米国造幣局の200周年記念コインの紹介の第9弾です。
中西部の西北中部地区を2回に分けて紹介します。
今回は,北の3州を紹介します。
中西部(MIDWEST):西北中部地区(WEST NORTH CENTRAL)の州のコイン
ノースダコタ州の記念コイン
ノースダコタ州:NORTH DAKOTA
1889年に加盟(39番目)
2頭のアメリカバイソン:American buffalo
夕日の沈むバッドランズ:a setting sun and badlands
2006年発行
2頭のアメリカバイソン:American buffalo
アメリカバイソンについては「アメリカバイソンの話 mohamoha18」で詳しく紹介しています。
ノースダコタ州では,主に「メドラ:Medora」の「セオドア・ルーズベルト国立公園:Theodore Roosevelt National Park」で野生のアメリカバイソンを見ることができます。
また,「ジェームスタウン:Jamestown」には,「ナショナル・バッファロー・ミュージアム:National Buffalo Museum」があります。
博物館には,バッファローやハンターが使用していた銃,ノースダコタ州の動物,自然,歴史に関するものが展示されています。
約600㎡の広大な敷地には,約30頭のアメリカバイソンが放されており,世界最大のバッファロー像もあります。
アメリカ全体で言うと,ノースダコタ州以外で野生のアメリカバイソンを見られる主な場所は,次のところです。
ワイオミング州「イエローストーン国立公園:Yellowstone National Park」
ユタ州「ソルトレイクシティー:Salt Lake City」近くの「アンテロープアイランド州立公園(Antelope Island State Park」
モンタナ州「モイーズ:Moiese」の「ナショナル・バイソン・レンジ:National Bison Range」
ケンタッキー州「ゴールデンポンド:Golden Pond」の「ランド・ビトゥイーン・ザ・レイクス・エルク・アンド・バイソン・プレイリー:Land Between the Lakes Elk and Bison Prairie」
カリフォルニア州「ロサンゼルス:Los Angeles」近く「カタリナアイランド:Catalina Island」
カリフォルニア州「サンフランシスコ:San Francisco」の「ゴールデン・ゲート・パーク:Golden Gate Park」
夕日の沈むバッドランズ:a setting sun and badlands
バッドランズとは,「バッドランズ国立公園:Badlands National Park」のことです。
プレーリーと呼ばれる大平原地帯の中にある岩山地帯の国立公園です。
バッドランズを直訳すると「悪い土地」になりますが,その通りの植物がほとんど育たない岩だらけの土地です。
約50万年の歳月をかけて水と風の浸食作用でできあがったそうです。
ノースダコタ州だけでなく,サウスダコタ州にまで広がっています。
さて,コインの太陽は朝日なのか夕日なのか。
バッドランズはノースダコタ州の西にあります。
なので,ノースダコタ州内から見ると,「バッドランズに沈む夕日」になると思います。
サウスダコタ州の記念コイン
サウスダコタ州:SOUTH DAKOTA
1889年に加盟(40番目)
ラシュモア山:Mount Rushmore
コウライキジ:a ring-necked pheasant
コムギダマシ:western wheat (Agropyron smithii)
2006年発行
ラシュモア山:Mount Rushmore
ラシュモア山の4人の大統領が,コインの中央に描かれています。
「ラシュモア山国立記念公園:Mount Rushmore National Memorial Park」です。
州のニックネームにもなっていて,「公園・庭園・湖が由来の州ニックネームの話 mohamoha23」にて詳しく紹介しています。
どうぞご覧ください。
紹介した後に知ったことですが,第40代大統領であるロナルド・レーガンの顔を加えようとの議論がされたそうです。
しかし,彫る場所がないとの理由で却下されたそうです。
コウライキジ:a ring-necked pheasant
「コウライキジ:a ring-necked pheasant」は,1943年にサウスダコタ州の公式な「州鳥:the official state bird」になっています。
雄のコウライキジは,虹色の胴体と金の羽毛,赤い顔,首に明るい白いリングがあり,かなりのルックスです。
このキジは,捕食者に追われた場合にのみ飛び,普段は歩いたり走ったりしているそうです。
1880年代にアジアからアメリカに輸入された鳥です。
コムギダマシ:western wheat (Agropyron smithii)
サウスダコタ州は,1970年にコムギダマシ(アグロピロン・スミヒイ)を「州草:the state grass」と承認しました。
この草は,サウスダコタ州に自生している一般的なネイティブグラスです。
主に家畜の飼料として使用されているそうです。
画像はモンタナ州で撮影されたコムギダマシです。
ミネソタ州の記念コイン
ミネソタ州:MINNESOTA
1858年に加盟(32番目)
州の形:an outline of the state
アカマツの木:red pine trees
ハシグロアビ(水鳥):a common loon
ボートでの釣り:Fishing by boat
「Land of 10,000 Lakes」
2005年発行
州の形:an outline of the state
コインの左半分にミネソタ州の形があります。
アカマツの木:red pine trees
湖の周囲の木々は,1953年にミネソタ州の公式な「州の樹:the official state tree」である「アカマツ:red pine」です。
ノルウェー松とも呼ばれています。
ハシグロアビ(水鳥):a common loon
ミネソタ州でふつうに見られる水鳥が湖で泳いでいます。
日本での呼ばれ方は「ハシグロアビ」です。
ハシグロアビは,ミネソタ州の公式の「州の鳥:the state bird」として1961年に採用されました。
ハシグロアビは,赤い目をした大きな黒と白の鳥です。
陸上では不器用ですが,水中では優れた水泳選手で,魚を追って,かなりの深さまで潜ることができます。
画像のハシグロアビは,メイン州で撮影されたものです。
ハシグロアビは渡り鳥で,夏場は北の方で繁殖し,冬に五大湖周辺にやって来て,越冬します。
ハシグロアビの鳴き声はとても特徴的で,一度聞くといつまでも耳にるそうです。
物悲しく,人恋しさをかき立てるような声だそうです。
撮影地はミネソタ州ではなく,ニューハンプシャー州です。
「Land of 10,000 Lakes」
ボートでの釣り:Fishing by boat
ミネソタ州の形の中には,「Land of 10,000 Lakes(1万の湖の地)」というミネソタ州の州ニックネームが刻まれています。
「州の魅力を伝える州ニックネームの話 mohamoha32」で紹介していますので,どうぞご覧ください。
ミネソタ州には,15,000を超える数の湖があると言われており,カヌーを始めとするアウトドアのための舞台となっています。
ちなみに,ミネソタ州は「ウォールアイ:walleye」という魚を州の魚としており,ミネソタ州の湖や川でよく行われるゲームフィッシングのための魚です。
今回はここまでです。
今回のページの情報源は以下のとおりです。
「state symbols USA」
「50州25セント硬貨 Wikipedia」
「コインと語源で旅するアメリカ50州」
次回も,中西部の西北中部地区の州を紹介していきます。
残りのネブラスカ州,カンザス州,アイオワ州,ミズーリ州の4州の記念コインの紹介をします。
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