「アメリカの国立公園32選」の第11弾です。
これまで,太平洋地区にある国立公園を紹介してきました。
前回は,オリンピック国立公園を紹介しました。
今回は,ワシントン州にあるマウントレーニエ国立公園とオレゴン州にあるクレーターレイク国立公園を紹介します。
オリジナルランキングにて,マウントレーニエ国立公園は17位,クレーターレイク国立公園は31位でした。
それでは,紹介していきます。
マウントレーニエ国立公園:Mount Rainier National Park(ワシントン州)
「マウントレーニエ」と聞くと,コンビニなどで売っているコーヒーのパッケージが思い浮かばれます。
そのパッケージとなっているモデルの山です。
マウントレーニエは,ワシントン州にある国立公園です。
カスケード山脈の最高峰であり,標高4392mあります。
先住民族からは「Tahoma:神の宿る所」と呼ばれ,日系移民からは「タコマ富士」と呼ばれ,親しまれてきました。
マウントレーニエは活火山で,山頂からは,時折,蒸気が上がっています。
また,マウントレーニエには,26の氷河があります。
氷河とは,雪が積み重なって,自らの重さで氷となり,斜面を流下するものです。
その結果,谷底や岩を削り,峡谷ができます。
マウントレーニエに氷河が多いのは,太平洋からの湿った空気が山にぶつかり,大量の雪が降るからです。
年間積雪28.5mという世界記録も出しています。
マウントレーニエ国立公園は,自然愛好家やアウトドア好きにとって理想的な場所です。
マウントレーニエ国立公園は,シアトルから約2時間30分のところにあります。
ビジターセンターは4か所にあります。
「サンライズ・ビジター・センター:Sunrise Visitor Center」
「ロングマイアー・ワイルダネス・インフォメーション・センター:Longmire Wilderness Information Center」
パラダイス「ヘンリー・ジャクソン・メモリアル・ビジター・センター:Henry M. Jackson Memorial Visitor Center」
「オアナペコッシュ・ビジター・センター:Ohanapecosh Visitor Center」
最も美しいのは,高山植物が咲く7月下旬から8月上旬です。
この時期に入園者が集中します。
9月から10月は,秋のシーズンで気候が安定しています。
サンライズ周辺の見どころとトレイルコース
サンライズは,レーニア山の北にある標高1950mのビレッジです。
雪解けに関しては,パラダイスビレッジよりも早いため,初期のころはサンライズがお薦めです。
イモンズ展望台:Emmons Vista
ビレッジのすぐ横には,「イモンズ氷河:Emmons Glacier」があります。
その展望台がイモンズ展望台です。
サンライズ・ピクニック・エリア:Sunrise Picnic Area
自然の中にピクニックベンチがある素敵なエリアです。
鹿がハイカーを恐れずに何気なく歩いています。
もうちょっとトレッキングしてみたいときは,「ネイチャー・トレイル:Nature Trail」がお薦めです。
マウントレーニエの雄大な姿を見ながらのトレッキングです。
サワードゥリッジ:Sourdough Ridge(Dege Peak)
サンライズの駐車場を出発して,「デッジ・ピーク:Dege Peak」までのトレイルです。
画像の通り,デッジ・ピークからの眺望は最高です。
天気がよければ,カナダ国境の山々まで見ることができます。
適齢期:7月~9月
総距離:往復6.7㎞
標高差:244m
所要時間:約3時間
セカンドバロー:Second Burrough
サンライズからバローマウンテンまでの周辺をトレッキングするコースです。
バラエティーに富んだトレッキングで,ルピナス(高山植物)の群生を見たり,エメラルドグリーンの湖を見たりとあきない。
動物にも出会える確率が高く,ブラックベアやオグロジカ,マーモット,ナキウサギなどが生息しています。
高い山のため,油断は禁物で,天気が変わりやすいです。
出発前にビジターセンターでの情報収集は欠かせません。
適期:7月~9月
距離:First Burroughまで1周8㎞,Second Burroughまで1周11.2km
標高差:274m
所要時間:約3時間~4時間
パラダイス周辺の見どころとトレイルコース
ヘンリー・ジャクソン・メモリアル・ビジター・センターは,パラダイス・ビレッジにあります。
ニスクアリー氷河:Nisqually Glacier
パラダイス・ビレッジには,ニスクアリー氷河があります。
その氷河を見るトレッキングコースが,「ニスクアリー・ビスタ・トレイル:Nisqually Vista Trail」です。
総距離:2.5㎞
標高差:60m
所要時間:約30分
適期:6~10月
きれいに舗装された道があり,マウント・レーニアの雄姿と様々な高山植物を見ながらの散歩です。
リフレクションレイク:Reflection Lake
パラダイス・ビレッジの下にある湖です。
湖面にくっきりとマウントレーニエの雄姿を映し出します。
「スティーブンス・キャニオン・ロード:Steavens Canyon Rd」が湖の横を通っています。
駐車場に車を停めて,すぐのところに撮影ポイントがあります。
しかし,天気が良いとき限定です。
レイクストレイル:Lakes Trail
パラダイスビレッジの駐車場を出発し,リフレクションレイクまでのトレッキングです。
車でも行けるのですが,森や草原を歩いて行くコースです。
適期:6月~10月
距離:往復4.6km
標高差:220m
所要時間:約2時間
ナラダ滝:Narada Falls
リフレクション・レイクの近くにナラダ滝があります。
落差が50mあります。
駐車場から150m程下ると,滝を間近に見られる展望台があります。
展望台からは「ナラダ・フォールズ・トレイル:Narada Falls Trail」があります。
このトレイルで,近くにある「ルビー・滝:Ruby Falls」に行くことができます。
クリスティン滝:Christine Falls Bridge
ナラダ滝からは離れていますが,ロングマイアーとパラダイスの間くらいにクリスティン滝があります。
駐車場から少し歩くと,橋越しに滝が見られます。
橋のところまでは行けますが,橋の上を歩くのは危険なのだそうです。
1900年の初めごろには,この地点まで「ニスクアリー氷河」がありました。
今は,1.6kmも後退しています。
アルタビスタ・トレイル:Alta Vista Trail
パラダイス・ビレッジの北にある丘に登るトレイルです。
高山植物の花畑に出会うかもしれません。
適期:6月~10月
距離:1周2.8km
標高差:183m
所要時間:約1時間
スカイライン・トレイル:Skyline Trail
標高2073mのところにある「パノラマ・ポイント:Panorama Point」まで行くトレイルです。
真夏でも氷や雪が残っています。
適期:7月~9月
距離:往復6㎞
標高差:約400m
所要時間:約3時間
ロングマイアー周辺の見どころとトレイルコース
パラダイスよりもちょっと低い標高のところにあるのが,ロングマイアーです。
ロングマイアーから一つだけですが,トレッキングコースを紹介します。
トレイル・オブ・ザ・シャドウズ:Trail of the Shadows
ロングマイアー博物館を訪れた後に,約1.5㎞のトレッキングです。
自然の中を歩きながら,ロングマイアーの歴史を学び,感じることができます。
ロングマイアーエリアは,ジェームズ・ロングマイアーが,1890年に温泉療法リゾートを建設したところです。
古いホテル跡を示す標識がところどころにあります。
123号線沿いの見どころ
123号線沿いには,オアナペコッシュ・ビジター・センターがあります。
そのオアナペコッシュ・ビジター・センターの北にある森が見どころです。
古老の森:Grove of the Patriarchs
マウントレーニエの山麓には広大な樹海が広がっています。
オアナペコッシュ川の中州には,古老の森があります。
樹齢500年から1000年のモミの木や杉の木の森です。
適期:5月~10月
距離:往復約2㎞
標高差:なし
所要時間:約1時間
観光モデルコース
シアトル近郊のホテルからならば,1日目は,サンライズビレッジ周辺の散策をします。
散策後に,マウントレーニエの南側にあるホテルに向かいます。
そのまま,1日目は早めの休息をとり,2日目に備えます。
2日目は,ロングマイアーとパラダイスにあるトレッキングを堪能します。
前日と同じホテルで宿泊して,3日目はそのまま次の目的地に向かうか,オアナペコッシュに寄ってからにするかをその日の疲れ具合で決めたいと思います。
マウントレーニエでは,自分たちは決して登山をしません。
ハイキングやトレッキングはしますが,それも,ビジターセンターで,情報をしっかり収集してからです。
ハイキングと登山は,全くの別物と考えています。
実際に,マウントレーニエにおいても登山で亡くなっている方がいるそうです。
これで,マウントレーニエの紹介を終わります。
クレーターレイク国立公園:Crater Lake National Park(オレゴン州)
クレーターレイク国立公園は,オレゴン州南部にある国立公園です。
1902年にアメリカで5番目の国立公園として設立されました。
クレーターレイクを直訳すると「 火口の湖」です。
カルデラ湖があります。
最深部は,597 mあり,アメリカで最も深い湖で,世界では7番目の深さの湖です。
湖自体の平均標高は,1,883 mで,かなり高いところにあります。
クレーターレイクは,河川を持たないために,湖水は極めて青く澄んでいます。
これまでの自分のブログにて,州の記念25セント硬貨のところで,紹介しています。
クレーターレイク国立公園のゲートシティは,「メッドフォード:Medford」になります。
クレーターレイクまで,約2時間のドライブです。
見どころ
クレーターレイク国立公園で,一番に挙げられる「やるべきこと」は,湖の周りのドライブです。
リムドライブ:Rim Drive
メッドフォードからだと,62号線から国立公園に入ることになりますが,まずは,ビレッジやビジターセンターを訪れ,情報を収集します。
情報を収集後,1周約53㎞のドライブです。
「マザマ・ビレッジ:Mazama Village」
「リム・ビレッジ:Rim Village」「リム・ビレッジ・ビジター・センター:Rim Village Visitor Center」
「スティール・ビジター・センター:Steel Visitor Center」
リムドライブは,10月下旬から6月上旬ぐらいまで閉鎖されます。
この期間以外の時期は,リムビレッジからしか湖を見ることはできません。
リムドライブでは,途中でビューポイントやトレイルコースを堪能します。
まずは,ビューポイントを紹介します。
シノット・メモリアル・オブサーベイション・ステーション:Sinnott Memorial Observation Station
リムビレッジにある展望台です。
まずは,ここからの眺めを楽しみます。
御覧の通り,ミニ模型があるようにミニ博物館になっています。
ザ・ウォッチマン:The Watchman
展望台までは,かなり急な登りですが,展望台からは,湖中に浮かぶ高さ234mのミニ火山を見下ろせます。
ウォッチマンは,山火事を監視するための小屋です。
適期:8月から9月
距離:往復5.8㎞
標高差:128m
所要時間:往復約1時間
メリアム・ポイント:Merriam Point
ウィザード島を右に見る景色になります。
クレーターレクは,どこから見ても絵になる景色です。
クリートウッドコープ:Cleetwood Cove
クリートウッドコーブは,リムビレッジの真向かいにある入江です。
駐車場から約1.8㎞のトレイルがあり,湖岸に下りることができます。
クレーターレイクの水に,唯一手を入れることができるところです。
遊泳できるところやダイビングポイント,ボートツアーの乗り場があります。
トレイルは短いですが,とても急で危ないトレイルです。
ボートツアーは,湖を1周したり,ウィザード島に寄ったりします。
クラウドキャップ展望台:Cloudcap Overlook
リムドライブの中で,一番高い標高2427mから湖を見下ろせる展望台です。
サンセット・ポイントにもなっています。
ファントムシップ:Phantom Ship
「幽霊船」と名前がつけられた島です。
その島を見るポイントが「幽霊船展望台:Phantom Ship Overlook」です。
ピナクルス:Pinnacles
幽霊船展望台から「ピナクルズロード:Pinnacles Rd」を行くと,「ピナクルズ展望台:Pinnacles Overlook」に着きます。
ピナクルズとは,火山灰が侵食されたもので,森の中に灰色の尖塔が並んでいます。
プレイクニー滝:Plaikni Falls
ピナクルズロードの途中に,プレイクニー滝に行くトレイルコースがあります。
往復3.4kmのトレッキングで,所要時間約1時間です。
ヴィダエ滝:Vidae Falls
リムドライブ沿いにある滝です。
滝の周りには,7月下旬から8月上旬になると高山植物が花を咲かせます。
お薦めのトレイルコース
見どころのところで,紹介したポイントに付随してトレイルコースを紹介していますが,ここでもお薦めのトレッキングコースを紹介します。
キャッスル・クレスト・ワイルドフラワー・トレイル:Castle Crest Wildflower Trail
森や湿原を巡るトレッキングです。
7月下旬から8月上旬には,高山植物が花を咲かせます。
鳥もやってきます。
適期:7月~8月
距離:1周2.3㎞
標高差:30m
所要時間:約1時間
ガーフィールドピーク・トレイル:Garfield Peak Trail
標高2457mのガーフィールド山に登るトレッキングです。
適期:8月から9月
距離:往復5.8㎞
標高差:300m
所要時間:往復3時間
マウント・スコット・トレイル:Mount Scott Trail
スコット山は,標高2721mで園内最高峰です。
適期:8月から9月
距離:往復7.1㎞
標高差:381m
所要時間:約3時間
<番外>スノコルミー滝:Snoqualmie Falls(シアトル郊外)
今回で,太平洋側にある国立公園の紹介は最後になります。
シアトル周辺の国立公園として前回に「オリンピック国立公園」,今回「マウントレーニエ国立公園」を紹介しています。
シアトル郊外には,この2つの国立公園以外にも,ぜひとも紹介したい観光地があります。
「スノコルミー滝:Snoqualmie Falls」です。
シアトルの中心地から約30分のところにあります。
落差約80m,幅約30m。
特に雪解け水で水量の増える初夏には,迫力のある光景となります。
駐車場の周辺には,いくつかのビューポイントがあります。
また,下へとつながる往復約2.2kmのトレイルがあります。
標高差は約76mです。
往復約1時間のトレッキングです。
この滝が世界的に有名になったのは,1990年のドラマになります。
デビッド・リンチ監督の「ツイン・ピークス:Twin Peaks」のロケ地なのです。
スノコルミー滝は,オープニングに登場します。
撮影のほとんどが,スノコルミー滝のあるスノコルミー市や隣町のノースベンド市で行われています。
私の青春時代にめちゃくちゃ流行ったアメリカのドラマです。
シアトルに来たならば,是非とも訪れたいと思っています。
観光モデルコース
予定では,マウントレーニエ国立公園を観光後にクレーターレイク国立公園を訪れます。
クレーターレイク国立公園を観光するために,1泊するかしないかは,マウントレーニエの宿泊地をいつ発つのかによります。
朝早くから観光できるのであれば,1日で観光します。
お昼頃からしか観光できないなのであれば,2日間かけて観光します。
どちらにしても,リムドライブを周りながらの観光です。
短いトレイルをできるだけ選び,トレッキングをします。
ここで,紹介したところはできるだけ行こうと思います。
2日間かけるのであれば,ボートツアーも考慮します。
ウィザード島には行かず,周遊のツアーです。
最初にビジターセンターを訪れて,ボートツアーの情報等も仕入れます。
さて,前回と今回で,オリンピック国立公園→マウントレーニエ国立公園→クレーターレイク国立公園と紹介しました。
実際の自分たちの旅では,3回目の長期アメリカ旅行で訪れる予定です。
サンフランシスコをスタートして,北の方をぐるりと回り,再びサンフランシスコに戻るコースです。
その旅の終わりに,この3つの国立公園を訪れる予定です。
今回はこれで終わります。
次回も,アメリカの国立公園32選!を予定しています。
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