や子ども,母と子の親密な絆を描き続けた画家です。
アメリカ出身ですが,パリで活動していました。
「青いアームチェアに座る少女」はカサットの代表作ですが,描き方は印象派を思わせるものだと思います。
パブロ・ピカソ:Pablo Picasso「Family of Saltimbanques」
パブロ・ピカソ:Pablo Picasso
「サルタンバンクの家族:Family of Saltimbanques」
1905
oil on canvas
この作品はピカソの「ばら色の時代」の代表作です。
こちらは,パブリックドメインにはなっていないので,ワシントン・ナショナル・ギャラリーからはダウンロードできない作品です。
そのために,Flickrよりいただいたもので,実際の作品より一回り小さい画像です。
ピカソほど,いろいろな作風が知られている画家はいないと思っています。
そのために,1人の画家に作風により「○○の時代」と呼ばれていることに感嘆します。
この作品が描かれた「ばら色の時代」は,ピカソがモンマルトルにアトリエを構え,恋人フェルナンド・オリヴィエと住んでいた時期です。
それまでの「青青の時代」から明るい色彩が増え,サーカス団や曲芸師などを描くようになります。
ジョージ・ベローズ:George Bellows「Both Members of This Club」
ジョージ・ウェスリー・ベローズ:George Wesley Bellows
「Both Members of This Club」
1909
oil on canvas
アメリカの「アシュカン派」の画家,ベローズです。
「アシュカン派」は,都会の下町や労働者階級の人々の生活を写実的に描く画家たちを指します。
ベローズを紹介するのは,これで2度目です。
退職後 アメリカに行く話 | アメリカの美術館32選!【ホイットニー美術館,ソロモン R グッゲンハイム美術館】 mohamoha62
ホイットニー美術館所蔵のボクシングを描いた「ジャック・デンプシーとフィルポ」を紹介しました。
ボクシングとプロレスの違いはあれ,両方ともに観衆も含めて描かれています。
ボクシングの方は観客が息詰まる姿で描かれているのに対して,このプロレスの絵の観客は下卑た笑いを浮かべています。
以上で,ワシントン・ナショナル・ギャラリーの紹介を終わります。
今回のページで参考にしたHPは以下の通りです。
次回は,同じくワシントンD.C.にある「スミソニアン・アメリカ美術館」「ハーシュホーン博物館と彫刻の庭」を紹介します。
ルーベンスの絵と「フランダースの犬」クイズの答え
①ベルギーのアントウェルペンの聖母マリア大聖堂
②「キリスト昇架」と「キリスト降架」
③「聖母被昇天」
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