【西北中部地区②】州の25セント硬貨のデザイン紹介  mohamoha47

州の記念コイン

米国造幣局の200周年記念コインの紹介の第10弾です。

今回は,中西部の西北中部地区の残り4州の紹介です。

中西部(MIDWEST):西北中部地区(WEST NORTH CENTRAL)の州のコイン

ネブラスカ州の記念コイン

NEBRASKA photo by LLudo on Flickr (NonCommercial use allowed)

ネブラスカ州:NEBRASKA

1867年に加盟(37番目)

チムニーロック:Chimney Rock

幌馬車(幌牛車):a covered wagon

「Chimney Rock」

2006年発行

幌馬車(幌牛車):a covered wagon

ネブラスカ州の州内には,開拓時代に利用されたオレゴン街道モルモン街道などが横切っています。

西部開拓時代には,コインに描かれているような幌馬車が,いくつかの街道を行き来していました。

チムニーロック:Chimney Rock

「Chimney Rock」

Chimney Rock National Historic Site – Nebraska photo by Doug Kerr on Flickr (Commercial use allowed)

オレゴン・トレイル(街道)のネブラスカ州内に画像の「チムニーロック:Chimney Rock」があります。

ネブラスカ州の記念コインには,幌馬車(幌牛車)のバックにチムニーロックがあり,太陽がさんさんと輝いています。

約135mの高さのチムニー・ロックは,オレゴン街道を行き来する人々の良き道しるべでした。

1956年に国立史跡に指定され,国立公園局の管理下で,ネブラスカ州立歴史協会が管理運営をしているそうです。

ネブラスカ州には,もう一つ,「スコッツブラフ・ナショナル・モニュメント:Scotts Bluff National Monument」があります。

Scotts Bluff National Monument – Nebraska photo by  Doug Kerr on Flickr (Commercial use allowed)

スコッツブラフ・ナショナル・モニュメントは,ネブラスカ州西部にある岩山です。

1919年に国定記念物に指定されています。

高さ244メートルの切り立った絶壁で,この岩もオレゴン街道を行き来する人々の良き道しるべでした。

チムニーロックからスコッツブラフまで約37㎞,車で約30分の距離です。

オレゴントレイルには,もう一つ有名な岩山があります。

ネブラスカ州ではないのですが,ワイオミング州にある「インディペンデンス・ロック:Independence Rock」です。

チムニーロックとインディペンデンス・ロックは,オレゴン・トレイル沿いの二大名所とされています。

Independence Rock Natrona,Wyoming Independence Rock is on the Oregon Trail. People would carve their name in the rock if they arrived before Independence Day because it meant they’d get to Californian or Oregon before snow came. photo by  Jim Bowen on Flickr (Commercial use allowed)

カンザス州のインディペンデンスを出発して「オレゴン州に辿り着くためには,ここを独立記念日(independenca day)の7月4日には通り過ぎたい」という意味で名づけられたそうです。

なぜ,7月初旬までに通り過ぎないといけないかというと,オレゴン州の前にはロッキー山脈があり,遅くなると真冬のロッキー山脈越えをしなければならないからです。

インディペンデンス・ロックのあちこちには,7月4日までに辿りついた開拓者たちの名前が彫られているそうです。

ネブラスカ州のスコッツブラフからワイオミング州のインディペンデンス・ロックまで,約380㎞,車で約3時間45分の距離です。

カンザス州の記念コイン

KANSAS photo by LLudo on Flickr (NonCommercial use allowed)

カンザス州:KANSAS

1861年に加盟(34番目)

アメリカバイソン:an American buffalo

ひまわり:sunflowers

2005年発行

アメリカバイソン:an American buffalo

私のブログでこれまで何回かアメリカバイソンを題材にアメリカを紹介してきましたが,カンザス州とのつながりを書いたことはありません。

しかし,カンザス州の「州の動物:official state animal」に1955年に認定されており,カンザス州が合衆国に加盟したころは,州内の至る所で見られたそうです。

アメリカバイソンを州の動物として承認している州は,カンザス州以外には,オクラホマ州とワイオミング州があります。

カンザス州には,「マックスウェル野生動物保護区:Maxwell Wildlife Refuge」があり,約200頭のバイソンが群れで暮らしています。

Window Maxwell Wildlife Refuge photo by Tom Magliery on Flickr (NonCommercial use allowed)

カンザス州はアメリカのほぼ中央に位置し,大平原が続く土地であるため,「人よりも牛の方が多い」ころもあったそうです。

カンザス州は,現在も牧畜と農業のふたつが主力産業です。

ひまわり:sunflowers

カンザス州は,「ひまわりの州:Sunflower state」という公式のニックネームを持つほど,ひまわりと関係が深い州です。

もちろん,「州の花:state flower」にもなっています。

「ひまわり州」「モクレン州」「常緑樹の州」:植物由来の州ニックネームの話② mohamoha20」にて,紹介をしています。

Welcome to Kansas near Goodland, Kansas photo by Ken Lund on Flickr (Commercial use allowed)

アイオワ州の記念コイン

IOWA photo by LLudo on Flickr (NonCommercial use allowed)

アイオワ州:IOWA

1846年に加盟(29番目)

教室が一つしかない学校の校舎とその前で木を植えている先生と生徒たち:
a one-room schoolhouse with teacher and students planting a tree

「Grant Wood」

「Foundation in Education」

「JM」

2004年に発行

「Grant Wood」

グラント・デボルソン・ウッド:Grant DeVolson Wood (1891-1942)」は,アイオワ州の画家です。

代表作に,「アメリカンゴシック:American Gothic」があります。

American Gothic photo by midiman on Flickr (Commercial use allowed)

イリノイ州のシカゴ美術館に展示されています。

グラント・ウッドは,地元の高校を卒業後,ミネソタ州のミネアポリスにある美術学校に入学し,1年後に再びアイオワ州に戻ってきます。

その後,イリノイ州のシカゴ美術館にも入学し,芸術家として認められます。

グラント・ウッドを一言で言い表すと,アイオワ州にて地域主義運動に関わり,アメリカの農村をテーマにした絵画作品を数多く制作した,アメリカではかなり有名なアーティストです。(地域主義:地域の特性を基礎とし,地域の自主性を保ちながら,その連帯を促進しようとする考え方)

教室が一つしかない学校の校舎とその前で木を植えている先生と生徒たち:a one-room schoolhouse with teacher and students planting a tree

このデザインは,上で紹介したグラント・ウッドの作品「植樹祭:Arbor Day」をモチーフにしたものです。

作品「アーバー・デイ」は,「ボストン美術館:Museum of Fine Arts (MFA) Boston」に展示されています。 

Grant Wood: Arbor Day (1932) photo by Jim Forest on Flickr (NonCommercial use allowed)

見比べてみると,モチーフにしたというよりもそのまんまコピーのような気もします。

それだけ,アイオワ州の記念コインは「グラント・ウッド推し」なのだと思います。

グラント・ウッドはミネアポリスからアイオワ州に戻ってから,ワンルーム・スクール校舎で先生として教壇に立っていたそうです。

日本では教室が一つしかないワンルーム・スクール校舎はなじみがないですが,アメリカではポピュラーなのだと推測します。

私がすぐに思い浮かべたことは,「大草原の小さな家:Little House on the Prairie」のローラやメアリーが通っていた教会兼学校の校舎です。

rock hill school One room schoolhouse at Rock Hill, Oregon. photo by Bruce Fingerhood on Flickr (Commercial use allowed)

画像のは,オレゴン州のロックヒルというところにあるワンルーム・スクール校舎です。

コインやグラント・ウッドの絵のデザインは,校舎の前で先生と子どもたちが木を植えています。

植樹祭:Arbor Day」です。

植樹祭は,木を植えることを推奨する行事です。

「Foundation in Education」

教育の設立」とか「教育に基礎を置く」という意味になると思います。

アイオワ州は,州の成立当初から教育制度の確立に力を入れてきたことをアピールしているのだと思います。

「JM」

おそらく,コインの原版のデザイン作者である「ジョン・マーカンティ:John Mercanti」のイニシャルだと思われます。

ミズーリ州の記念コイン

from Shutterstock

ミズーリ州:MISSOURI

1821年に加盟(24番目)

ゲートウェイ・アーチ:the Gateway Arch

ミズーリ川を下るルイスとクラーク:Lewis and Clark returning down the Missouri river

「Corps of Discovery 1804-2004」

「AM」

ミズーリ川を下るルイスとクラーク:Lewis and Clark returning down the Missouri river

アメリカの西部開拓は,フランスからのルイジアナ購入によって始まりますが,それまでは,ルイジアナ州のセントルイスが西の端でした。

購入を決めたジェファーソン大統領は,自分の秘書である「メリウェザー・ルイス:Meriwether Lewis」に西の未開拓地の調査を命じます。

ルイスは,アメリカ独立戦争時の軍隊の元上司である「ウィリアム・クラークWilliam Clark」と共に探検隊を結成します。

ルイス・クラーク探検隊Lewis and Clark Expedition」は,1804年にセントルイスを出発し,ミズーリ川を遡り,ロッキー山脈を越えて遂には太平洋に辿り着きます

そして,2年後の1806年にセントルイスに帰還したその時の様子がコインに描かれています。

太平洋への陸路での探検をして帰還した白人のアメリカ人で最初の探検隊です。

Lewis and Clark with Sacagawea photo by Bill McChesney on Flickr (Commercial use allowed)

「Corps of Discovery 1804-2004」

ルイス・クラーク探検隊は「発見隊Corps of Discovery」と呼ばれ,現在も知られています。

1804年は探検隊がセントルイスを出発した年であり,2004年はコインが発行された次の年で,ちょうど記念すべき200周年の年です。

ルイス・クラーク探検隊についてはいろいろな博物館で取り上げられていたり,2人の銅像が探検したトレイル上で見つけたりすることができます。

ゲートウェイ・アーチ:the Gateway Arch

ミズーリ州の「西部への玄関口:Gateway to the West」と言われているセントルイスにある「ゲートウェイアーチ:the Gateway Arch」が,ルイスとクラークが下るミズーリ川の向こうにあります。

ゲートウェイアーチについては,その地下にある博物館も含めて「「ディキシー」「フロンティアストリップ」:地域の呼び名の話① mohamoha 10」「西部開拓を由来とする州ニックネームの話 mohamoha34」にて紹介しています。

Gateway Arch – St. Louis – Missouri photo by Sam valadi on Flickr (Commercial use allowed)

「AM」

おそらく,コインの原版のデザイン作者である「アルフレッド・マレツキー:Alfred Maletsky」のイニシャルだと思われます。

今回はここまでです。

今回のページの情報源は以下のとおりです。

state symbols USA
50州25セント硬貨 Wikipedia
コインと語源で旅するアメリカ50州

次回も,中西部の東北中部地区の州を紹介していきます。

ウィスコンシン州,ミシガン州,イリノイ州,インディアナ州,オハイオ州の5州の記念コインの紹介をします。

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