アメリカにある博物館を32に絞って紹介している「アメリカの博物館32選!」の第15弾です。
今回は,フロリダ州にある博物館を2つ紹介します。
一つ目はオーランドにある「ケネディー宇宙センター」,2つ目はキーウエストにある「アーネスト・ヘミングウェイ博物館」です。
独自ランキングでは2つの博物館は以下のようなランキングになっています。
第8位【ケネディ宇宙センター】
第20位【シックス・フロア・ミュージアム】
それでは,ケネディー宇宙センターから紹介します。
ケネディ宇宙センター:John F. Kennedy Space Center(フロリダ州ブレバード郡メリット島)
「ケネディ宇宙センター:Kennedy Space Center」は,フロリダ州オーランドの近くのブレバード郡メリット島に位置する宇宙関連施設で,「NASA:アメリカ航空宇宙局」の主要な宇宙打ち上げ施設の一つです。
住所で言うと,上記のブレバード郡メリット島になりますが,「ケープ・カナベラル:Cape Canaveral」とも呼ばれている地域になります。
このセンターは,アメリカの宇宙計画における重要な拠点であり,有人宇宙飛行や無人ロボット宇宙探査ミッションを支援するために使用されています。
オーランド空港からは車で約1時間です。
公共交通機関での行き方は無いため,オーランドからツアーで参加するか,レンタカーを借りるということになります。
ケネディ宇宙センターは,ケープカナベラル空軍基地の隣にあります。
アメリカ軍は,1949年から,今のケープカナベラル空軍基地の場所で,ロケットの打ち上げを実施していました。
1959年に,「ミサイル発射研究所 :Missile Firing Laboratory」 を今のNASAの場所に移転しました。
そして,ジョン・F・ケネディ大統領が1961年に宣言した「1960年代の間に月への有人飛行を実現する」にあわせて,NASAが拡張されました。
ケネディ宇宙センターの中で,一般公開されているところは「ビジター・コンプレックス:KSC Visiter Complex」です。
この建物に入場口があります。
このビジター・コンプレックスから,バスツアーで,ケネディー宇宙センターのそれぞれの施設の内部を見学できます。
ビジターコンプレックスには様々な展示やアトラクションがあり,一日丸ごと遊べる宇宙をテーマにしたテーマパークになっています。
ビジター・コンプレックス エリア紹介
ヒーロー&レジェンド:Heroes & Legends
アメリカの宇宙探査における英雄的な人物や伝説的な宇宙飛行ミッションに焦点を当てています。
ヒーローズ・ギャラリー:アメリカ宇宙飛行の歴史における偉大な宇宙飛行士や宇宙探査者たちの肖像写真や伝記が展示され,その功績について学ぶことができます。
例えば,アポロ計画の宇宙飛行士やスペースシャトルのクルーなどが紹介されています。
ショー・ドーンズ・ソリューションでは,アメリカの宇宙プログラムにおける初期の試行錯誤と課題をどのように克服したかを紹介しています。
伝説のランデブーでは,アメリカとソビエト連邦の宇宙競争に焦点を当て,アポロとソユーズ宇宙船の歴史的なことが紹介されています。
他にも,3D映画やインタラクティブな展示物など,宇宙探査に関する興味深いアトラクションがあります。
ロケット・ガーデン:Rocket Garden
屋外に,宇宙に関する歴史的なロケットやミサイルの展示をしています。
アトラスやタイタン,ジュピター,レッドストーンなど,実際に使用された宇宙ロケットやミサイルが展示されています。
それらのいくつかのロケットは,実際に内部に入ることができ、内部の構造や装備を見学できるようになっています。
ジャーニー・トウ・マーズ:Journey to Mars
火星への宇宙探査に焦点を当てた展示をしています。
火星の地表に建設されるベースキャンプを想像し,「マーズ・ベース1:Mars Base 1」として展示されています。
他にも,大気や地質に関する情報や有人探査に必要な訓練と準備について説明しています。
そして,NASAや他の宇宙機関の火星への有人飛行がどのように計画されているかについて説明しています。
他にも,ロボット探査車の操作を体験できたり,火星の地形を疑似探索できたりします。
スペースシャトル・アトランティス:Space Shuttle Atlantis
スペース・シャトル「アトランティス」の実物が展示してあり,360度から見学できます。
アトランティスは,NASAのスペースシャトルプログラムで運用された5機のスペースシャトルのうちの1つです。
アトランティスは,1985年に初飛行し,計33回のミッションを成功させました。
そのミッションには,「国際宇宙ステーション:ISS」の建設,ハッブル宇宙望遠鏡の修理,さまざまな科学実験などが含まれます。
アチランティスは,展示ホールの天井から吊るされ,その下に歩くことができます。
アトランティスの周りには,宇宙飛行士の宇宙服や用具,写真,ビデオなどが展示されています。
プラネットプレイ:Planet Play
子どもと家族向けのインタラクティブな展示エリアで,宇宙と科学に関する楽しい学習体験を提供しています。
例えば,惑星モデルや太陽系の模型,宇宙探査機のレプリカ,ロケットの模型,宇宙服の着用体験などがあります。
他にも,IMAXシアターがあり,宇宙に関する映画やドキュメンタリーが上映されます。
これらの映画は,宇宙飛行やロケット打ち上げ,宇宙探査,宇宙ステーション,地球観測,天体観測など宇宙に関連するさまざまなテーマに焦点を当てています。
IMAXの大画面と迫力のサウンドシステムで,まるで宇宙にいるかのような臨場感を味わえます。
バスツアー
ケネディー宇宙センターの立ち入り禁止のエリアを見学できるバスツアーが無料で運行されています。
バスは,約15分おきに出発しています。
それぞれの見学を合わせ,トータル2時間から2時間半必要です。
バス見学地①
「シャトル組立棟:Vehicle Assembly Building」
「VAB」と呼ばれ,世界最大の1階建てであり,この内部でロケットやシャトルの組み立てが行われています。。
残念ですが,バスで近くを通るだけで,中は見学できません。
この建物にペイントされたアメリカ・フラッグの大きさは,アメリカ最大だそうです。
バス見学地②
「シャトル発射台展望ガントリー:LC-39 Observation Gantry」
展望台からシャトルやロケットの発射台を見ることができます。
そこからは、先ほどのシャトル組立棟も見えます。
3つの打ち上げ地点があり,そのうちの一つは「Space X」にリースしているそうです。
シャトルやロケットををゆっくりと運搬する車も見ることができます。
バス見学地③
「アポロ/サターン5センター:Apollo/Saturn V Center」
アポロ・サターン5センターを見学する場合は下車します。
そして,時間を気にせず,自由に見学できます。
バスは15分おきに出ているので,再びVisiter Complexに戻りたいときはまたバスに乗ります。
アポロ・サターン5センターまでは約30分ほどかかります。
車内では,スペースセンターに関するビデオ上映があります。
ゲートを入ると,5分ほどのアポロ計画に関する映像の上映があります。
当時のコントロールルームを再現した部屋があり,あの有名なアポロ8号発射の瞬間を疑似体験できます。
ケネディ大統領が「1960年代中に人類を月に送る:we chose to go to the moon」の有名な宣言を見た後に,上映されます。
アトラクション終了後は,シアターのゲートが開き,巨大なサターン5(アポロの実機)に出会います。
実際に使用された宇宙船,アポロ14号の司令船も展示されています。
アポロ関連の展示が多数あり、その中には,月の石もあります。
他にも有料で以下のような体験ができます。
「Astronaut Encounter」実際に宇宙飛行士の方から体験談を聞いたり質問したりすることができます。
「Lunch with Austronaut」宇宙飛行士と昼食をする約1時間 のツアーです。
「Astronaut Training Experience」約3~4時間の宇宙飛行士トレーニング体験ツアーです。
トレーニング体験ツアーは,体重や年齢制限がありますが,実際に日々宇宙飛行士たちが行っている本格的な訓練を体験できるというものです。
無重力体験やシャトルの操作シミュレーションができます
これで,ケネディー宇宙センターの紹介を終わります。
アーネスト・ヘミングウェイ博物館:Ernest Hemingway Home and Museum(フロリダ州キーウエスト)
「アーネスト・ヘミングウェイ博物館:Ernest Hemingway Museum」は,アメリカの有名な作家アーネスト・ヘミングウェイに関連する展示物や歴史的な遺物を展示しています。
この博物館は,ヘミングウェイがキーウエストで多くの時間を過ごし,いくつかの重要な作品を執筆した場所であり,彼の家を公開しています。
ヘミングウェイが,1930年代から1940年代にかけて住んでいたキーウェストの邸宅である「ヘミングウェイ・ハウス:Hemingway House」を博物館として利用しています。
ヘミングウェイは,キーウエストを愛していたことで有名で,二度目の妻と息子達と約8年間をこの家で過ごしました。
ヘミングウェイが,後の3番目の妻とキューバへ駆け落ちした後も,2番目の妻と息子達はこの邸宅に住み続け,ヘミングウェイも度々訪れていたそうです。
ヘミング・ウェイについて
「アーネスト・ミラー・ヘミングウェイ:Ernest Miller Hemingway」
1899年7月21日 – 1961年7月2日
アメリカ出身の小説家・詩人
1954年にノーベル文学賞受賞
代表作「日はまた昇る」「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」「老人と海」など
アメリカ文学の古典として考えられており,独特でシンプルな文体は,後に「ハードボイルト」と呼ばれるジャンルになります。
1954年に「老人と海」が大きく評価され,ノーベル文学賞を受賞しますが,同年,二度の航空機事故に遭ってしまいます。
二度とも奇跡的に生還しましたが,重傷を負い授賞式には出られませんでした。
晩年は,事故の後遺症による精神的な病気に悩まされるようになりました。
そして,1961年7月2日の早朝,散弾銃による自殺を遂げました。
ヘミングウェイは,世界中の様々な場所に家を持ちました。
それらの中で,現在、3つの家が当時のままで保存されています。
イリノイ州オークパーク,キューバのサンチアーゴ・デ・パウラ,そして,今回紹介しているフロリダ州キーウェストです。
イリノイ州オークパークのヘミングウェイ邸は,ヘミングウェイの生家です。
通りを挟んだすぐのところにヘミングウェイ博物館があります。
生家の方は,残念ながら現在は私有地となっており、一般には公開されていません。
ヘミングウェイはここで生まれ,6歳の時に引っ越しています。
キューバの家はフィンカ・ビヒアとして知られており,現在は博物館として屋敷の一部が公開されています。
ヘミングウェイが人生の3分の1を暮らした家です。
見どころ
博物館には,幼少期の日記や青年時代の貴重な写真,初恋の相手,看護師の「アグネス・フォン・クロウスキー」が送った別れの手紙,初期作品の一部などが展示されています。
これらの資料は,本当にヘミングウェイの作品を熟読していて,純粋にヘミングウェイを堪能したい方にとって,とても満足できるものとなるはずです。
あまりヘミングウェイを知らない方にとっては,博物館の見どころとなると,次の2つになると思います。
①家具や調度品
かつてのヘミングウェイの家が博物館になっているのですから,当時の家具や調度品がそのまま公開されています。
ヨーロッパまで買いに行ったとも言われていますから,
②ヘミングウェイの猫
ヘミングウェイの猫好きは有名です。
キーウェストの家に住んでいた時に,知り合いの船長から2匹の猫をもらいました。
ただの猫ではなく,足の指が6本ある多指症の猫でした。
ヘミングウェイは,幸運を呼ぶ猫だと信じて飼い始めます。
現在,キーウェストのヘミングウェイ博物館では,この猫の直系子孫が50匹ほど今も飼われています。
そして,6本指の遺伝子を受け継いでいます。
この地域の条例では,猫を飼うのは1世帯に4匹までという制限があるそうなのですが,この博物館は「6本指のヘミングウェイの猫たちは,歴史的かつ社会的に意義があり,観光面でも重要」として,多頭飼いが認められているそうです。
これで,アーネスト・ヘミングウェイ博物館の紹介を終わります。
キーウェストについて
アーネスト・ヘミングウェイ博物館に行くならば,当然のことながら,キーウェストに行かなければなりません。
どちらかというと,「アーネスト・ヘミングウェイ博物館に行きたい!」というよりは,「キーウェストに行きたい!ついでに,どうせならヘミングウェイ博物館に行こう。」という方が大半だと思います。
そして,「キーウェストに行きたい」と思う方の一番の理由は,「セブンズ・マイル・ブリッジを車で走りたい」だと推測します。
フロリダ半島南端からキーウェストまで続く道路が,「国道一号線:US-1」です。
国道一号線は,別名「オーバーシーズ・ハイウェイ:Overseas Highway」とも呼ばれています。
その名の通り,海の上を通るハイウェイです。
正確に言うと,すべて海の上を走っているわけではなく,西の方に点々と続く島々を通っています。
西へ続く島々は,フロリダキーズと呼ばれています。
「キー:Key」とはサンゴ礁などでできた島のことです。
約50の小島が40以上の橋で結ばれています。
その最果ての島が,アメリカ本土最南端であるキーウエストです。
マイアミからキーウェストまでは車で約4時間かかります。
キーウェストまでのオーバーシーズ・ハイウェイの中でも,一番長い橋のところは「セブン・マイル・ブリッジ:Seven Mile Bridge」と呼ばれています。
全長6.765マイル(10.887km)の橋です。
1979年から1982年にかけて建設され,1982年5月24日に開通しました。
画像では,2つの橋が平行にありますが,左側の橋が新しい方の橋で車で走ることができます。
右側の橋は,古いホウン橋で,鉄道王であるヘンリー・フラグラーが1909年から1912年にかけて列車用に作った橋です。
この橋は1913年から1935年まで運用されていましたが,度重なるハリケーンの影響で橋は封鎖されました。
この古い方の橋は,西側約1キロメートルの区間は,世界一長いフィッシング・ピアとして一般に開放されていて,自由に歩くことができます。
さて,今回はフロリダ州にある博物館を2つ紹介しました。
予定では,フロリダ州を自分たちのアメリカ長期旅行では,2回目の旅行で訪れる予定です。
ゆっくりするためにも,キーウェストでは1泊しようと思っています。
1泊せずに日帰りにすると,1日の大半を運転することになります。
シニアにとってはそれは結構つらいかもしれません。
今回はこの辺で。
次回も「アメリカの博物館32選!」を予定しています。
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