前回,サボテンの州と呼ばれる州はどこの州かを調べました。
結果,「ない」に落ち着いたんですが,今回は,その時にいろいろ調べたことを紹介します。
サボテンは,ほぼすべての米国の州で見られるようです。
中でも,サボテンをよく見かけることのできる州は6つあります。
アリゾナ州
カリフォルニア州
ニューメキシコ州
ネバダ州
ユタ州
テキサス州
アメリカ南西部の州と言えます。
サボテンが豊富にある地域の共通点は……もうお察しだと思います。
砂漠地域です。
アメリカの砂漠地域は,植生により北からグレート・ベースン砂漠,モハーヴェ砂漠,ソノラ砂漠,チワワ砂漠の4つに区分されています。
サボテンと砂漠は切っても切れないと思いますので,これらの砂漠地域を見ていきます。
グレート・ベースン砂漠:Great Basin Desert
4つの砂漠のうち,一番北にある砂漠と覚えればいいと思います。
グレート・ベースン砂漠はそこに生息する動植物の種類によってその範囲が決められていますが,その境界線は不明確なのだそうで,砂漠の範囲については学者によって主張が異なっているそうです。(wikipediaより)
ですが,一般的には,ネバダ州の大部分とユタ州西部,カリフォルニア州東部,アイダホ州の南の一部が領域と言ってよいと思います。
乾燥した谷と山脈が交互に入り組む地形が見られ,標高3,000mの山脈が33あるそうです。
夏は暑く乾燥していますが,冬には雪が降るようです。
実は,このブログで一度,「グレート・ベースン」を紹介しています。(mohamoha11)
「土地など自然環境からの名称」の項で,プレーリーやグレート・プレーンズなどの地域を描きこんだ地図に「グレート・ベースン」を書いています。
その時は,ロッキー山脈とシェラネバダ山脈に囲まれた盆地と思っていました。
でも,それは間違いではなく,「グレート・ベースン」と言うと盆地を指す場合もあるようです。
モハーヴェ砂漠:Mojave Desert
グレート・ベースン砂漠のすぐ下,南にある砂漠と覚えればよいと思います。
州で言うと,カリフォルニア州南部,ユタ州南西部,ネバダ州南部,アリゾナ州北西部になります。
モハーヴェ砂漠は,山岳地帯や岩原,塩湖や川を含んでおり,アメリカの中でもバラエティーに富んだ砂漠だそうです。
地域の中にはラスベガスがありますね。
有名な「グランド・キャニオン」「モニュメント・バレー」や「ザイオン国立公園」など国立公園が目白押しのところでもあります。
それらの国立公園の紹介は,旅行のルート計画の時などに詳細を紹介することを予定しています。
「デス・バレー国立公園:Death Valley National Park」だけ,簡単に紹介します。
デス・バレー国立公園は北米で最も低い土地だそうで,海抜マイナス86m,世界第8位だそうです。
デス・バレーの中でも特に標高が低い地域を「バッドウォーター:Badwater」と言うそうで,塩の砂漠が広がっているそうです。
降雨量がかなり少ないらしいですが,ひとたび雨が降るとこの地帯は冠水して通行止めになるようで,それを旅行で体験した様子を映したYouTubeを見たことがあります。
ラスヴェガスとともに,モハーヴェ砂漠の地域は要チェックです。
チワワ砂漠:Chihuahuan Desert
モハーヴェ砂漠より南にあるのが,ソラノ砂漠とこのチワワ砂漠です。
モハーヴェ砂漠の下にあるソラノ砂漠を先に紹介してもいいのですが,ソラノ砂漠からサボテンの話につなげていきたいので,チワワ砂漠を先に紹介します。
モハーヴェ砂漠の下にあるのがソラノ砂漠で,その横にあるのがチワワ砂漠と覚えればよいと思います。
テキサス州西部,ニューメキシコ州の南,アリゾナ州南東部の一部分です。
この砂漠はメキシコにも続いていて,主にメキシコのチワワ州が主になる砂漠のため,「チワワ砂漠」と呼ばれているようです。
チワワと言えば,体格の小さい犬種がいますが,原産地はメキシコのチワワ州です。
他には,電波が届かず,地面にある石にコンパスを近づけると制御を失ってぐるぐる回るという場所があるそうで,「サイレンス・ゾーン」と呼ばれています。
なんとこの一帯は,UFOやエイリアンの集合地帯なんだそうです。
ほんとかな…。
話をアメリカに戻すと,前回(mohamoha21)で紹介した「サボテンの州はどこの州?」の項で一番最初に紹介したニューメキシコ州は,このチワワ砂漠になりますね。
ソノラ砂漠:Sonoran Desert
ソノラ砂漠はモハーヴェ砂漠の南(下),そしてチワワ砂漠の西(左)にあります。
さて,これでアメリカの4大砂漠が出そろいました。
4つの砂漠を一つの地図に表すと,このようになります。
もちろん,4つの楕円形で表していますので,正確ではないです。
ざっくりと,位置関係を見てください。
アメリカのソノラ砂漠地域は,アリゾナ州とカリフォルニア州の一部になります。
砂漠の大部分は,メキシコのソノラ州になるので,ソノラ砂漠と呼んでいるのだと思います。
アリゾナ州の「ツーソン:Tucson」には,「アリゾナ・ソノラ砂漠博物館:Arizona-Sonora Desert Museum」があります。
アリゾナ・ソノラ砂漠博物館HP「Arizona-Sonora Desert Museum」
さて,このアリゾナ州のツーソンですが,以前に地球の歩き方を読んで頭にインプットしていました。
なので,「サボテンの州」と言うと,真っ先にツーソンを思い浮かべ「アリゾナ州」だと思いました。
なぜかというと,ツーソンには「サワロ国立公園:Saguaro National Park」があるからです。
ツーソンの東西にこのサワロ国立公園があり,ツーソンは挟まれている感じです。
サワロ国立公園の目玉と言えば,「サワロサボテン:giant saguaro cactus」です。
ガッツポーズをしているような巨大なサボテンで,すぐに分かった方もおられると思います。
日本名は,「ハシラサボテン」とか「ベンケイチュウ」と呼ばれています。
「砂漠の王者」とも呼ばれているそうで,10m~15mに成長し150歳~200歳まで生きるそうです。
サワロサボテンはソノラ砂漠周辺地域特有のもので,アリゾナ州の北にあるグランド・キャニオン周辺(モハーヴェ砂漠)にはないそうです。
サワロ国立公園は,ツーソンの東も西も両方に,サボテンの林を走り抜けるドライブコースがあります。
アリゾナ州のサワロサボテンをもうちょっと詳しく紹介します。
サワロサボテンの話
アリゾナ州は,1931年にサワロサボテンの花を「州の花」に指定しました。
巨大な柱の上部にちょろちょろと何か出ています。
これがサワロサボテンの花の蕾です。
キャプチャーを見ると,撮影場所はツーソンよりもちょっと北にあるフェニックスになっています。
花をもっと拡大した画像がこちらです。
サワロの花の情報を箇条書きにして紹介したいと思います。
・サグアロの花は春から夏に見られますが,開花のピークは5月~6月だそうです。
・花の寿命は短く,夕暮れ時に咲き,翌日の午前中頃まで開いていて,午後までにはしおれるそうです。
・1つのサワロサボテンで,1シーズンに100本もの花を咲かせます。
・花は,刺激的な甘いメロンの香りがあるそうです。
・花が受粉されると成熟して果実になり,熟すと裂けて開き真っ赤な果肉が現れ,サワロフルーツになるそうです。
・サワロフルーツは6月中旬から7月上旬に収穫されるようです。
・スワロフルーツは,生で食べたり,茹でて濾してゼリーやキャンディーに使う甘いシロップを作ったりできるそうです。
・サワロフルーツを摘みたい場合は,事前に書面による許可を得なければなりません。
「えっ」と思いました。
勝手にサボテンの花を取ることはできないんだと思いながら,さらに調べると,花というよりも,サワロサボテン自体を傷つけることが違法なようです。
生長や繁殖が遅いために,巨大なサグアロサボテンは絶滅危惧種リストの候補になっています。
1本の幹から枝分かれするのに,約75年かかるそうです。
そのために,アリゾナではサワロサボテンはもちろん,前回紹介したオカティーロ(サボテンではないですが…)も含めて,サボテンを傷つけることは違法であり,建物を建てるときにサワロサボテンを移動させるのにも,特別な措置をしているそうです。
サボテンは,アリゾナ原産植物法の下でしっかりと保護されていて,傷つけた場合,最大25年の懲役もあるそうです。
以上が,「サボテンの州」を見つけるのに際して,色々見つけた情報です。
言い忘れていましたが,アリゾナ州の25セント記念コインには,しっかりとサワロサボテンが描かれています。
サボテンの調査から,いつの間にか砂漠の調査になるとは思ってもみませんでした。
次回は,また州のニックネームの話に戻りたいと思います。
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