「アメリカの国立公園32選」の第21弾です。
今回が紹介する国立公園の最後になります。
最後と言っても，今回の国立公園は，最初に紹介した「グランドキャニオン国立公園」のように，とても広大で見どころがたくさんあるため，二回に分けて紹介します。
ラストを飾る国立公園は，ワイオミング州とアイダホ州，モンタナ州にある「イエローストーン国立公園」です。
オリジナルランキングにて，イエローストーン国立公園は第2位でした。
「アメリカの国立公園32選」の一番最初に紹介したのは，オリジナルランキング1位のグランドキャニオン国立公園のサウスリムでした。
そして，今回，「アメリカの国立公園32選」の一番最後に紹介するのが，オリジナルランキング2位のイエローストーン国立公園というわけです。
イエローストーン国立公園は，ワイオミング州とアイダホ州，モンタナ州と3つの州に広がる国立公園です。
それでは，紹介します。
イエローストーン国立公園：Yellowstone National Park（アイダホ州，モンタナ州，ワイオミング州）
Alex Ranaldi | Flickr（Noncommercial use allowed）
イエローストーン国立公園は，北アメリカ大陸最大の火山地帯にあり，広大な敷地に様々な間欠泉や温泉，地熱による観光スポットが散在していることで有名です。
大地が織りなすパフォーマンスを体験できる，ディズニーのようなテーマパークと言っても過言ではありません。
1872年に世界初の国立公園に指定されたことで有名ですが，イエローストーンの大地の発見を遡ると，1804年のルイス・アンド・クラーク探検隊になります。
ルイス・アンド・クラーク探検隊とは，フランスから「ルイジアナ購入」を決めたジェファーソン大統領が，アメリカ大陸西部へ派遣した探検隊です。
詳しくは，ここ↓を見てください。
【西北中部地区②】州の25セント硬貨のデザイン紹介 mohamoha47
このルイス・アンド・クラーク探検隊にいた隊員が，隊を離れて，初めてこの地域を訪れたとされています。
それから，いろいろな人が訪れては，単なるうわごとや伝説として片付けられていたイエローストーン地区ですが，詳しく紹介されたのは，1871年になります。
1872年に，グラント大統領がイエローストーン国立公園を設立する法案に署名し，世界で最初の国立公園となりました。
そして，1976年には，グランドティトン地域とともにユネスコの生物圏保護区にしていされ，1978年に世界遺産に登録されました。
イエローストーン国立公園は，5つの地域に区分されます。
画像の青字のところです。
「マンモス・カントリー：Mommoth Country」
「ルーズベルト・カントリー：Roosevelt Country」
「キャニオン・カントリー：Canyon Coutry」
「ガイザー・カントリー：Geyser Country」
「レイク・カントリー：Lake Country」
今回は，「ガイザー・カントリー」「レイク・カントリー」を紹介したいと思います。
イエローストーン国立公園の南の半分です。
また，画像では，イエローストーン国立公園の入場ゲートとその玄関口となる町を載せました。
それぞれの入場口は，使用できる期間が決まっています。
西入口（ウエスト・イエローストーンから）：4月中旬～10月
南入口（ジャクソン，グランドティトン国立公園から）：5月中旬～10月
北入口（ボーズマン，リビングストン，ガーディナーから）：年中オープン
北東入口（クックシティから）：5月下旬～10月（クックシティからマンモスは年中オープン）
東入口（コーディ，デビルスタワーから）：5月上旬～10月
ホテルなどの宿泊地ですが，国立公園内の幾つかのビレッジのホテルやロッジを利用するか，画像にある町周辺の宿泊地を利用すると良いと思います。
公園内の有名ホテルを一つ，紹介します。
ガイザーカントリー地区にある「オールド・フェイスフル：Old Faithful」というビレッジにあります。
ここにある「オールド・フェイスフル・イン：Old Faithful Inn」は，世界最大のログハウスとして有名です。
本館は，1904年開業の歴史あるログハウスです
本館とリニューアル済みの西館（West Wing），東館（East Wing）の3棟にあります。
私たちも，運が良ければ泊まってみたいと思っています。
非常に人気で，ピークの夏には数か月前から予約が埋まってしまいます。
本館は公式HPからのみ予約できます。
建物自体に見ごたえがあるので，観光に訪れる方もいます。
グランドループ：Grand Loop（8の字ループ）
公園の敷地は広大で，南北で約102km，東西で約87kmあります。
園内には8カ所のビレッジがあり，そこを周遊道路が通っています。
8の字に道路が通っているため，「8の字ループ」と呼ばれていますが，正式名は「グランドループ：Grand Loop」です。
スタート地から8の字のようにドライブして，またスタート地に戻ると，約280kmもの長さになります。
北（画像では上）のサークルを「アッパーループ：Upper Loop」と呼び，1周約113kmあります。
南（画像では下）のサークルを「ロウアーループ：Lower Loop」と呼び，1周約153kmあります。
観光も入れると，とても1日でまわることはできません。
宿泊地が園内であれば良いのですが，園外で泊まる場合はもっと時間を要します。
そして，イエローストーン国立公園をドライブする場合は，気をつけなければならないことが2つあります。
一つめは，交通情報の確認を必ずすることです。
通行止めになっていないかのチェックをするということです。
公園内の道路は，基本的に1本道のため，迂回路がありません。
通行止めになっていたら，引き返すしかなく，計画の変更を余儀なくされます。
交通情報は，↓国立公園局のホームページ↓で確認できます。
二つめは，イエローストーン国立公園に限らないのですが，スマホの電波が圏外になることです。
レンタカーにカーナビが付いていれば別ですが，スマホのマップを利用するときは，圏外では見られなくなります。
そのような事態にならないように，「オフラインマップ」を使用します。
グーグルマップの場合，指定した範囲のマップをスマホにダウンロードできるサービスがあります。
このブログでも，グーグルマップの埋め込み機能はかなり利用しています。
たぶん，iPhoneもアンドロイドもほぼ一緒だと思います。
①まずは，中心となる場所を選択します。（例えば，検索欄に「イエローストーン国立公園」と入力）
②場所の詳細の中に「ダウンロード」機能があり，選択してダウンロードします。（範囲を確認します。）
GPS機能は，ネットに繋がってなくても使えます。
しっかりと，ナビしてくれます。
それでは，エリアごとに見どころを紹介します。
今回は，「ロウアーループ：Lower Loop」にある「ガイザーカントリー」と「リバーカントリー」を紹介します。
ガイザー・カントリー：Geyser Country
イエローストーン国立公園で，最も多くの人が集まるエリアです。
たくさんの間欠泉が見られます。
「間欠泉」とは，一定周期で水蒸気や熱湯を噴出する温泉のことです。
世界を代表する間欠泉が，このイエローストーン国立公園のガイザーカントリーにあります。
「オールド・フェイスフル：Old Faithful」
ガイザー・カントリー内のビレッジです。
オールド・フェイスフルの街には，お土産屋やレストラン，ロッジが複数あり，公園内で一番賑わっているビレッジです。
冒頭に紹介した世界最大のログハウス「オールド・フェイスフル・イン：Old Faithful Inn」も，この村にあります。
「オールド・フェイスフル・ビジター・アンド・エドゥケーション・センター：Old Faithful Visitor and Education Center」
オールド・フェイスフル・ガイザーのすぐ近くに，ビジターセンターがあります。
ビジターセンターには，間欠泉の噴出時間が貼り出されています。
窓からは，オールド・フェイスフル・ガイザーが見えます。
また，いろいろな展示があります。
「オールド・フェイスフル・ガイザー：The Old Faithful Geyser」
おそらく世界で一番有名な間欠泉だと思われます。
「faithful」の意味は，「忠実な」です。
それほど，一定間隔で噴出するからこの名がつきました。
1870年に，ウォシュバーン探検隊によって名づけられました。
公園内で最初に名前をつけられた間欠泉です。
一定間隔で，約40ｍの高さまで噴出します。
見学するための「オールドフェイスフル展望デッキ：Old Faithful – Observation Deck」や「オールドフェイスフル展望台：Old Faithful Viewing Area」があります。
「アッパー・ガイザー・ベイシン・トレイル：Upper Geyser Basin Trail」
オールド・フェイスフルでは，オールド・フェイスフル・ガイザーだけでなく，いろいろな見どころがあります。
そのトレッキングコースです。
「モーニング・グローリー・プール：Morning Glory Pool」まで行ってから，引き返すのが良いようです。
それでも，観光込みで約2時間を要します。
1周約5.5km，所要時間約2時間（観光込み），ほぼ平坦
「ブラック・サンド・ベイシン・トレイル：Black Sand Basin Trail」
オールド・フェイスフルから191号線を少しだけ北に進んだところにあります。
駐車場があり，全部廻っても，観光込みで1時間かからないと思います。
「ビスケット・ベイシン・トレイル：Biscuit Basin Trail」
ビスケット・ビスケット・カイザーを見るためのトレイルです。
もうちょっと奥に進むと，「Mystic Falls」があります。
ここまで行くと往復1時間かかります。
「ミッドウェイ・ガイザー・ベイシン・トレイル：Midway Geyser Basin Trail」
1周1.3kmのトレイルです。
園内最大のGrand Prismatic Springや他３つの温泉を近くで見ることができます。
早朝は霧がかかり見づらいため，昼以降に訪れるのがおすすめです。
約20分の坂道を歩いて，「展望台：Grand Prismatic Spring Overlook」に行けば，全体が見渡せるところに到着します。
綺麗なグラデーションカラーが圧巻です。
イエローストーンに来たならば，オールド・フェイスフルとともに，この景色は必見です。
往復2.6㎞，所要時間は約1時間
「ロウワー・ガイザー・ベイシン：Lower Geyser Basin」
ミッドウェイ・ガイザー・ベイシンをさらに北に進むと，ロウワー・ガイザー・ベイシンがあります。
ここには，噴出予定時間が発表されているものでは，車に乗ったまま見学できる間欠泉があります。
191号線を更に行くと，「ファウンテン・フラット・ドライブ：Fountain Flat Drive」があります。
小川に沿って草原が広がっており，バッファロー遭遇率が高いです。
「ギボン滝・野生鳥獣トレイル：Gibbon Falls Wildlife Trail」
191号線を北に進み，三叉路で89号線を東に進むとギボン滝があります。
「ノリス・ガイザー・ベイシン・トレイル：Norris Geyser Basin Trail」
ギボン滝から89号線を北に進むと，ノリス・ガイザー・ベイシンがあります。
ノリス・ガイザー・ベイシンは，園内で最も活発な温泉エリアです。
「ポーセレインベイスン：Porcelain basin」と「バックベイスン：back Basin」に分かれており，それぞれループトレイルがあります。
ブルーの温泉が多く見られ，世界最大の間欠泉と言われる「Steamboat Geyser」があります。
基本的に小さな噴出しか見られませんが，不定期に大噴出するようです。
所要時間は，２つのトレイルを歩いた場合，約1時間30分です。
近くには，ビジターセンターがあります。
「ノリス・ガイザー・ベイシン博物館：Norris Geyser Basin Museum」
間欠泉や熱水活動に関する展示があります。
ガイザー・カントリーの見どころの紹介はここまでです。
レイク・カントリー：Lake Country
次に，レイク・カントリーの紹介です。
レイク・カントリーは，公園の南東にある「イエローストーン湖：Yellowstone 」周辺のエリアです。
「ウェスト・サム：West Thumb」
イエローストーン湖を手に例えると，親指の位置にあるため「ウエストサム：West Thumb」と呼ばれている湖の西にあるビレッジです。
「ウエスト・サム・インフォメイション・ステーション：West Thumb Information Station」というビジターセンターがあります。
湖畔や熱水活動に関する情報を提供しています。
そこから，「ウエスト・サム・ガイザー・ベイシン・トレイル：West Thumb Geyser Basin Trail」があります。
1周約1.6kmのトレイルで，いろいろな見どころがあります。
「Thumb Geyser」「Surging Spring, Yellowstone」「Bluebell Pool」「Lakeshore Geyser」「Hillside Geyser」「Twin Geyser」「Painted Pool」「Abyss Pool」などがあります。
「Abyss Pool」は，深さが約16ｍあり，その深さから独特の色をしています。
「グラントビレッジ：Grant Village」
ウェスト・サムからもう少し南に行くと，「グラントビレッジ：Grant Village」があります。
このビレッジにも「グラント・ビジターセンター：Grant Visitor Center」があります。
公園の自然史だけでなく，山での火災の影響についての展示があります。
また，「グラント・ビレッジ・アンフィシアター：Grant Village Amphitheater」があります。
アンフィシアターとは，円形の劇場のことです。
いろいろな催しは，ビジターセンターで情報提供がされています。
「フィッシング・ブリッジ：Fishing Bridge」
ここにもビジターセンターがあります。
「フィッシング・ブリッジ・ビジターセンター・アンド・トレイルサイド・ミュージアム：Fishing Bridge Visitor Center and Trailside Museum」
湖や川の生態系と野生生物に関する展示があります。
この周辺には幾つかの適度な距離のトレッキングコースがあります。
「フィッシング・ブリッジ・トレイル：Fishing Bridge Trail」
「エレファント・バック・トレイル：Elephant Back Trail」
「ペリカン・クリーク・ネイチャー・トレイル：Pelican Creek Nature Trail」
「ストーム・ポイント・トレイル：Storm Point Trail」
「ペリカン・バレー・トレイル：Pelican Valley Trail」
どのトレイルもお薦めです。
レイク・カントリーには他にも，「ブリッジ・ベイ：Bridge Bay」「レイク・ビレッジ：Lake Village」があります。
「マッド・ボルケーノ：Mud Volcano」
Yellowstone National Park photo by Tjflex2 | Flickr（Noncommercial use allowed）
イエローストーン湖にあるフィッシングブリッジより北に行くと，「マッド・ボルケーノ：Mud Volcano」のポイントに着きます。
この地域は「泥火山」になります。
はるか下から漏れる蒸気によって加熱された泡立つ泥水のある地域です。
駐車場前の舗装路からも見えます。
1周約2km「マッド・ボルケーノ・トレイル：Mud Volcano Trail」があり，いろいろなポイントを巡ることができます。
レイク・カントリーの見どころ紹介を終わります。
さて，今回はイエローストーン国立公園の紹介の前半で，「ロウアーループ」にある見どころを紹介しました。
イエローストーン国立公園は，「マンモス・カントリー：Mommoth Country」「ルーズベルト・カントリー：Roosevelt Country」「キャニオン・カントリー：Canyon Coutry」「ガイザー・カントリー：Geyser Country」「レイク・カントリー：Lake Country」の5つのエリアに分けられます。
それらのエリアに8の字の道路が通っており，その「8」の2つの○によって，「アッパー」と「ロウワー」の2つに分けることができます。
「アッパー」には，マンモス・カントリーとルーズベルト・カントリー，キャニオン・カントリーの3つエリアがあります。
「ロウワー」には，ガイザー・カントリーとレイク・カントリーの2つのエリアがあります。
今回は「ロウワー」のガイザー・カントリーとレイク・カントリーの見どころを紹介しました。
次回は，「アッパー」のマンモス・カントリーとルーズベルト・カントリー，キャニオン・カントリーの見どころを紹介します。
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