アメリカにある博物館を32に絞ってお送りしています。
前回からカリフォルニア州サンフランシスコにある博物館を紹介しています。
今回は「アルカトラズ島」を紹介します。
独自ランキングでは第6位に入っています。
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アメリカの博物館32選!【アメリカ自然史博物館】 mohamoha78
アルカトラズ島:Alcatraz Island(カリフォルニア州サンフランシスコ)
カリフォルニア州のサンフランシスコ湾内にあるアルカトラズ島は,昔の決して脱獄できない刑務所だったところとして有名な島です。
現在は,サンフランシスコの観光名所として多くの人が訪れる場所になっています。
ヒストリーチャンネルの3分間のYouTubeがあったので,貼り付けておきます。
アメリカ南北戦争の頃から,島は監獄としての役割を果たすようになったそうです。
本格的な刑務所になったのは1934年からで,大恐慌や禁酒法により組織犯罪が激化していた時代に,アルカトラズ島は凶悪犯を収容する重要な施設になったのでした。
有名なギャングのボスであるアル・カポネやジョージ・マシンガン・ケリーもここに収容されていました。
アル・カポネについては,映画「アンタッチャブル」を鑑賞するのをお薦めします。
アル・カポネ役のロバート・デ・ニーロは,この役のためにブクブクと太って撮影に臨んだことはあまりにも有名で,見事なはまり役になっていました。
ショーン・コネリーはすでに007シリーズで有名な俳優でしたが,ケビン・コスナーやアンディー・ガルシアはこの作品から世界的に有名な俳優になったと思います。
私が大学時代の公開された映画で,この映画の影響から一時期,スーツ姿(禁酒法時代の古めの)で大学の講義を受けるのが流行りました。
さて,アルカトラズ刑務所ですが,1963年に閉鎖されます。
理由は,運営費用が他の刑務所よりも約3倍と高かったからでした。
食事や水など,囚人はもちろん看守の分も含め,船での輸送にコストがかかったのです。
それと,後のところで触れますが,1962年に起きた脱獄事件も関係がないとは言えないそうです。
1971年に国立公園局がこの島を取得し,ゴールデンゲート国立レクリエーション地域となりました。
1973年から一般公開されています。
画像はアルカトラズ島がまだ正式な刑務所になる前の頃の白黒写真です。
とはいえ,この頃には既に刑務所の役割も担っていたそうです。
正式な連邦刑務所になるのは1934年からです。
アルカトラズ島は,サンフランシスコ市から2.4kmのところに浮かぶ小島ですから,訪れるには海を渡ります。
アルカトラズ島に行くには,専用のアルカトラズ・クルーズを利用します。
他の船はありません。
島までの乗船時間は片道約15分です。
早朝,日中,夜といくつかのコースがあるようです。
アルカトラズ島へ行くフェリーの時間は決められていますが,帰りはどの時間のフェリーに乗ってもかまわないため,自分のペースで観光できます。
アルカトラズ・シティー・クルーズ公式HP(Alcatraz City Cruises)
見どころ① 独房が丸見えの通路
アルカトラズ島の刑務所で一番の名所は,この独房が左右にずらりと並ぶここではないでしょうか。
よく見ると2回も独房が並んでいます。
3階のところは窓になっているのか日光が差し込んでいます。
奥の3階にあたるところには看守が見張る所なのか,監視できるスペースがあるようです。
一つ一つの独房はこのような様子になっています。
オプションのツアーでは,この独房の中にも入れるようです。
見どころ② フランク・モリスの独房の穴
アルカトラズ島は一人も脱獄に成功していない刑務所として知られています。
計14回の脱獄事件が起き,すべて失敗したとされています。
中には,看守2名が死亡する脱獄事件も起きているようです。
「すべて失敗したとされている」と書いたのは,脱獄できたかどうか(生きているかどうか)が分かっていない事件があるからです。
その事件を起こした受刑者の名前が「フランク・モリス:Frank Morris」です。
1962年6月11日にフランク・モリスと他2名が監房から消えました。
フランク・モリスの独房の通気孔が広げられて穴が開いており,その穴から脱出しました。
見回りの時に気付かれないように,ベッドには作り物の人間の頭が置かれていたそうです。
レインコートで作ったボード?で島から脱出を図ったと見られていますが,陸にたどり着いたかは不明となっています。
公式には海で溺死したとされているため(死体は発見されていませんが),アルカトラズ島の刑務所から脱獄した受刑者はいないとされているのです。
フランク・モリスの独房に開けられた穴(おそらく再現されたものだと推測します)を観光名所としているところがアメリカらしいです。
この脱獄劇は映画にもなっていて,「クリント・イーストウッドが主演の「アルカトラズからの脱出:Escape from Alcatraz」です。
映画でも確か,海を渡り切ったかどうかは最後まで描かれてなかったと記憶しています。
確か,クリント・イーストウッドが島に残した花をを見て,所長が悔しがるといった終わり方だったと思います。
見どころ③ 島で一番古い建物 看守の家
アルカトラズ島には,囚人だけでなく看守とその家族も約300名,暮らしていたそうです。
看守の家族が生活する建物が画像のものであり,アルカトラズ島では一番古い建物になるそうです。
他に教会も建てられていたそうです。
観光としてこのような所も散策できます。
見どころ④ 火災で焼けた建物
刑務所として閉鎖された後の1969年に,ネイティブ・アメリカンの人たちがアルカトラズ島を占拠する事件が起こります。
アルカトラズ島をネイティブ・インディアンのための文化センターと大学を建てる場所としてほしいという抗議運動のためでした。
占拠は1971年まで続きます。
その間に火災によって幾つかの建物を失います。
その一つが画像の建物です。
見どころ⑤ 1800年代の旧式大砲
画像の大砲はおそらくレプリカだと思われますが,連邦刑務所の時代よりもかなり前のものです。
1800年代のアメリカ西部のゴールドラッシュ以来,サンフランシスコは多くの船が行き来することとなりました。
そのために,アルカトラズ島には灯台とともに要塞化され,86門の大砲が設置されました。
南北戦争時代には北軍が南軍の侵入を防ぐためにまだ設置されていました。
南北戦争後に旧式の大砲だったため撤去されましたそうです。
見どころ⑥ 海鳥,水鳥の保護区
アルカトラズ島には,現在,多くの水鳥や海鳥が生息しています。
それらの鳥の自然保護区になっているほどです。
人間が入るまでは,アルカトラズ島は少ない土壌にわずかな草と灌木が生えているだけだったそうです。
その後,島外から土壌を持ち込み,頂上にビクトリア様式の庭園を造りました。
刑務所の機能を持ってからは,受刑者らの手によって多くの,種子が植えられ,庭園が整備されました。
ユキコサギ:Snowy Egret
ゴイサギ:Black-crowned Night-Heron
現在,アルカトラズ島の庭園は,ゴールデンゲート国立公園コンサーバンシーという非営利団体が管理しています。
アルカトラズ庭園公式HP(The Gardens of Alcatraz) The Golden Gate National Park Conservancy内
今回は以上です。
参考にしたHPは以下の通りです。
今回でサンフランシスコを終え,次回からは同じカリフォルニア州のロサンゼルスにある博物館を紹介します。
最初に「グラミー博物館」と「ハリウッド・ミュージアム」
その次に「カリフォルニア・サイエンス・センター」と「ピーターソン自動車博物館」
その後,「ハンティントン」という順で紹介予定です。
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