【ロッキー山脈地区①】州の25セント硬貨のデザイン紹介  mohamoha38

州の記念コイン

米国造幣局の200周年記念コインの紹介の第2弾です。

今回は西部のロッキー山脈地区の各州を紹介します。

8つの州を2回のページに分けて紹介します。

西部(WEST):ロッキー山脈地区(MOUNTAIN)の州のコイン

モンタナ州の記念コイン

from shutterstock

モンタナ州:MONTANA

1889年に加盟(41番目)

バイソンの頭蓋骨:a bison skull

モンタナ州の山々:Mountains

 ミズーリ川:the Missouri river

「Big Sky Country」(ビッグ・スカイ・カントリー)

2007年発行

「バイソンの頭蓋骨:a bison skull」

実は,モンタナ州のコインの「バイソンの頭蓋骨」のデザインは「アメリカ・バイソン」ページで紹介しています。(アメリカバイソンの話 mohamoha18

アメリカ・バイソンの頭蓋骨はネイティブ・アメリカンの部族にとってとても神聖なシンボルです。

モンタナ州はこのネイティブの伝統を尊重し,25セントコイン以外にも州全体の学校,ナンバープレート,道路標識にもこのシンボルマークを使用しています。

「山々:Mountains」

「モンタナ」という名前は,「山」「山の国」を意味するスペイン語から来ているそうです。

モンタナ州には,多くの山脈があります。

まず,州の西側の3分の1に多くの山脈があり,州中央の3分の1にも小型の孤立した山脈があります。

これらを合わせると77の山脈になるそうで,これらの総称として「ロッキー山脈」と呼ぶそうです。

さて,コインに刻まれている山々が何なのかを調べるのですが,私が調べたサイトはどこも「モンタナ州の山々」としか紹介されておらず,ある特定の場所からの景色ではないのではないかとも推測されます。

しかし,唯一の手掛かりは山々の間にミズーリ川が流れていることなので,可能性のある山々(国立州立公園)を地図で調べてみました。

まず,モンタナ州と言えば「グレイシャー国立公園」なのですが,近くにミズーリ川は流れていません。

同じように「イエローストーン国立公園」の近くにもミズーリ川は流れていません。

ミズーリ川が通っているモンタナ州の国立公園や州立公園を一つずつ画像で確認したところ,それらしき光景のものが2つ見つかりました。

もちろん,コインに描かれている山々はモンタナ州の山々のイメージで,実際にはない景色であることも否めません。

まず考えられるのが,ミズーリ川の始まりでもある「ミズーリ・ヘッドウォーターズ州立公園:Missouri Headwaters State Park」です。

コインに似た光景の画像は著作権の関係で載せられませんが,可能性のある光景でした。

2つ目の候補は,「アッパー・ミズーリ・リバー・ブレークス国定公園:Upper Missouri River Breaks National Monument」です。

Upper Missouri Breaks NM photo by Bureau of Land Management on Flickr(Commercial use allowed)

どうでしょう。
なんとなく,コインのイメージと似ているのではないでしょうか。

もし,コインに描かれている景色が実際にモンタナ州のどこかで見られる光景で,その場所をもし知っている方がおられたら,ぜひ,教えていただけたらと思います。

「ミズーリ川:the Missouri river」

ミズーリ川は,ミシシッピ川の支流の中で最大です。

支流とは,他の河川に合流する川のことです。

実際に地図で見てみると,ミシシッピ川に匹敵する長さであることが分かると思います。

ミズーリ川は,3つの川が合流するところから始まります。

モンタナ州のロッキー山脈から始まり,モンタナ州,ノースダコタ州,サウスダコタ州,ネブラスカ州,アイオワ州,カンザス州を通り,最後はミズーリ州のセントルイスでミシシッピ川に合流します。

「ミズーリ」は,先住民族であるネイティブ・アメリカンの言葉で「泥の河」という意味だそうです。

実際にミズーリ川は多量の泥を含む川であり,別名「Big Muddy」と呼ばれるそうです。

アイダホ州の記念コイン

photo by IK’s World Tripon Flickr (Commercial use allowed)

アイダホ州:IDAHO

1890年に加盟(43番目)

ハヤブサ:a peregrine falcon

アイダホ州の地図:a map of Idaho

「Esto Perpetua」

2007年発行

「ハヤブサ:a peregrine falcon

なぜ,アイダホ州のコインにハヤブサが描かれているのかというと,アイダホ州南部を流れるスネーク川(Snake River)の流域は,世界最大級の猛禽類の生息地だからです。

ハヤブサは,2004年にアイダホ州の公式の州の猛禽に指定されています。

北米のハヤブサは,農薬の使用により絶滅危惧種となりましたが,1970年代のDDT禁止以来,個体数は回復しており,1999年に絶滅危惧種リストから削除されました。

現在もハヤブサは渡り鳥条約法に基づいて保護されており,アイダホ州の各地で見ることができます。

日本にいるハヤブサは周年でその地に生息しているためあまり知られていませんが,寒冷地に生息するハヤブサは,渡り鳥のように夏と冬で住処を変えるために長距離の移動をします。

「ハヤブサ:peregrine falcon」(ペレグリン・ファルコン)の「ペレグリン」は「放浪者」を意味していて,ペレグリン・ハヤブサは北米の鳥の中で最も長い移動をします。

北米のハヤブサは,南米で冬を過ごし冬以外は北米を住処とするため,1年間で25,000km移動するハヤブサもいるそうです。

アイダホ州のハヤブサについて,特筆すべきことが2つあります。

一つは,州都の「ボイジー:Boise」に「世界猛禽類センター:The World Center for Birds of Prey」があることです。

センターには,猛禽類の生態に関する展示室,映写室,飼育室内の鳥を窓越しに見られる観察室があり, ガイドツアーを依頼すると,専門のガイドが館内の展示をていねいに解説しながら案内してくれるそうです。

観察室では,ハヤブサだけでなくいろいろなフクロウや希少種の「カリフォルニア・コンドル:California Condor」や「オウギワシ:Harpy Eagle」の姿も見ることができるそうです。

もう一つは,ボイジーに近いスネーク流域一帯は,「スネーク川猛禽類保護区:Snake River Birds of Prey Area」に指定されていて,猛禽類の営巣・繁殖に適した自然環境が保護されていることです。

Nelson Snake River Birds of Prey National Conservation Area photo by BLMIdaho on Flickr (Commercial use allowed)

春にボイジーを訪れたら,まずは世界猛禽類センターで予習して,それから双眼鏡を持ってスネーク川に行って観察するのが良いようです。

「アイダホ州の地図:a map of Idaho

アイダホ州の地図には,一つ星があります。

一つ星があるところには,州都でありアイダホ州最大の都市である「ボイジー:Boise」がああります。

「ESTO PERPETUA」

「エストー・ペルペトゥア」と読み,ラテン語で「汝,永遠なれ」を意味するアイダホ州のモットーです。

ワイオミング州の記念コイン

from Shutterstock

ワイオミング州:WIOMING

1890年に加盟(44番目)

バッキングホース・アンド・ライダー:Bucking Horse and Rider

「The Equality State」(平等の州)

「NEN」

2007年発行

州のニックネーム「The Equality State」については「州民の特徴を表す州ニックネームの話 mohamoha33」にて,詳しく紹介しています。

「バッキングホース・アンド・ライダー:Bucking Horse and Rider

州のニックネームの紹介記事「西部開拓を由来とする州ニックネームの話 mohamoha34」で詳しく紹介しています。

馬の背に乗ったカウボーイのトレードマークは,ワイオミング州の公式な登録商標になっています。

ワイオミング州はロデオを州の公式のスポーツとしています。

上記の記事で「シャイアン:Cheyenne」で行われる全米最大級のロデオ「シャイアン・フロンティア・デイズ :Cheyenne Frontier Days」を紹介したのですが,ここでは,その祭典のロデオの様子のYouTubeを紹介します。

実際に野生の馬を飼いならす時にロデオのような感じになると思うのですが,私はマット・ディモンが主演する映画「すべての美しい馬:All the Pretty Horses」の馬の調教シーンがとても印象深く残っています。

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開始後30分ぐらいから馬を飼いならすシーンになります。

「NEN」

コインの右側下に小さく刻まれている「NEN」が何を意味するのか,私が調べたサイトはどこも載っていませんでした。

私が推測するに,原版のデザインを担当した「ノーマン・ネメス :Norman Nemeth」の「N」と「Ne」を合わせたアナグラムになっているのではないでしょうか。

ネバダ州の記念コイン

A Nevada quarter photo by tony’s pics on Flickr (Commercial use allowed)

ネバダ州:NEVADA

1864年に加盟(36番目)

三頭の野生馬:wild mustangs

雪を頂く山々:mountains

日の出:a rising sun

ヤマヨモギ:sagebrush

「The Silver State」(銀の州)

2006年発行

州のニックネーム「The Silver State」については「「牛肉の州」「牡蠣の州」「宝石の州」:特産物由来の州ニックネームの話 mohamoha15」にて,詳しく紹介しています。

「野生馬wild mustangs

アメリカにはかなりの野生馬がいます。

その野生馬の約50%以上がネバダ州の広大な砂漠地域や山岳地域に生息しているそうです。

アメリカでは,野生馬のことを「ワイルド・ムスタング:wild mustangs」と呼びます。

ムスタング は,プレーリー地帯にスペイン人が持ち込んだ小型馬が野生化した馬です。

スペイン語の「mestengo」に由来し,この語は「迷子になった」あるいは「主人のいない家畜」を意味するそうです。

調べていくと,ネバダ州の「パロミノ・バレー:Palomino Valley」というところ(本部はリノ)にある,ボランティアで,野生の馬やロバを人間に慣れさせ牧場に分けている施設を見つけました。

ネバダ州の近辺の州の公有地から野生の馬やロバを集めているそうです。

Palomino Valley Wild Horse and Burro Center (PVC) photo by Mitch Barrie on Flickr (Commercial use allowed)

「雪を頂く山々からの日の出:mountains,a rising sun

ネバダ州は,広大な砂漠と150以上の山脈で大盆地を形成している州です。

ラスベガスと砂漠が思いつきあまりピンときませんが,ネバダ州はアメリカ本土で最も山がちな州の一つです。

「ネバダ」という州名は,州西部に位置する「シエラ・ネバダ山脈:Sierra Nevada」に由来しています。

スペイン南部の同名の山脈に因むこの名前は,スペイン語で「雪の積もった山脈」の意味です。

「Nevada」は「雪が積もる」という意味だそうです。

砂漠のイメージからはちょっとピンときませんが…。

似たような言葉の化粧品ブランド「Nivea」は,ラテン語に由来し「雪のように白い」肌を表しているそうです。

しかし,私は,コインの山々の図はシェラネバダ山脈ではないと推測します。

シェラネバダ山脈はネバダ州の西,カリフォルニア州の東にあり,ネバダ州から見ると太陽の沈む西にあり,日の出は見られないはずだからです。

なので,コインの図は空想で描かれたデザインか,シェラネバダ山脈以外の山々ということだと思います。

「ヤマヨモギ:sagebrush

ネバダ州は,1917年に「ヤマヨモギ:sagebrush」を公式の州の花に指定しました。

Sagebrush buttercup Yellowstone National Park(Public domain)

「ヤマヨモギの州」のニックネームを持つ州はワイオミング州でした。(mohamoha20

ワイオミング州にとって,ヤマヨモギは州の公式の灌木ですが,ネバダ州は州の公式の花です。

日本の道端によく自生している「ヨモギ」と同様,ヤマヨモギも特に濡れた場合,強い刺激の香りを持っています。

ネイティブアメリカンは,ヤマヨモギの葉を薬として使用し,マットを織るためにヤマヨモギの樹皮を使用しました。

ヤマヨモギは,晩夏または初秋に画像のような小さな黄色と白の花を咲かせます。(画像はワイオミング州のイエローストーン国立公園のものです)

次回は,ロッキー山脈地区の残り4つの州(ユタ州,コロラド州,アリゾナ州,ニューメキシコ州)の25セントコインのデザイン紹介をします。

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