2021年の6月から2022年の3月まで,このブログでは「アメリカの美術館32選!」というテーマでアメリカにある美術館を紹介していました。
今回は,その番外編としてアメリカにある一つの美術館を紹介します。
まずは,以前に作成したオリジナルのランキングを紹介します。
- アメリカの美術館オリジナルランキング32選
- ウースター美術館:Worcester Art Museum(マサチューセッツ州ウースター市)
- 「印象派モネからアメリカへ-ウスター美術館所蔵-」(東京都美術館)
- ビザンツ帝国時代のモザイク:Worcester Hunt Floor Mosaic
- クロード・モネ:Claude Monet「睡蓮:Nymphéas (Water Lilies)」
- ジュリアン・デュプレ:Julien Dupré「干し草づくり:Les faneuses (The Haymakers)」
- ポール・セザンヌ:Paul Cézanne「「カード遊びをする人々」のための習作:Study for Les joueurs de cartes (The Card Players)」
- アンデシュ・レオナード・ソーン:Anders Leonard Zorn「Opal」
- チャイルド・ハッサム:Childe Hassam「コロンバス大通り、雨の日:Columbus Avenue, Rainy Day」
- デウィット・パーシャル:DeWitt Parshall「ハーミット・クリーク・キャニオン:Hermit Creek Canyon」
- フランク・ウェストン・ベンソン:Frank Weston Benson「ナタリー:Natalie」
- ポール・シニャック:Paul Signac「ゴルフ・ジュアン:Golfe Juan」
- ジョルジュ・ブラック:Georges Braque「オリーヴの木々:Olive Trees」
- エル・グレコ:El Greco「悔い改めたマグダラ:The Repentant Magdalen」
- 江戸東京博物館の出張展示
アメリカの美術館オリジナルランキング32選
① メトロポリタン美術館:The Metropolitan Museum of Art 通称:The Met <New York,NY>
② ニューヨーク近代美術館:The Museum of Modern Art, New York 通称:MoMA <New York,NY>
③ ナショナル・ギャラリー・オブ・アート:National Gallery of Art <Washington D.C.>
④ シカゴ美術館:The Art Institute of Chicago <Chicago,IL >
⑤ ボストン美術館:Museum of Fine Arts, Boston <Boston,MA>
⑥ フィラデルフィア美術館:Philadelphia Museum of Art <Philadelphia,PA>
⑦ ソロモン・R・グッゲンハイム美術館:Solomon R.Guggenheim Museum <New York,NY>
⑧ J・ポール・ゲティ美術館:J. Paul Getty Museum <Los Angeles,CA>
⑨ ロサンゼルス・カウンティ美術館:Los Angeles County Museum of Art 通称:LACMA <Los Angeles,CA>
⑩ クリーブランド美術館:Cleveland Museum of Art <Cleveland,OH>
⑪ デトロイト美術館:Detroit Institute of Arts <Detroit,MI>
⑫ サンフランシスコ近代美術館:San Francisco Museum of Modern Art 通称:SFMoMA <San Francisco,CA>
⑬ ヒューストン美術館:The Museum of Fine Arts, Houston <Houston,TX>
⑭ ネルソン・アトキンス美術館:The Nelson-Atkins Museum of Art <Kansas City,MO>
⑮ フリック・コレクション:Frick Collection <New York,NY>
⑯ スミソニアン・アメリカ美術館:Smithsonian American Art Museum <Washington D.C.>
⑰ ザ・ブロード:The Broad <Los Angeles,CA>
⑱ ロサンゼルス現代美術館:Museum of Contemporary Art, Los Angeles 通称:MOCA <Los Angeles,CA>
⑲ ハーシュホーン博物館と彫刻の庭:Hirshhorn Museum & Sculpture Garden <Washington D.C.>
⑳ デ・ヤング美術館:M. H. de Young Memorial Museum <San Francisco,CA>
㉑ セントルイス美術館:Saint Louis Art Museum <St. Louis,MO>
㉒ ミネアポリス美術館:Minneapolis Institute of Arts <Minneapolis,MN>
㉓ イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館:Isabella Stewart Gardner Museum <Boston,MA>
㉔ ミルウォーキー美術館:Milwaukee Art Museum <Milwaukee,WI>
㉕ ダラス美術館:The Dallas Museum of Art <Dallas,TX>
㉖ ブルックリン美術館:Brooklyn Museum <New York,NY>
㉗ クリスタル・ブリッジズ美術館:Crystal Bridges Museum <Bentonville,AR>
㉘ サルバドール・ダリ美術館:The Dalí (Salvador Dalí Museum) <St. Petersburg,FL>
㉙ ノートン・サイモン美術館:The Norton Simon Museum <Pasadena,CA>
㉚ バーンズ・コレクション:Barnes Collection <Philadelphia, PA>
㉛ シンシナティ―美術館:Cincinnati Art Museum <Cincinnati, OH>
㉜ イェール大学アートギャラリー:Yale University Art Gallery <New Haven, CT>
〇 ホイットニー美術館:Whitney Museum of American Art <New York,NY>
このブログでは,これらの美術館を紹介しています。
メニューの中の「美術館」から入り,好きな美術館を選んでください。
さて,今回,紹介する美術館は,「ウースター美術館:Worcester Art Museum」です。
ウースター美術館:Worcester Art Museum(マサチューセッツ州ウースター市)
ウスター美術館は,マサチューセッツ州のウスター市にあります。
ウスター市は,ボストン市から約70㎞のところにあります。
マサチューセッツ州のほぼ中央にあることから「ハート・オブ・コモンウェルス:Heart of Commonwealth」と呼ばれています。
都市名の「ウースター」は,イギリスの中心部にある都市「ウースター」から名付けられたそうです。
イギリスのウースターは,調味料の「ウスターソース」の発祥の地だそうです。
「印象派モネからアメリカへ-ウスター美術館所蔵-」(東京都美術館)
さて,今回,番外編としてウースター美術館を紹介するのには,理由があります。
東京都美術館で,1月27日から4月7日まで開催されている「印象派 モネからアメリカへ -ウスター美術館所蔵-」に行ったからです。
日曜日の朝一に行ったにもかかわらず,かなりの人混みでした。
大阪市立美術館で開催されたフェルメール展に行った時よりも混んでいた気がします。
ウースター美術館は,特に印象派の画家に特化した美術館ではありません。
古代から現代までの38,000を超える作品を所蔵しており,中でも日本の版画コレクションや武器と鎧のコレクションが有名です。
武器と鎧については,アメリカで2番目の規模を誇ります。
今回の東京都美術館の特別展では,ウースター美術館所蔵の作品の中から印象派の作品を中心に展示されており,とても親しみやすかったと思います。
もちろん,自分自身,初めて生で鑑賞する絵画ばかりでした。
普段は,展覧会に行っても鑑賞するだけで,あまりなにも購入しない自分ですが,今回は思い切って,展覧会図録を購入しました。
展示会では,ウースター美術館所蔵の印象派の作品に合わせて,日本の印象派の作品もかなり展示してあり,興味深く鑑賞させてもらいました。
黒田清輝と久米桂一郎が2枚ずつあり,他にも,印象派やバルビゾン派に影響を受けた日本人画家の作品が東京都内から集められ,展示されていました。
都内だけでなく,群馬美術館のものもありました。
さて,それでは,ウースター美術館の主な所蔵作品を紹介していきます。
今回の「印象派モネからアメリカへ-ウスター美術館所蔵-」の特別展で気になった作品を中心に紹介したいと思います。
ビザンツ帝国時代のモザイク:Worcester Hunt Floor Mosaic
「Worcester Hunt Floor Mosaic」
Antioch:トルコ南部の町
early 500s:紀元前500年
ウースター美術館の一番のメインは,この「ルネサンス・コート:Renaissance Court」の床にあるモザイクになります。
「モザイク:mosaic」とは,石やタイル,ガラス,貝殻などを建築物の床や壁面に埋め込んで,絵や模様を表す装飾技法です。
ビザンツ帝国時代のものだそうです。
トルコ南部の「Antioch」にあったものをこのルネサンス・コートに運びこみました。
ルネサンス・コートは,しばしばコンサート会場にも利用されています。
画像では,日本の和太鼓ミニコンサートが開かれています。
クロード・モネ:Claude Monet「睡蓮:Nymphéas (Water Lilies)」
クロード・モネ:Claude Monet
「睡蓮:Nymphéas (Water Lilies)」
1908
oil on canvas
印象派展「モネからアメリカへ」の主役になった絵です。
モネの連作「睡蓮」の中で,初めて美術館に収蔵された絵になります。
モネは,パリから75㎞離れたジヴェルニーの村で,後半生を過ごし,睡蓮の連作を手掛けます。
もちろん,睡蓮を手掛けているときにおいても,他の作品の連作を手掛けています。
睡蓮の連作は3期に分かれます。
この作品は,画面いっぱいに水面が描かれていますし,制作年を見ても,第2期にあたる時期に描かれたものとわかります。
睡蓮の連作の詳細は,私のニューヨーク近代美術館の紹介ページをご覧ください。↓
印象派展「モネからアメリカへ」では,思いもよらない展示がされていました。
このモネの睡蓮の購入の際には,ウースター美術館は,モネの専属画廊と19通の手紙や電報を交わし,それらの全てを保管していました。
今回,ウースター美術館とデュラン・リュエル画廊とで交わされたこれらの手紙が展示されていたのです。
2点購入して,「18000フランと20000フランの値段で,それは美術館用の低いものだからどうか内密にして」という内容もあります。
ジュリアン・デュプレ:Julien Dupré「干し草づくり:Les faneuses (The Haymakers)」
ジュリアン・デュプレ:Julien Dupré
「干し草づくり:Les faneuses (The Haymakers)」
1886
oil on canvas
印象派展「モネからアメリカへ」は,バルビゾン派の画家たちの章から始まりました。
コローやクールベといった画家たちです。
その中で,私はこのデュプレの絵を一番時間をかけて鑑賞しました。
女性と男性の構図がとても考えられていることと,女性のポーズが独特で,とても緊張感を感じさせるものであることが私を惹きつけたのだと思います。
画像からはわかりませんが,女性の足元の藁が,角度によって光り輝くように表現されていて,藁の1本1本までじっくりと鑑賞できました。
このデュプレという画家は,私のブログでは初めて紹介する画家です。
調べると,デュプレはバルビゾン派の第2世代にあたり,コローなどのレアリスムではなく,理想化した農村の情景を描いた画家とあります。
今回の印象派展の最初にバルビゾン派の展示をするのは,とても考えられていると思いました。
バルビゾン派は,農村に隠棲し,工業化されていないフランスの田園地帯の風景を描きました。
それらの風景画は,印象派の画家たちにとても影響を与えます。
バルビゾン派と印象派の画家たちの決定的な違いは,戸外の現地で彩色をしているかしていないかです。
バルビゾン派と印象派は重なっている時期があるため,一概には言えないのですが,バルビゾン派の画家たちは,アトリエにて彩色をしています。
チューブ式の絵の具が社会に登場したのがこの頃のことです。
印象派の画家たちは,簡単に絵具を出せるチューブ式のものを使うことで,戸外の光を表現したのです。
では,それまでは,どのようにしていたのかというと,顔科に媒材であるメディウムを混ぜて練りあげていました。
全て屋内で,画家自身がやるか,画家が弟子に指示をして調合させていました。
コローなども例外ではなく,彩色をする仕上げは必ずアトリエでしていたと言われています。
なので,コローの田園風景に見られる人物は想像のものであったというのが定説です。
さて,今回のデュプレの作品に戻りますが,工業化が広まり,失われつつある良き農村風景を想像で描いた傑作だと言えます。
ポール・セザンヌ:Paul Cézanne「「カード遊びをする人々」のための習作:Study for Les joueurs de cartes (The Card Players)」
画像はありません。
ポール・セザンヌ:Paul Cézanne
「「カード遊びをする人々」のための習作:Study for Les joueurs de cartes (The Card Players)」
1890–1892
oil on canvas
展示会では,最後の章で「まだ見ぬ景色を求めて」と称して,ポスト印象派の作品が展示されていました。
その中の1枚,セザンヌの「カード遊びをする人々」のための習作が印象深かったです。
絵自体はじっくりと鑑賞するものではないのですが,メトロポリタン美術館にある「カード遊びをする人々」を連想しながら眺めるととても意味のある時間になっている気がしました。
実際に展示されていた習作は,パブリック・ドメインになってなく,他の方が写した画像もないことから,画像無しで紹介しています。
しかし,どの絵のための習作なのか,その絵を紹介したいと思います。
The Card Players
Paul Cézanne
1890–92
Oil on canvas
この「カード遊びをする人々」の中央の人のテーブルから上を描いたのが,ウースター美術館所蔵の習作です。
セザンヌは,全部で5枚の「The Card Players」を描き,そのために多くの習作を残しています。
このブログで,フィラデルフィアにあるバーンズコレクション所蔵の「The Card Players」を紹介しています。
ついでなので,残りの「The Card Players」も紹介したいと思います。
残りの3枚は,アメリカではないところにあります。
オルセー美術館:Musée d’Orsay
The Card Players
Paul Cézanne
1894–95
Oil on canvas
コートールド・ギャラリー:Courtauld Gallery
The Card Players
Paul Cézanne
1892–95
Oil on canvas
オルセー美術館はフランス・パリにあります。
コートールド・ギャラリーは,イギリス・ロンドンにあります。
2枚ともよく似ていますが,左側のパイプをくわえた人物が持つカードに違いがあります。
アメリカのフィラデルフィアとニューヨークにある「The Card Players」は,3人のプレイヤーでカードに興じているのに対して,ヨーロッパのパリとロンドンにある「The Card Players」は,2人のプレイヤーというのが面白いです。
さて,気になる5枚目の「The Card Players」ですが,カタール王室にあります。
セザンヌの「カード遊びをする人々:The Card Players」に描かれている人物は,自己主張をしないように描かれていると言われています。
まるで,静物を描くように人物を描いていると解説している方もいます。
アンデシュ・レオナード・ソーン:Anders Leonard Zorn「Opal」
アンデシュ・レオナード・ソーン:Anders Leonard Zorn
「オパール:Opal」
1891
oil on canvas
この作品は,印象派展の「国際的な広がり」の章にて展示されていました。
ソーンは,スウェーデンの画家です。
パリで身につけた技法を応用し,スウェーデンのムーラという町で描いたものです。
さて,スウェーデンの画家ということで私は覚えていました。
このブログのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館の紹介ページにて紹介しています。
「イザベラ・スチュワート・ガードナー:Isabella Stewart Gardne」を描いた画家です。
↑詳しくはこちらをクリックしてください。
チャイルド・ハッサム:Childe Hassam「コロンバス大通り、雨の日:Columbus Avenue, Rainy Day」
チャイルド・ハッサム:Childe Hassam
「コロンバス大通り、雨の日:Columbus Avenue, Rainy Day」
1885
oil on canvas
印象派展「モネからアメリカへ」のもう一人の主役であるハッサムです。
展示会では,ハッサムの作品が4点展示されていました。
そのうちの1枚がこの絵です。
コロンバス通りとはマサチューセッツ州ボストンにあり,ハッサムは,パリにてフランス近代絵画に出会ってから,この大通り沿いに居を構えました。
ハッサムは,このような都市風景の作品を多数描いています。
私のブログにて以前にハッサムを紹介しています。
絵を見比べると,筆のタッチがかなり違っていることに気が付くと思います。
また,今回の「印象派展」の展覧会図録の表紙になっているハッサムの作品「花摘み、フランス式庭園にて:Gathering Flowers in a French Garden」と見比べても,かなりタッチの違いに気づきます。
また,以前のブログで紹介しているように,ハッサムの作品で一番知られているのは「金魚の鉢:Bowl of Goldfish」だと思います。
今回の「印象派展」では,「金魚の鉢:Bowl of Goldfish」とよく似たタッチと構図の「朝食室、冬の朝、ニューヨーク:The Breakfast Room,Winter Morning,New York」が展示されていました。
デウィット・パーシャル:DeWitt Parshall「ハーミット・クリーク・キャニオン:Hermit Creek Canyon」
デウィット・パーシャル:DeWitt Parshall
「ハーミット・クリーク・キャニオン:Hermit Creek Canyon」
1910-16
oil on canvas
私のブログで初めて紹介する画家です。
ニューヨーク生まれのパーシャルは,絵を学び,アメリカの西部で活動した画家です。
パーシャルは,サンタフェ鉄道会社からグランド・キャニオンを描くように依頼されました。
宣伝のためです。
依頼を受けたとはいえ,パーシャルはカリフォルニア州のサンタバーバラを終の棲み家として,グランドキャニオンを描き続けました。
印象派の画家が活躍した背景には,鉄道網が広がった社会の状況も大いに影響しています。
フランスにおいても,鉄道が通ったことで,パリの画家たちは田舎の方に目が向いたと言えます。
モネにおいても,睡蓮の連作を制作したジヴェルニーの終の棲家をどのように見つけたかというと,旅行に出かけた際に,アクシデントで列車がたまたま停車した場所がジヴェルニーだったと伝えられています。
印象派を語る場合,チューブ式の絵の具の発明と鉄道の広がりは欠かすことのできないポイントになります。
さて,私がこのパーシャルの絵を紹介するのには訳があります。
「印象派展」に行く前日に,私は,私と年がかなり離れた友だちと会い,食事をしました。
食事をするぐらいなので,大好きな友だちなのですが,友だちは既に「印象派展」に行っていて,私にポストカードをくれました。
それがこのパーシャルの絵のポストカードでした。
以前に行っていた「マティス展」のポストカード「アルジェリアの女性」も一緒にもらいました。
フランク・ウェストン・ベンソン:Frank Weston Benson「ナタリー:Natalie」
フランク・ウェストン・ベンソン:Frank Weston Benson
「ナタリー:Natalie」
1917
oil on canvas
ベンソンも私のブログで初めて紹介します。
ボストン出身のベンソンは,主に人物画を描いた画家です。
この「ナタリー」も,今回の展覧会にてとても印象に残った絵の一つです。
いかにもアメリカ的な女性で,戸外で描かれたとても爽やかな雰囲気です。
解説では,ワイオミング州のグランド・ティトン山脈の麓にある牧場にて,ベンソンは依頼されて「ナタリー」を描いたと書かれています。
ポール・シニャック:Paul Signac「ゴルフ・ジュアン:Golfe Juan」
ポール・シニャック:Paul Signac
「ゴルフ・ジュアン:Golfe Juan」
1896
oil on canvas
点描画の画家,シニャックはこのブログで初めて紹介する画家です。
展示会では,「まだ見ぬ景色を求めて」の章で,ポスト印象派として展示されていました。
点描画といえば,スーラが第一人者ですが,シニャックも忘れてはいけません。
シニャックで,すぐに思い浮かべるのは,岡山県大原美術館にある「オーヴェルシーの運河」です。
気になる方は検索してみてください。
「ゴルフ・ジュアン」とは地名で,南仏の地中海のリゾート地です。
ジョルジュ・ブラック:Georges Braque「オリーヴの木々:Olive Trees」
ジョルジュ・ブラック:Georges Braque
「オリーヴの木々:Olive Trees」
1907
oil on canvas
展示会では,「まだ見ぬ景色を求めて」の章で,新技法のフォーヴィスムとして紹介されていました。
ブラックを紹介するのは,私のブログでは初めてです。
ブラックはフランスの画家です。
フォーヴィスムは野獣派と呼ばれ,鮮やかな色彩で描くのが特徴で,マティスが代表作家になります。
ブラックは,ピカソとともに,キュビズムの生みの親です。
自然を円筒形と球形と円錐形によって描くのが,ブラックにおけるキュビズムです。
キュビズムと言われてピンとこない方は,ピカソの「アヴィニョンの娘たち(1907)」だというとなるほどと納得されると思います。
ブラックの画家としての始まりは,マティスを真似たフォーヴィスムだったとは,この展示会で見るまで知りませんでした。
エル・グレコ:El Greco「悔い改めたマグダラ:The Repentant Magdalen」
エル・グレコ:El Greco
「悔い改めたマグダラ:The Repentant Magdalen」
about 1577
oil on canvas
最後に紹介するのは,今回の印象派展とは関係のない作品を選びました。
皆さんもご存じのエル・グレコです。
劇画風のタッチは,グレコならではと言えます。
ウースター美術館においても,2023年の夏に印象派展を開催されていたようです。
東京都美術館での開催は4月7日までです。
その後の巡回展は以下の通りです。
群馬県郡山市立美術館:2024年4月20日~6月23日
東京都富士美術館:2024年7月6日~9月29日
大阪府あべのハルカス美術館:2024年10月12日~2025年1月5日
ウースター美術館は,マサチューセッツ州にあります。
マサチューセッツ州にはボストン美術館という日本ととても関係の深い美術館があります。
マサチューセッツ州には,私たちの2回目のアメリカ旅行で訪れる予定です。
その際には,ウースター美術館にも寄り,今回の展示会で出会った作品との再会を楽しみたいと思います。
江戸東京博物館の出張展示
印象派展に行った際に,同じ東京都美術館にて,改築のために長らく休館している江戸東京博物館の出張展示を5日間限定で開催していました。
なんと無料で,来館者は写楽の浮世絵のカードまで頂けました。
歌川広重
「東都名所高輪二十六夜待遊興之図」
1841~1842
バナー展示
港区高輪の辺りが江戸時代はこんな様子だったのかと,特に屋台を中心に観ました。
また,上野の今昔を特集していて,これも興味深く観ることができました。
戊辰戦争の後って,こんなんだったんだ…とちょっと驚きました。
他には,人力車や昔の自転車体験,千両箱の重さ体験などがあり,充分に楽しめました。
江戸東京博物館の出張展示は,今後もあると推測されるため,要チェックです。
さて,今回は番外編として「美術館紹介」のカテゴリーにて,ウースター美術館を紹介しました。
今後も,アメリカの美術館にちなんだ展示会に行った際には,このブログに紹介していきたいと思います。
今回はこれで終わります。
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